大企業や支店を多く持つ企業などでは、Outlookで会議予約をする際、自分が予約したい建物の会議室を探すのも大変なことがあります。
そういった場合、会議室一覧を作成することで、必要な単位、例えばビルや住所単位で会議室の一覧を纏める事が出来ます。
今回は、この会議室一覧の作成方法について紹介を致します。
Microsoftのドキュメント通りに会議室一覧を作成してみる
会議室一覧の作成方法はMicrosoft Learnにまとまっています。
まずは、この内容に沿って作成してみます。
事前準備
会議室一覧を作成する為に、下記を準備します。
- Exchange Online PowerShell 用のモジュールの準備
- 会議室一覧は記事執筆時点では、PowerShellからのみ作成可能となっています
- New-DistributionGroupが実行可能なユーザー
- Exchange管理者権限のユーザー等
Exchange 管理シェルを使用して、会議室一覧を作成する
会議室一覧は、New-DistributionGroupのコマンドに「-RoomList」オプションを指定する事で作成が出来ます。
今回は、"Building 32 Conference Rooms"という名前の会議室を作成します。
- 会議室一覧を作成する
New-DistributionGroup -Name "Building 32 Conference Rooms" -RoomList
- 作成した会議室一覧を確認する
Get-DistributionGroup -Identity "Building 32 Conference Rooms"
Exchange 管理シェルを使用して、会議室を会議室一覧に追加する
上記で作成した会議室一覧にメンバーとして会議室を追加することで、会議室一覧に会議室を含める事が出来ます。
今回は、先ほど作成した会議室一覧"Building 32 Conference Rooms"に、会議室"tokyoconf101"を追加してみます。
- 会議室をメンバーとして追加
Add-DistributionGroupMember -Identity "Building 32 Conference Rooms" -Member tokyoconf101
- 登録結果の確認
Get-DistributionGroupMember -Identity "Building 32 Conference Rooms"
実際に会議室検索をしてみる
では、実際に会議室一覧を使用してみましょう。会議室一覧は、OutlookとOutlook on the webどちらでも利用可能です。ここではOutlook on the webの画面で見ていきましょう。
会議室一覧は、会議室予約時の「会議室の検索」から使用します。
会議室の検索方法は二種類あります。
- 建物の欄に会議室一覧で設定した会議室を入力して検索する方法
- 都市名に表示されている都市名から選択していく方法があります。
それぞれについて説明します。
建物欄に入力して検索
建物の欄に入力するキーワードで検索対象となるのは以下の通りです。
- 会議室一覧のDisplayName(建物名)
- 会議室に登録されているCity属性の値(都市名)
都市名で絞り込む
会議室の市町村属性(City属性)が設定されている場合、会議室検索の「すべての都市」の項目に自動的に反映され、都市ごとに絞り込みが可能となります。
選んだ都市名の下に会議室一覧が表示されますので、そこを選択することで会議室の検索が可能です。
会議室の絞り込みについて
会議室に対して各種属性を設定しておくことで階数や、ディスプレイの設置有無を記載することが出来ます。
各属性を設定した場合の反映結果については、次に記載します「会議室作成からの一連の流れのデモ」の後半の方で紹介していますので、合わせて参考にしていただければと思います。
まとめ
会議室一覧について、色々掘り下げてみました。
配布グループを使って構成するところは、階層型アドレス帳と似ているかなと思います。
構成変更があった場合にPowerShellでコマンドを入れないといけなかったり、設定してから反映までに時間がかかったりと、運用のハードルが高い部分がありますが、気になっていた方への参考になりましたら幸いです。
なお、後編では実際に、会議室の作成から会議室一覧への追加までの一連の流れを紹介する予定です。こちらも合わせてご参考にして頂ければと思います。