【Exchange Online】配布リストの配信管理とは?組織内外のユーザーからのメッセージを制限する方法

Exchange Onlineの配布リストには、[配信管理]という機能があります。

この機能を利用すると、配布リストに対してメールを送信できる送信者を制限することが可能です。

この記事では、配布リストに対する送信者を制限する方法と、制限したときの動作について解説します。 

配信管理の種類

[配信管理]機能では、[送信者オプション][指定された送信者]という2種類の設定が可能です。

Exchange管理センター上の設定画面

送信者オプション

送信者オプションには2以下の種類があります

  • 組織内のユーザーからのメッセージのみを許可(既定)
  • 組織内外のユーザーからのメッセージを許可

それぞれ見て行きましょう。

組織内のユーザーからのメッセージのみを許可

内部ユーザーから配布リストへ送信されたメールのみ許可され、組織外ユーザーがこのグループにメールを送信した場合、そのメールは拒否されます。

こちらが既定の設定です。

組織内外のユーザーからのメッセージを許可

内部ユーザー・外部ユーザー問わず、配布リストにメール送信が可能です。

指定された送信者

特定のユーザーを指定して、配布リストにメールを送信できるユーザーをさらに制限します。

グループにメール送信できるのは指定されたユーザーだけになり、指定されていないユーザーから送信されたメールはすべて拒否されます。

動作の解説

まず、[送信者オプション] によって、組織内のユーザーかどうかが評価されます。もし、送信者オプションが[組織内のユーザーからのメッセージのみを許可]となっていた場合、組織外のユーザーからのメールはこの段階で拒否されます。

指定された送信者]が設定されている場合、ここからさらに、送信者を確認します。指定された送信者]に含まれている送信者の場合にのみ、実際の送信を許可する、という動作になっています。

なお、組織外ユーザーは、連絡先に登録していたとしても常に組織外扱いとなります。そのため[送信者オプション]で[ 組織内ユーザーのみからのメール送信を許可する ]ように設定している場合は、連絡先(組織外ユーザー)を[指定された送信者]に追加しても、その連絡先から送信されたメールは拒否されます。

設定方法

配信管理は、Exchange管理センターおよびPowerShellで設定が可能です。*1

Exchange管理センターでの設定方法

まず、Exchange管理センターでの設定方法を記載します。

1. Exchange管理センターに管理者権限を持つアカウントでサインインします。

2. Exchange管理センターの左メニュー[受信者]>[グループ]>[配布リスト]を開き、配信管理を編集するグループをクリックします。

3. [設定]から[配信管理の編集]をクリックします。

          

4. 送信者オプションを選択し、指定された送信者にユーザーを追加する場合は、[指定された送信者]のホワイトボックスにユーザーを追加します。

5. 追加するユーザーを確認し、[変更を保存する]をクリックします。

PowerShellでの設定方法

続いて、PowerShellでの設定方法を記載します。

送信者オプション

以下のコマンドレットで設定できます。

Set-DistributionGroup -Identity "配布リストのメール アドレス" -RequireSenderAb uthenticationEnabled

$trueを指定すると、組織内のユーザーからのメール送信のみ許可します。組織外の送信者からのメールは受信しません。(既定の設定)

$falseを指定すると、組織内外ユーザー問わずメール送信を許可します。

指定された送信者

以下のコマンドレットで設定できます。

Set-DistributionGroup -Identity "配布リストのメール アドレス" -AcceptMessagesOnlyFromSendersOrMembers  "指定された送信者のメール アドレス"

複数ユーザーを追加する場合は、“,(コンマ)”で区切ります。

検証

実際に検証を行ってみました。皆さんもよければ考えながらご覧ください。

次のような状況を用意してみました。それぞれのユーザーが配布リストへメールを送信することは可能でしょうか。

【関係するユーザーと区分】

  • ユーザー A:社内ユーザー
  • ユーザー B:社外ユーザー
  • ユーザー C:社外ユーザー

【配信管理の設定】

  • 送信者オプション:組織内外のユーザーからのメッセージを許可
  • 指定された送信者:ユーザー B を登録

Exchange管理センター上での設定(例)

結果としては、ユーザーBのみ配布リストへのメール送信可能でした。

[送信者オプション]で許可範囲内であっても [指定された送信者] が指定されているため、許可範囲内ではあるが指定外であるユーザー AとユーザーC はメール送信ができません。

さいごに

以上、配布リスト内の配信管理の機能ついてご説明しました。

配布リストに対して送信者を制限する際などにぜひ参考にしていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

*1:Outlook on the Webでの設定も可能ですが、少々複雑な操作になるため今回は割愛します。

執筆担当者プロフィール
宮内 結衣

宮内 結衣(日本ビジネスシステムズ株式会社)

クラウドソリューション事業本部 MW3グループ 主にExchange Online関連に携わっています。

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