【Microsoft×生成AI連載】久保田です。今回はMicrosoft Copilot Studioエージェントの最新機能を紹介していきます。
※この記事の情報は2025/7/15時点のものです。
Microsoft Copilot Studioエージェントに興味がある方や、AIエージェントに興味がある方など様々な方に読んでいただきたい記事となっておりますので、ぜひご覧ください。
- これまでの連載
- Microsoft Copilot Studioについて
- Microsoft Copilot Studioエージェントの最新機能について
- 利用シーンとメリット
- まとめ
- おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。
Microsoft Copilot Studioについて
Microsoft Copilot Studioは、Microsoftが提供する業務支援AIエージェントの開発・管理プラットフォームです。Power Platform上に構築されており、ノーコード/ローコードでAIエージェントを作成・運用できます。
主な機能は、チャットボット作成・エージェントアクション・生成AI応答・カスタムエージェントなどがあります。
Copilot Studioの詳細については、公式ドキュメントもご参照ください。
Microsoft Copilot Studioエージェントの最新機能について
Microsoft Copilot Studioエージェントの最新機能として、ツールやトピック・システム変数などの事前に作成した構成要素を、指示文内で直接指定できるようになりました。
これにより、エージェント設計がより柔軟かつ直感的になり、開発効率が大幅に向上します。
ここでは実際に画面をお見せして説明します。
※本記事では、エージェントの作成が完了している前提で説明します。作成方法については以下の記事で紹介しておりますのでご参照ください。
以前は、プレビュー版のみで利用できる機能で、通常のMicrosoft Copilot Studioエージェントでは、直接指定することはできませんでした。
そのため、以下のように『』内にツール・トピック名を記載しておりました。

本機能が利用できるようになったことにより、ツールやトピックを明示的に指定できるようになりました。

有効になっているツールを実際に指示文内に直接指定してみます。
まず、指示文の右上にある「編集」をクリックします。

次に、ツールやトピックを挿入したい箇所にカーソルを合わせ、半角スペースを入れた後、「/」と入力します。有効になっているツールが表示されるため、指定したいツールを選択します。

問題なく指定できたら、右上の「保存」をクリックします。

本機能が利用できるようになったことで、指示文内に簡単にツールやトピック・変数を指定できるようになりました。
利用シーンとメリット
利用シーン
本機能は、QA業務の自動化エージェントなどで利用することができます。
Microsoft Copilot Studioエージェントで構築されたマルチエージェントは、製品QA対応を自動化することが出来ます。
さらに、Microsoft Power Automateをツールとして直接指示文に指定することで、ナレッジの定期更新や分析処理を自動化し、その結果をPower BIでレポート化することも可能です。
メリット
本機能を利用した際のメリットを以下に3つ記載します。
- 業務フローの自動化がより直感的に
- Microsoft Power Automateなどの外部ツールを指示文内で直接呼び出せることで、複雑な業務フローを自然言語で簡単に記述できるようになり、非エンジニアでも自動化の設計が容易になる。
- 再利用性と保守性の向上
- トピックや変数を事前に定義することで、複数のエージェントやシナリオで共通処理を再利用でき、保守性が向上し、変更にも柔軟に対応できる。
- 複雑な処理の分担と連携が可能に
- マルチエージェント構成では、各エージェントがツールや変数を使って処理を分担できるため、QA対応やナレッジ更新などの業務を効率的に分散処理できる。
注意点
指示文で利用するツールや変数は、Copilot Studio上で事前に正しく定義・登録されている必要があります。
定義ミスや命名の不統一がある場合、エージェントが正しく動作しない原因になります。また、変数のスコープや更新タイミングにも注意が必要です。
まとめ
本記事では、Microsoft Copilot Studioにおいて、エージェントの構成要素であるツールやトピック、変数を指示文内に直接指定できるようになった最新機能をご紹介しました。
この機能により、エージェントの動作がより明示的かつ安定的になったと感じています。従来は平文形式での記載しかできませんでしたが、現在では指示文の中で直接指定することで、より柔軟かつ効率的なエージェント設計が可能となりました。
今後もCopilot Studioの機能アップデートが行われる際には、積極的に試しながら、業務への活用方法を探っていきたいと考えています。
おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
【Microsoft×生成AI連載】今回は、Microsoft Copilot Studioエージェントの最新機能をご紹介します。2025年7月11日時点の情報です。
Copilot Studioは、ノーコード/ローコードでAIエージェントを構築できるMicrosoftのプラットフォームで、チャットボットや生成AI応答、カスタムエージェントなどの機能を備えています。
最新機能として、事前に作成したツール・トピック・変数を指示文内で直接指定できるようになりました。これにより、エージェント設計がより柔軟かつ直感的になり、開発効率が向上します。特にQA業務の自動化では、Microsoft Power AutomateやPower BIと連携することで、ナレッジ更新や分析・レポート作成が可能です。
メリットは、1業務フローの自然言語による記述、2処理の再利用性と保守性の向上、3分散処理による効率化です。一方で、ツールや変数は事前に正しく定義・登録する必要があり、命名やスコープ管理に注意が必要です。
今後も機能アップデートを積極的に活用し、業務への応用を広げていきたいと考えています。
久保田 有紀(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Data&AI事業本部 AIソリューション2グループ所属。AzureやMicrosoft 365周りの構築・運用を担当してきました。現在はCopilot、AIサービスの勉強をしてします。
担当記事一覧