前回はAzure Communication Services(以下、Communication Services)を使ってメール送信を行うプロセスについてご紹介しました。
今回の「Azure Communication Servicesを使ってメールを送信する方法(2)」では、Azure Logic Apps(以下、Logic Apps)と連携しメールを送信する方法を紹介します。
※ メール送信に必要なリソース作成やドメインの接続については前回の記事で紹介しておりますので、今回は省略します。
事前準備
Logic Appsは、様々なトリガーやアクションを組み合わせてワークフローを自動化することが出来ます。
Logic AppsからCommunication Servicesへのアクセスが必要な場合、接続文字列が必要になります。
また、送信元のメールアドレスの情報も必要になるので、まずは事前準備としてCommunication Servicesの設定を確認します。
接続文字列の取得
1. [接続文字列]は作成したCommunication Servicesのメニュー画面に表示されている[キー]から確認が出来ます。
2 [接続文字列]の内容をコピーします。
※後の工程で使用します。
送信元のメールアドレスの確認
1. Communication Servicesのリソースを表示します。
2. メニュー画面から[メールを試す]をクリックします。
3. [メールを試す]の画面が表示されたら、[メールの送信元]と[送信者のメールユーザー名]をコピーします。
※後の工程で使用します。
Logic Appsの作成手順
「Azure Communication Servicesを使ってメールを送信する方法(1)」では、Azureのメニュー画面にある[メールを試す]からメールを送信しました。
この機能は、開発者がメール送信機能を迅速かつ安全にテストできるサンドボックス環境です。運用環境に移行する前に、機能が正しく動作するかどうかを検証できます。
ですが、実際に利用する場合は、Logic AppsやAzure Function、SendGridなどのAzureサービスを利用することが一般的です。
本記事では、Logic Appsを作成し、Azure上にデプロイしたCommunication Servicesとの連携を行っていきます。
Logic Appsの作成
今回は6月16日の午前10時をトリガーとし、1時間毎にテストメールを送信する設定をLogic Appsを使用して行います。
Logic Appsの作成からワークフローを作成までの手順を以下の手順に従って作成します。
1. Azure ポータルで[Logic Apps] と検索し、[Logic Apps] をクリックします。
2. Logic Appsの画面が表示されたら [追加]をクリックします。
3. [ロジック アプリの作成]画面が表示されます。サブスクリプションやリソースグループ、ロジック アプリ名を入力したら[確認と作成]をクリックします。
※今回はプランの種類はStandard、冗長性は無効として作成しています。
4. [作成]をクリックし、デプロイの完了を待ちます。
ワークフローの作成
作成したLogic Appsから新しくワークフローを以下の手順に従って作成します。
1. こちらが作成したLogic Appsのリソースです。
2. メニュー画面から[ワークフロー]をクリックします。
3.[追加]をクリックします。
4. [新しいワークフロー]が表示されたら[ワークフロー名]を入力し、[作成]をクリックします。
5. こちらが作成されたワークフローです。
6. 作成したワークフローの画面のメニュー画面から[デザイナー]をクリックします。
7. [トリガーの追加]をクリックします。
8. [トリガーの追加]が表示されたら、[schedule]と検索し、[Recurrence]をクリックします。
9. [Recurrence]を選択したら、必要なパラメータを入力します。
※Start Timeに2024-06-16T01:00:00Zと記載しておりますが、Start Timeの末尾に記載されている「Z」は、タイムゾーンを示す表記です。これは協定世界時(UTC)を表します。例えば、Start Timeが「2023-10-01T12:00:00Z」と記載されている場合、これは2023年10月1日の12時00分00秒(UTC)を意味します。
10. [Recurrence]の作成が完了したら[+]をクリックして、[アクションの追加]を行います。
11. [アクションの追加]が表示されたら、[communication]と検索をし、Azure Communication Emailが表示されたら[Send email]をクリックします。
12. [接続の作成]を行います。[接続名]と[接続文字列]を入力します。
※[接続名]は任意です。
※[接続文字列]は事前準備の項番1の内容です。
13. [接続の作成]が完了したら、送信元のメールアドレス、宛先のメールアドレス、件名の[パラメータ]を入力します。
※ 送信元のメールアドレスは事前準備で確認したものを使います
15. 作成したワークフローがこちらです。
メールの受信を確認する
2024/6/16の午前10時から1時間毎にメールが送信されているかを確認します。
おわりに
「Azure Communication Servicesを使ってメールを送信する方法(1)」に続き、 Communication Servicesを使ってメール送信を行うプロセスについてご紹介しました。
Logic Appsを使用した方法でも簡単にメールを送信することが出来るので、この記事を参考にCommunication Servicesの導入を検討してみてください。
石黒 允規(日本ビジネスシステムズ株式会社)
ネットワークインテグレーション部に所属しており、主にAzureに関する業務を行っています。 JBS野球部にも所属しており、週末を楽しく過ごしております
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