Power BIの「マップ」ビジュアルの注意点

Power BIの「マップ」ビジュアルを使うと、市区町村別の人口などを地図上に可視化する事が出来ます。

便利な機能ですが、利用にあたっては注意点もあります。本記事では、「マップ」ビジュアルの注意点を紹介します。

「マップ」ビジュアルの概要

「マップ」ビジュアルはマッピングの視覚エフェクトです。

Power BI Desktopの「マップ」ビジュアルアイコン

この「マップ」ビジュアルを利用すると、地域別の値(市区町村別の人口など)を可視化することが可能です。

東京23区別の人口を「マップ」ビジュアルで可視化した画面

そのため、場所を表すデータと値を表すデータさえあれば「マップ」ビジュアルを使用することが可能です。

今回は例として、東京23区別の人口を「マップ」ビジュアルを使用して表現します。

東京都区部 - Wikipedia

「マップ」ビジュアルの利用方法

前提として、Power BI Desktopに「場所」と「人口」のデータがインポートされた状態であることを確認してください。

「場所」データとは、地名で問題ありません。

今回は東京23区別なので、23区名が記載されたデータを準備します。

また、それぞれの区名に対して対応する「人口」データがあること確認してください。

インポートするデータの例

では、「マップ」ビジュアルの利用方法を紹介します。

Power BI Desktopで視覚化の「マップ」アイコンをクリックします。

「マップ」アイコン

レポート上に「マップ」ビジュアルが表れます。

「マップ」ビジュアル

「視覚化」フィールドの場所に「場所」データ(今回の場合は区名)を入力します。

場所に「場所」データを入力

そうしますと、マップ上に「区名」データの場所がマッピングされます。

また、「視覚化」フィールドの凡例に「値」データ(今回の場合は推定人口)を入力します。

凡例に「値」データを入力

そうしますと、値別に色分けされた状態でマッピングされます。

このようにして、「マップ」ビジュアルを利用してデータの可視化が可能です。

注意点

ここから「マップ」ビジュアルの注意点を紹介します。

それは「場所」データ(今回の場合は区名)が世界中に複数あるときの挙動です。

実は、今回紹介した東京23区の例でも意外な落とし穴があり、「北区」が東京都北区を示してくれませんでした。

以下が、「マップ」ビジュアルの「場所」に区名を入力したときのものです。

「北区」の場所

「北区」は東京都北区を示してほしいですが、Power BI側は世界中に北区が複数あるため、どこの北区なのか判別がつかず、最終的に画像のように香港の北区を指し示しています。

回避策

では、この「北区」を東京都北区と認識させるにはどのようにしたらいいでしょうか?

それは一意の場所であるとわかるような「場所」データを準備or作成すればよいです。今回の例の場合、「区名」の前に「東京都」と付けるといった回避策があります。

実際に東京都○○区という表記の列を使用して「マップ」ビジュアルを利用したときの挙動を確認してみました。

「東京都○○区」表記のデータ

「マップ」ビジュアルに「東京都○○区」表記のデータを反映させた時の挙動

上図のように香港の北区ではなく、東京都北区を指し示していることが確認できました。

まとめ

Power BIの「マップ」ビジュアルの注意点を紹介しました。

Power BIはデータを読み込んでしまえば、UIベースで様々なグラフを作成できるとても便利なツールです。

その反面、利用者が意図しない挙動をするときがあります。今回の「北区」もその1例です。

意図しない挙動をしたときに、そのような挙動になった原因を見つけられれば、それに対してネクストアクションを起こし、意図するデータの可視化が実現できると思います。

みなさんも「マップ」ビジュアルを利用する際は、「場所」データに注意して利用してみてください。

執筆担当者プロフィール
榎本 昌広

榎本 昌広(日本ビジネスシステムズ株式会社)

中部MW所属。趣味はサッカーと筋トレです。

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