はじめに
JBS Tech Blogでは、原則として投稿者には「寄稿者」の権限のみ付与しています。寄稿者は記事を直接公開する事が出来ないので、その後、編集者権限を持つ人が記事をレビューした後で、編集者が公開する、という流れになります。
ただ、記事の準備が出来てレビューしてもいい状態かどうかを編集者が知る仕組みはプラットフォーム側にありません。Teamsで個別にメンションもらう形でもいいかもしれませんが、もうちょっと運用を楽にしたかったので、Power AutomateとTeamsを軸にレビューの流れを半自動化しました。
レビュー依頼を出す
ブログ記事を投稿する人はTeamsのライター向けのチャネルを使ってもらっています。
このチャネルのタブに、Formsの投稿画面を埋め込んでいます。
ここから、レビューを希望する記事名だけ入れてもらえれば、レビュー依頼としては終了です。
レビュー依頼を元にPower Automateを動かす
Teamsにレビューやり取り用のスレッドを生成する
Formsの回答をトリガーにしたPower Automateを作成します。まずは、記事のレビュー時に確認したいことなど出てくるので、そのためのスレッドをTeamsに生成します。
実際に投稿されるメッセージはこのようになります。今回テスト用なのでメンション先と投稿先がどちらも僕になっていますが、実際には依頼者は投稿者になるので、投稿者と編集者の二人にメンションが飛びます。
SharePoint リストに記事公開情報を掲載する
編集側で記事のレビューが追い付かずに待たせてしまうケースがあると考えたので、記事公開状況がどうなっているか、投稿者から分かるように、SharePoint リストを用意しています。
Formsでレビュー依頼が送信されると、このリストに自動的に「レビュー待ち」として登録されるようにしています。
レビュー後の記事公開時にもPower Automateを動かす
あとはTeamsに生成されたスレッドを元にやり取りをしてレビューが終わったら記事を公開して終了なのですが、記事を公開後に記事公開状況を管理しているSharePoint リストを更新し忘れがちなので、これも自動化しました。これは、先ほどとは別のPower Automateのフローを作って実現します。
トリガーにはRSSを使っています。JBS Tech BlogのRSSで新しい記事が投稿されることをトリガーとし、そのタイトルから既存のリストから該当記事をフィルタして取得します。
本当はタイトルからそのままリストを更新したいのですが、一度既存のアイテムの内部IDを取得する必要があるため、このような処理をまず入れています。
ここで取得したIDを使い、リストの更新をかけます。ここでは「状態」を「公開済み」に変更します。
処理場、繰り返し処理になってしまうのですが、原則として同タイトルの記事は無いとして、実質1アイテムとして作っています。
この処理が走ると、リストのステータスは記事公開と連動して「公開済み」となるので変更忘れがなくなります。
おわりに
こんな感じで、Power Automateを使うと、ちょっとした手間で定型作業を簡略化したり、作業漏れを防ぐ事が出来ます。いつも同じことやってるな、と感じたら、Power Automateでの自動化を試してみませんか?
舟越 匠(日本ビジネスシステムズ株式会社)
人材開発部に所属。社内向けの技術研修をしつつ、JBS Tech Blog編集長を兼任。2024年8月からキーマンズネットでPower Automateの連載を開始。好きなサービスはPower AutomateやLogic Apps。好きなアーティストはZABADAKとSound Horizon。
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