前回の記事では、Nutanix Community Eddition(以降はCE)の概要と、Nutanix CEのインストーラーの入手方法を紹介させていただきました。
今回は、いよいよNutanix CEのインストールを行っていきます。
本章での検証範囲
本記事では、前回の記事で紹介した6ステップのうち、ステップ2の「Nutanix CE デプロイ&クラスター作成」について記載します。
- Nutanix CE インストーラー入手
- Nutanix CE デプロイ&クラスター作成
- Prism 基本設定
- Async DR 方法
- Nutanix Move 移行方法
- Flow 利用方法
前提条件
はじめに、Nutanix CEをインストールするマシンを用意します。マシンは物理マシンでも、ESXiなどの仮想基盤上でも、どちらでも問題ありません。
本記事では、物理マシンにESXiをインストールし、その上にNutanix CEをデプロイをしました。
本記事の仮想基盤情報は下記の通りです。
- ハードウェアモデル:Dell PowerEdge R650
- CPU:16 CPUs x Intel(R) Xeon(R) Gold 6326 CPU @ 2.90GHz
- メモリ:768GB
- SSD(ブート用):240GB
- SSD(ストレージ用):14.4TB
- NIC:Broadcom 5720
- OSイメージ:ESXi-7.0U3n-21930508-standard
Nutanix CE用の仮想マシン設定と作成
インストール先の仮想マシン設定をします。仮想マシンパラメータは以下になります。
- CPU:8
- ハードウェア仮想化:チェックあり
- パフォーマンスカウント:チェックあり
- メモリ:32GB
- HDD1:50GB
- シックプロビジョニング(Lazy Zeried)
- SCSIコントローラ(デフォルト)
- 備考:ブート容量
- HDD2:200GB
- シンプロビジョニング
- SCSIコントローラ(デフォルト)
- 備考:CVM容量
- HDD3:300GB
- シンプロビジョニング
- SCSIコントローラ(デフォルト)
- 備考:Nutanixストレージ容量
- SCSIコントローラ
- VMware Paravirtual
- ネットワークアダプタ1:インターネットに接続できるアダプタを選択
- アダプタタイプ:VMXNET3
- Prism Webコンソールへログインする際、My Nutanixアカウントを資格情報として必要
- アダプタタイプ:VMXNET3
- CD/DVDドライブ:データストアisoファイル
- Nutanix CE版のisoを選択*1
- 仮想マシン オプション
- [仮想マシンオプション]→[詳細]→[設定の編集]→[パラメータの追加]→[キー:disk.EnableUUID.値:TRUE]
- キー:disk.EnableUUID
- 値:TRUE
- 備考:UUIDが重複するのを防ぐため上記の設定を追加
- [仮想マシンオプション]→[詳細]→[設定の編集]→[パラメータの追加]→[キー:disk.EnableUUID.値:TRUE]
デプロイ初期設定
仮想マシン設定が完了したら、仮想マシンの電源をオンにして、以下の画面になるまで待機します。
以下の設定をし、[Next Page]を押下します。
- Select Hypervisor : AHVを選択
- Disk Selection : ディスクのSerialが重複されていないことを確認
- Host(AHV) IP Address : インタネットに接続できるIPアドレス
- CVM IP Address : インタネットに接続できるIPアドレス
- Subnet Mask : AHV、CVMのサブネットマスク
- Gateway : デフォルトゲートウェイのIPアドレス
- Create single-node cluster : クラスターを作成する場合チェックなし
- シングルノードクラスターを作成する場合はチェックを入れDNS IPアドレスを入力
CE EULAを最後までスクロールし、[accept the end user license agreement]をチェック後、[Start]を押下します。
しばらく時間が経つと、再起動選択画面が表示されますので、[Y]を入力し、再起動を開始します。
再起動後、CVMのサービス起動までは10分ほど時間がかかります。
Nutanix CE クラスター作成
Nutanix CEでクラスターを作成する際は、シングルノード、3ノード、4ノード(最大)のいずれかでクラスターを作成することができます。
ただし、シングルノードクラスターを構成した場合はノード拡張をすることができません。
今回の検証では3ノードクラスターを構成していきます。
クラスターを構成するために「デプロイ初期設定」の工程をクラスターノード分を繰り返し作成します。
SSH接続
ターミナルソフトを使用し、CVMのIPアドレスよりSSH接続をします。
SSHで接続するCVMは、クラスター内のノードであれば、1号機、2号機、3号機のいずれでも問題ありません。
初期ユーザー名、パスワードは以下となります
- ユーザー名:nutanix
- パスワード:nutanix/4u
Nutanixクラスター作成
クラスターを作成するコマンドは以下となります。
cluster -s [cvm_ipaddress1],[cvm_ipaddress2],[cvm_ipaddress3,] create
※ ターミナル最終ログに[Success!]と表示されていること。
クラスター作成後、以下のコマンドよりクラスターのサービスを確認します。
cluster status
※ 全てのサービスが[UP]していること。
Prism(Nutanix クラスター)にログイン
ブラウザを起動させ[https://[CVMIPアドレス]:9440]と入力し、アクセスします。
SSL証明書の確認画面が表示されるため、キーボードから「thisisunsafe」と入力します。
ユーザー名、パスワードを入力し[Enter]を押下します。
- ユーザー名:admin
- パスワード:Nutanix/4u
デフォルトパスワードを変更するため新しいパスワードを入力し、[Enter]を押下します。
なお、パスワード要件のポイントは以下の通りです。
- 高度なセキュリティ要件のない構成では、パスワードに次のものが含まれている必要があります。
- 8 文字以上。
- 少なくとも 1 つの大文字 (A から Z)。
- 少なくとも 1 つの小文字 (a から z)。
- 少なくとも 1 桁の数字 (0 から 9)。
- 少なくとも 1 つの印刷可能な ASCII 特殊文字 (英数字以外)。
例:チルダ (~)、感嘆符 (!)、アットマーク (@)、番号記号 (#)、ドル記号 ($) - 前のパスワードと 3 文字以上異なる必要がある。
- 任意の文字は連続で3 回まで可能。
- アカウントのパスワードが 15 分以内に 3 回入力され失敗すると、アカウントは 15 分間ロックされます。
詳細はこちらをご覧ください。
ユーザー名(admin)と、先ほど設定した新しいパスワードを入力し、[Enter]を押下します。
名前、会社名、ジョブタイトルを入力し、[I have read and agree to the terms and conditions]にチェックを入れて、[Accept]を押下します。
Disable Pulse にチェックを入れ、[Continue]を押下します。
My Nutanixアカウントのメールアドレス、パスワードを入力し、[Enter]を押下します。
ログインが完了すると、Prism(Nutanix クラスター)のホーム画面が表示されます。
最後に
Nutanix CEのデプロイとクラスター作成の手順は以上となります。
仮想環境でNutanix CEをデプロイする場合は仮想マシン設定が重要となってくるため、リソース要件を把握しておきましょう。
本記事が、Nutanix CEのインストール手順として参考になれば幸いです。
次回は、作成したクラスターの設定を行います。
*1:isoのダウンロード先:https://next.nutanix.com/discussion-forum-14/download-community-edition-38417?postid=53701#post53701
濱本 夢人(日本ビジネスシステムズ株式会社)
クラウドソリューション本部所属。主にHCI製品(Azure Stack HCI、Nutanix、vSAN etc)、仮想基盤、Switchの構築を担当しています。趣味はラーメン、つけ麺巡りです。
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