以前、バックアップコンテナのアラートを追加しようとした際に、Azure Monitorのアラートルールに該当する項目がないことに気づきました。
また、Recovery Servicesコンテナのバックアップアラートのようなリソース独自の監視についてもなかったので、バックアップコンテナはどのように監視すれば良いのか調査を行い、その結果と方法についてまとめました。
ジョブの失敗について監視する方法
ジョブの失敗のみを監視する場合には、Azure Monitorの組み込みアラートを利用することで監視が可能になります。
以下公開情報の「ジョブの失敗のシナリオに対してAzure Monitorのアラートを有効にする」の手順でアラートを有効にし、同じページ内にある「アラートの通知を構成する」の手順で通知を構成することで、アラート通知を受け取ることができます。
ジョブの成功/失敗を問わずに監視する方法
ジョブの失敗だけでなく成功時のジョブも監視したい場合は、カスタムログアラートを利用する必要があります。
設定方法については以下の手順を参考にしてください。
- Log Analyticsワークスペースがない場合、Log Analyticsワークスペースを作成します。
- バックアップコンテナーの[監視] - [診断設定]より、宛先をLog Analyticsワークスペースにした診断設定を作成します。
- Log Analyticsワークスペースの [ログ] からクエリを実行します。
※以下にサンプルとして、成功したすべてのディスクバックアップのバックアップジョブを表示させるクエリを記載しています。要件に合わせて変更してください。AddonAzureBackupJobs
| where JobOperation == "Restore"
| summarize arg_max(TimeGenerated,*) by JobUniqueId
| where DatasourceType == "Microsoft.Compute/disks"
| where JobStatus=="Completed" - 画面右上にある「+ 新しいアラート ルール」から、アラートルールを作成します。
- ソースの選択 > スコープの絞り込み > リソースタイプにて、「ディスク」を選択します。
- 条件タブにて、要件に合わせた設定を行います。
※「ディメンションで分割する」ことで、ディスクごとにバックアップ通知を発報することが可能です。
おわりに
この記事では、Azure バックアップコンテナでディスクバックアップを監視する方法について詳しく説明しました。
ジョブの失敗に関しては、Azure Monitorの組み込みアラートを利用することで簡単に監視が可能です。
一方、ジョブの成功/失敗を問わずに監視する場合は、カスタムログアラートを設定する方法が推奨されます。要件に合わせて監視設定を行ってみてください。
伊藤 潤人(日本ビジネスシステムズ株式会社)
HC本部所属です。Azure・AWSともに経験がありますが、最近はAzureのPaaSサービスをメインに業務を行っています。趣味はドライブです。
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