本記事では、Nutanixが開発したハイパーバイザーであるNutanix AHV(以下、AHV)についてご紹介いたします。
AHVとは
AHVは、Nutanixが自社で開発したハイパーバイザーです。
HCIによる仮想基盤ではハイパーバイザーを必要としますが、Nutanixでは、以下から選択して利用することが可能です。
- VMware ESXi
- Microsoft Hyper-V
- Nutanix AHV
その中でも、AHVは自社開発のため、Nutanix製品と高い親和性がある事が特徴です。
AHVの歴史と特徴
2015年にAHVが開発される前まで、Linux KVMと呼ばれるハイパーバイザーが利用されていました。
ただ、KVMをエンタープライズ環境で利用するには以下の機能が不足しておりました。
- 高可用性
- 負荷分散
- 管理
- セキュリティ
そこで、エンタープライズ環境での利用を想定した機能拡張やセキュリティ機能をKVMに組み込みんだ、AHVを開発しました。
上記のような背景があることからも、Nutanixを利用する上で欠かせないハイパーバイザーとなります。
AVHはNutanixが開発したハイパーバイザーのため、Nutanix AOS内にビルドインされています。そのため、ESXiやHyper-V等のようにハイパーバイザーを準備する必要がなく、簡単に利用を開始する事が出来ます。
また、AOSをアップデートするだけでAHVもバージョンを上げることができます。これにより追加機能も利用できますので、保守運用の面でもメリットは大きいです。
AHVの機能
ライブマイグレーション
一般的なハイパーバイザーと同様に、AHVでは仮想マシンのライブマイグレーションが実行可能です。
この機能では、仮想マシンを起動した状態で別のホストに移動させることで、障害やメンテナンス作業によるサービス停止を回避できます。これにより、可用性を大幅に向上できます。
また、AHVでは、Nutanixクラスタ内のAHVホストにおける最も古いCPU世代を特定し、全ての仮想マシンをそのレベルで取り扱います。
運用開始後のクラスタに対して新しい世代のCPUを搭載したNutanixノードを追加しても、相互にライブマイグレーションが可能となります。
なお、注意事項として、ライブマイグレーション機能を使って仮想マシンを移動できるのは、同じNutanixクラスタ内に参加しているAHVホスト同士に限定されます。別のNutanixクラスタへの移動はできません。
ADS
ADSとは、Acropolis Dynamic Schedulingの略称で、仮想マシンの自動配置機能を指します。
この機能により、仮想マシン起動時にAHVホストが自動的に選択され、起動中の仮想マシンもライブマイグレーションによって自動的に負荷分散されます。
ADSはデフォルトで有効化されている機能で、AOSインストール後から利用可能です。
ノードを拡張される際にクラスタ内の既存ホストに配置したくない場合は、無効にすることも可能です。
最後に
今回は、NutanixのハイパーバイザーAHVをご紹介しました。
Nutanixを利用される際は、AHVの利用も併せて検討してみてください。