DataSpider Studio for WebのHTTPS化

今回は、DataSpiderの実行環境であるDataSpider Studio for WebのHTTPS化の方法を説明していこうと思います。

はじめに

DataSpider Servistaは株式会社セゾン情報システムズが提供する、GUIでデータの処理を行うデータ連携ミドルウェアです。

ノーコードでデータを変換・加工などをすることが可能であることや、豊富な接続先を有していることから、簡単にデータベースやアプリケーションに接続してデータ連携を行うことができます。

DataSpiderServistaの詳しい概要については、公式サイトをご参照ください。

www.hulft.com

また、DataSpiderServerのインスト-ル方法は過去に記事にしているのでよろしければご覧ください。

blog.jbs.co.jp

DataSpider Studio

DataSpider Studioとは、「GUI ベースでサービスの設計・開発・運用を行う統合開発環境」のことです。

データの移動・加工、リソースの接続などサーバの必要な設定をGUI上で行うことができるツールです。

DataSpider Studioの種類

DataSpider Studioを使用するにあたって2つの方法が用意されています。

  • デスクトップ版の環境
  • ブラウザ版の環境(DataSpider Studio for Web)

上記2つの方法を、DataSpider ServerをインストールするOSやその他条件に合わせて使用します。

今回は、ブラウザ版の環境であるDataSpider Studio for Webを使用する際に、通信をHTTPS化する方法を説明していこうと思います。

DataSpider Studio for WebのHTTPS化の実装

DataSpider Studio for WebのHTTPSはkeytoolコマンドを使用する仕様になっています。

構築手順は下記の通りです。

  1. 鍵とサーバ証明書の生成
  2. 証明書署名要求の発行
  3. CA局の証明書のインポート
  4. CA局に署名されたサーバ証明書のインポート
  5. DataSpider Studio for Web上の設定変更

上記の流れでHTTPS化を行っていきます。

今回の設定方法は下記公式ドキュメントを参考にしています。

www.hulft.com

鍵とサーバ証明書の生成

鍵の作成は下記のコマンドで作成していきます。

$DATASPIDER_HOME/jre/bin/keytool -genkeypair -keyalg RSA -alias dskey -keystore $DATASPIDER_HOME/server/system/common/classes/.keystore

上記のコマンドを実行すると、キーストア(鍵を保管する場所)のパスワードと姓名(CN)、組織名(O)、組織単位名(OU)、都市名または地域名(L)、州名または地方名(ST)、国番号(C)の項目の入力を続けて求められます。

キーストアのパスワードを入力してください:  ←パスワード入力
姓名を入力してください。
  [Unknown]:  hostname ←DataSpiderServer稼働OSのホスト名を指定 組織単位名を入力してください。
[Unknown]:  CS ←任意の識別名称を指定
組織名を入力してください。
  [Unknown]:  companyname
都市名または地域名を入力してください。
[Unknown]:  Minato-ku
州名または地方名を入力してください。
  [Unknown]:  Tokyo
この単位に該当する 2 文字の国番号を入力してください。
  [Unknown]:  JP
CN=hostname, OU=CS, O=companyname, L=Minato-ku, ST=Tokyo, C=JP でよろしいですか?
  [no]:  yes <エイリアス名> の鍵パスワードを入力してください。
        (キーストアのパスワードと同じ場合は RETURN を押してください):

※鍵の有効期限はデフォルトでは90日となっています。有効期限を指定したい場合は、validityオプションで日数を指定します。(有効期限を1年にしたい場合  -validity 365)

証明書署名要求の発行

次に証明書署名要求(CSR)を発行します。

$DATASPIDER_HOME/jre/bin/keytool -certreq -keystore $DATASPIDER_HOME/server/system/common/classses/.keystore -alias <エイリアス名> -file <csrのファイルパス>

上記のコマンドを実行すると、-fileで指定したパスに指定したファイル名でcsrが配置されます。

csrが発行出来れば、証明局に署名をしてもらいます。

CA局の証明書のインポート

まず、証明局から署名されたサーバ証明書と、証明局自身の証明書を受け取ります。

DataSpiderに証明書をインポートする順番としては以下の通りです。

  1. 証明局自身の証明書
  2. 証明局から署名されたDataSpiderのサーバ証明書

※順番を間違えると証明書をインポートすることができません。

ここでは、まず、証明局自身(CA局)の証明書のインポートを行います。

$DATASPIDER_HOME/jre/bin/keytool -importcert -noprompt -trustcacerts -keystore $DATASPIDER_HOME/server/system/common/classes/.keystore -alias <ルート証明書のエイリアス名> -file <ルート証明書のフルパス>

上記のコマンドを実行します。

CA局に署名されたサーバ証明書のインポート

署名されたDataSpiderの証明書をインポートします。

$DATASPIDER_HOME/jre/bin/keytool -importcert -noprompt -trustcacerts -keystore $DATASPIDER_HOME/server/system/common/classes/.keystore -alias <エイリアス名> -file <サーバ証明書のフルパス>

DataSpider Studio for Web上の設定変更

最後に、DataSpider Studio for Webにログインします。

コントロールパネルのDataSpiderServerの設定を開きます。

セキュリティの中のHTTPSを有効にするにチェックを入れ、HTTPS時に使用するポート番号と、キーストアに設定したパスワードを入力します。

完了したら、一番下の適用を押下し、DataSpider Studio for WebをログアウトしてDataSpiderServerを再起動させます。

以上で設定は完了です。

おわりに

今回は、DataSpider Studio for WebのHTTPS設定方法を書いてみました。

上記の設定を終えても、使用するブラウザ側にルートCAの証明書が入っていないとログインできないので、ブラウザ側の設定も忘れないようにお願いします。

またDataSpiderについて記事にできればと思います。

執筆担当者プロフィール
山村 興平

山村 興平(日本ビジネスシステムズ株式会社)

2023年度入社。Data系を扱う部門に所属しています。 趣味はテニスです。

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