Teams Phoneでの代理人構成をユーザーにて設定する方法を以下記事にてご紹介しましたが、今回は管理者での設定方法をご紹介します。
前提
本記事の中では代理人を設定するユーザーと代理人に指定されたユーザーを区別しやすくするために、下記のように表記します。
- 代理人親ユーザー:代理人を設定するユーザーを指す
- 代理人子ユーザー:代理人に指定されたユーザーを指す
また、代理人親ユーザーはTeams Phoneを利用するためのライセンスが付与され、外線電話番号が割り当てられている必要があります。
※代理人に指定されるユーザーは、通話を受けるだけであればライセンス・外線番号は必要ありません
代理人の設定方法
グローバル管理者、またはTeams管理者権限を持つユーザーにて、Teams管理センターへアクセスします。
「ユーザー」メニュー配下の「ユーザーを管理」をクリックし、表示されたTeamsユーザーの一覧から、代理人親ユーザーに設定するユーザーをクリックします。
ユーザーの詳細画面にて、「音声」タブをクリックします。
転送・代理人設定に関する設定項目が表示されるので、以下のように設定します。
発信通話
パラメータ | 選択肢 | 備考 |
---|---|---|
通話のダイヤルアウトの設定 | 以下から選択 ・任意の通話先 ・開催者と同じ国または地域 ・許可しない |
発信を特に制限しない場合は、既定の「任意の通話先」のままとする |
通話応答ルール
パラメータ | 選択肢 | 備考 |
---|---|---|
通話応答ルール | 以下どちらかを選択 ・[代理人親ユーザー名]のデバイスを呼び出す ・すぐに転送する |
代理人親ユーザーに着信時、代理人親ユーザーは呼び出したくない場合は「すぐに転送する」を選択する |
通話転送の種類 |
以下から選択 |
代理人構成の場合は「代理人」を選択する |
代理呼び出し
パラメータ | 選択肢 | 備考 |
---|---|---|
ユーザーを追加 | 代理人子とするユーザーを指定 | - |
権限 | 以下から選択 ・通話の発信 ・通話の受信 ・通話の発信と受信 ・通話の発信または受信不可 |
代理人子ユーザーに付与する権限を指定する。発信も着信もさせて良い場合は、「通話の発信と受信」を選択する |
通話設定の変更を許可する | オンまたはオフ | 代理人子ユーザーに、代理人の設定を確認・更新させてもよい場合はオンを選択する |
応答しない場合 | 以下から選択 ・なし ・ボイスメールに送信 ・ユーザーに転送する ・番号に転送する ・グループ通話ピックアップ |
代理人親ユーザー、代理人子ユーザーが全員着信に応答できなかった場合の動作を選択する。 ※「なし」は電話を切断する |
リダイレクト前に呼び出す秒数 | 10秒~60秒(10秒刻み) | 呼び出し時間を設定する。ここで設定した秒数の間、誰も着信に応答できなかった場合、「応答しない場合」で設定した動作となる |
最後に[保存]ボタンをクリックし、設定を保存します。
[補足]コマンドで代理人子ユーザーを追加する
ここまでTeams管理センターのGUI上から代理人設定をする方法を説明しましたが、数が多い場合はPowershellコマンド"New-CsUserCallingDelegate"からも設定が可能です。
※ 代理人子ユーザーは最大25名まで指定可能です
New-CsUserCallingDelegateに指定するパラメータは以下の通りです。
※ 代理人子ユーザー1名につき1つのコマンド実行が必要です。
パラメータ | 設定値 | 備考 |
---|---|---|
-Identity | 代理人親ユーザーのUPN | - |
-Delegate | 代理人子ユーザーのUPN | - |
-MakeCalls | 代理人子ユーザーに発信を許可するかどうか | 許可する場合は$true、許可しない場合は$false |
-ReceiveCalls | 代理人子ユーザーに着信を許可するかどうか | 許可する場合は$true、許可しない場合は$false |
-ManageSettings | 代理人子ユーザーに代理人設定の確認・編集を許可するかどうか | 許可する場合は$true、許可しない場合は$false |
実際のコマンドの例です。
New-CsUserCallingDelegate -Identity [代理人親ユーザーのUPN] -Delegate [代理人子ユーザーのUPN] -MakeCalls $true -ReceiveCalls $true -ManageSettings $true
Powershellを起動し、Connect-MicrosoftTeamsを実行してTeams管理センターへ接続したら、上記コマンドを実行します。
特に返り値が無ければ、コマンドは成功しています。
終わりに
代理人設定はユーザー個人でも設定が可能ですが、部署や会社の代表番号での発着信を代理人構成にて行う場合などでは、代理人の設定を管理者が行うことが求められます
そのため、今回ご紹介した管理者での設定方法についても覚えておくと非常に便利です。
Hiroko, Kimura(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft 365製品の提案~運用が担当領域、特にTeams/Teams Phone多めです。趣味は音楽とテレビと映画。趣味にしたいのは筋トレ(エンジニアには筋肉が必要)。
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