Microsoft Fabric(以降、Fabricと記載)は、データ収集・加工・分析・可視化、さらにAIによるインサイト生成まで、データ活用に必要な機能を一つに統合したクラウドベースの分析プラットフォームです。
今回は、FabricのCopilotに関する設定の一つである「Copilot容量」の概要と実装方法を、前編と後編に分けて紹介します。
※ 本記事は、Microsoft Fabricについて基礎的な知識を有している事を前提としています。
FabricのCopilotとは
Fabricを構成するData FactoryやData Science、Power BIなどの各ワークロードには、自然言語でのデータ探索や分析を支援するCopilotの機能が搭載されています。
例えばPower BIでのCopilotでは、自然言語によるレポートの自動生成やレポートページの要約、要約内容に関するドリルダウン(深堀り)など、データの可視化からインサイトの抽出までの一連の流れで支援してくれるため、ユーザーがデータから価値を生み出すプロセスを大幅に効率化できます。
FabricのCopilotを活用することで、データ分析のハードルが大きく下がり、ビジネスユーザーからデータエンジニアまで、幅広い層が効率的にデータを活用できるようになります。
FabricにおけるCopilot利用要件の遷移
FabricのCopilotは2023年11月にパブリックプレビューとして提供が開始され、その後2024年5月から順次GAが進みました。当初はCopilotを利用するためにF64以上の容量が必要で、導入には比較的高いハードルがありました。
しかし2025年4月30日からは、従来必須だったF64以上の要件が撤廃され、F2以上のすべての有償SKUでCopilotを利用できるようになりました。この変更により、小規模な容量でもCopilotを導入できるようになり、実際に利用開始するまでのハードルが大きく下がりました。
Copilot容量とは
Copilot容量は、ワークスペースがFabric容量に割り当てられていなくてもCopilotを利用することができる機能です。これはCopilot専用の容量が新設されたわけではなく、Fabric容量内の設定項目の一つとして追加されたものであり、実体はあくまでFabric容量になります。
Copilot容量の利用を許可されたユーザーやグループは、Pro・PPUワークスペースや試用版容量のワークスペース、Power BI DesktopでCopilotを利用することができます。また、Copilot操作によって発生するCU消費は、ワークスペースを割り当てている容量ではなく、Copilot容量として設定したFabric容量側で処理されます。
Copilot容量の機能は2025年1月に発表され、当初はF64以上の容量のみが設定対象でしたが、2025年5月のアップデートにより要件が緩和され、現在はF2以上からCopilot容量を構成できるようになっています。
Copilot容量のメリット
Copilot容量は以下のようなメリットが挙げられます。
ワークスペースがFabric容量に割り当てられていなくてもCopilotを利用できる
Proワークスペースなど、これまでFabric容量を割り当てなければCopilotを利用できなかった環境でも、Copilot容量を構成することでCopilotが利用できるようになります。
CU消費先をCopilot容量に集約できる
- 例えば、本番環境用の容量が割り当てられているワークスペースでCopilotを利用したい場合でも、本番環境とは別のFabric容量をCopilot容量として設定することで、本番環境のワークスペース内でCopilotを利用することができます。
- さらに、この時発生するCopilot操作によるCU消費は本番環境側の容量ではなくCopilot容量側で行われるため、Copilot操作による本番環境容量の逼迫を回避することができます。
- Fabric Capacity Metricsアプリを利用することで、Copilot操作によるCU消費をまとめて監視および管理できるため、Copilot利用者数の増減に応じた容量スケーリングも容易になります。
Copilot導入ハードルが下がる
- 最小サイズであるF2からCopilot容量を構成できるため、必要最小限のコストで導入できます。
- 既存ワークスペースの容量を圧迫することなくCopilotを利用できるため、既存環境に負担をかけずに導入を進められる点も大きなメリットです。
まとめ
本記事では、Copilot容量の機能について紹介しました。
FabricのCopilotは提供当初、F64以上といった比較的ハードルの高い要件がありましたが、現在は大きく緩和され、以前よりもCopilotを導入しやすくなっています。
さらに、Copilot容量を活用することで、環境に応じた柔軟なCopilot利用が可能となり、様々な業務要件にも対応しやすくなっていると感じています。