Microsoft Copilot連載延長戦~【更新】Microsoft Ignite 2023での更新情報

以前10日間連載を実施してきましたが、延長戦として2023/11/14~11/17の間で開催されていたMicrosoft Ignite 2023の情報を踏まえた更新情報をまとめたいと思います。

また、今回はアドベントカレンダー企画への参加ということで、以下2つの企画へ参加しております。

  1. Microsoft Top Partner Engineer's Advent Calendar 2023

  2. Microsoft 365 Advent Calendar 2023

本投稿の概要

本投稿では以下の内容を理解いただくことを目的としております。

  1. Microsoft Ignite 2023における発表内容を理解する

製品名の変更

連載の最中に製品名の変更が発表される形にはなりましたが、以下の変更がされています。

  1. Microsoft 365 Copilot ⇒ Copilot for Microsoft 365

  2. Bing Chat/Bing Chat Enterprise⇒Copilot

    引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

    その他にもMicrosoft 365 Sales CopilotなどもCopilot for Salesへと変更されており、"Copilot for ~"という名前が使われています。

Copilot Studioの発表

こちらは様々な方が望まれていた内容だと思います。Copilotのカスタム化ができます。Copilot StudioのベースはPower Virtual Agents(生成型のボット構築のプラットフォーム)で構成されており、Azure OpenAI Studioなどと統合されています。

まずは動画を見てみましょう。まず最初にCopilotに質問を投げているのですが、最初はうまく返してくれません。情報をうまく探せないようです。そこでプラグインを独自に作ることで、内容を理解して回答を返してくれるようになりました。という内容になります。

www.youtube.com

カスタマイズの大きな方向性としては2つです。

  1. 従来のPower Virtual Agents(チャットボット)のカスタマイズ
  2. Copilot for Microsoft 365のカスタマイズ

Copilot Studioの機能

まずは機能を確認し、その上で各カスタマイズのパターンを見ていきましょう。

機能としては以下の内容が挙げられます。

  1. トピック
  2. プラグインアクション
  3. 会話プラグイン(Copilotプラグイン)
  4. AIプラグイン(Copilotプラグイン)
  5. 生成型の回答

従来のPower Virtual Agents(チャットボット)のカスタマイズ

上記の機能で関連しているのは以下の3つとなります。

  1. トピック
  2. プラグインアクション
  3. 生成型の回答

ではそれぞれ見ていきましょう。

トピック

トピックは従来から存在する機能で、チャットボットとの会話内容を定義するものです。Copilotを使うことでトピックを簡単に作ることが可能です。

Copilotによるトピック作成画面
プラグインアクション

トピックの中でアクションを設定可能なプラグインです。こちらはCopilot for Microsoft 365では利用できず、チャットボットのみでの利用となります。

たとえば天気を取得するプラグインを作成したら、チャットボットで天気を答えてくれるようになります。

引用元:Use plugin actions in Microsoft Copilot Studio (preview) - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

引用元:Use plugin actions in Microsoft Copilot Studio (preview) - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

引用元:Use plugin actions in Microsoft Copilot Studio (preview) - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
生成型の回答

こちらはトピックを作成することなく回答を生成してくれる機能となります。

回答のソースとしてWebサイトのURLを指定することで、そのサイトにあるコンテンツをもとに自動的にチャットボットが回答をしてくれる、という仕組みです。

ソースとしては外部のWebサイトやSharePoint、OneDriveなどが指定可能です。

引用元:生成型の回答 - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

Copilot for Microsoft 365のカスタマイズ

続いてCopilot for Microsoft 365のカスタマイズです。関連している機能は以下の2つとなります。

  1. 会話プラグイン(Copilotプラグイン)
  2. AIプラグイン(Copilotプラグイン)
会話プラグイン(Copilotプラグイン)

こちらは、組み込み場所がCopilot for Microsoft 365となりますが、動作イメージとしてはプラグインアクションと同じようなものと考えればよいです。

引用元:Microsoft Copilot 向け会話プラグインを作成する (プレビュー) - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

違いとしては、Copilot for Microsoft 365のプラグインとして出てくるようになるので、ユーザ側でプラグインを選択するという方式になる事です。

AIプラグイン(Copilotプラグイン)

AIプラグインは回答のコンテンツ生成にAIを使うものです。

以下4種類のプラグインがありますが、現状はAI Builderプロンプトプラグインのみ利用可能です。

  1. AI Builderプロンプトプラグイン
  2. Power Automateフロープラグイン
  3. カスタムコネクタプラグイン
  4. Open AIプラグイン

AI Builderプロンプト作成画面

実際に作成画面を見てみると、プロンプトがテンプレートとして設定されており、テストすることが可能です。

サンプルで動作させてみたところ、応答としてはPositiveとして判定してくれました。

このように、コンテンツ生成をAI側で実施してもらえるようなプラグインを作成することも可能です。

感情分析用プロンプトのサンプル画面

各Microsoft 365製品の更新

Teams

Teamsは大きく以下の内容の更新があります。

  1. コラボレーションノート
  2. 文字起こしを利用しないCopilot利用
  3. Whiteboardとの連動
  4. ボイスアイソレーションと話者認識
コラボレーションノート

2024年初頭にリリース予定となりますが、メモをリアルタイムで自動生成してくれる機能が出ます。

Copilotが使えるようになったとは言え、自分自身でCopilotを動作させないとメモは生成できなかったのですが、これで本当に会議に集中しながらメモを生成してくれる副操縦士が出てきたと言えます。

引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

文字起こしを利用しないCopilot利用

Copilotの現状の悩みとしては文字起こし(トランスクリプト)の開始忘れによるCopilotが利用できないということがありました。しかし、この更新によって、文字起こしを有効化せずともCopilotが利用できるようになります。

ただし、会議終了後は文字起こしのデータがないため、Copilotの利用、会議中のCopilotの対話結果も保存されていません。セキュリティやコンプライアンスの観点から文字起こしや録画を禁止している環境もあるかと思いますので、そのような環境向け、開始忘れ時にはよい機能だと考えられます。

Whiteboardとの連動

Interface of a virtual meeting showing four attendees, with a notification about Copilot availability without recording or transcription.

引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

会議のメモを視覚的にわかりやすく分類することが、Whiteboardと連動することで実現可能です。こちらも2024年初頭リリース予定となります。

ボイスアイソレーションと話者認識

Teamsの新機能として、声紋認識によるノイズキャンセリングの強化(ボイスアイソレーション)がされています。これで、登録された声だけを拾うことができるので、音声認識がしやすくなります。

また、それとは別に、Copilotではメモを作成するにあたり誰が話したかが重要な要素となります。Teams Roomsを使う必要がありますが、同一マイクを利用した場合でも声紋認識による発言者の区別をすることが可能になります。

Outlook

Outlookではメールの内容をもとに、フォローアップ会議などの提案をしてくれます。

今までは下書きと要約だけでしたが、会議の調整もできるようになります。こちらも2024年初頭リリース予定です。
Animated GIF of a weekly calendar view in Outlook, showing how Copilot can schedule meetings on specific topics, suggest attendees, draft agendas, recommend files to share, and find times when everyone is available.

引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

Word

Wordでは文書改定履歴を確認することが可能になります。こちらも2024年初頭リリースとなります。Copilot in Word in action - showing creation Copilot profile and summaries of business data.

引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

Microsoft Copilotダッシュボードの発表

今までCopilotの利用は単純な利用数などの把握をすることはできましたが、どのような効果があるかを測定するための指標はありませんでした。

今回、Microsoft Copilotダッシュボードが発表されました。これで具体的にどれくらいの時間削減効果があったのか、どれくらいの機能が利用されているのかを具体的に把握することが可能になります。

利用のためにはViva Insightsライセンスが必要となりますが、測定が難しかった効果を出力することが可能になります。

引用元:Introducing Microsoft Copilot Studio and new features in Copilot for Microsoft 365   | Microsoft 365 Blog

過去連載一覧

さいごに

Copilotの世界は日々更新がされており、昨日の情報がすでに古いということがすぐに発生します。この記事をまとめている中でも更新が発生しているので。最新情報は常に追う必要があります。

またブログも更新したいと考えておりますので、その際はよろしくお願いいたします。延長戦もお付き合いいただきありがとうございました!

執筆担当者プロフィール
堤 裕一

堤 裕一(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Microsoft 365をメインに活動。FY23 Microsoft Top Partner Engineer Award - Modern Work受賞。今はCopilotにわくわく。

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