社内の検証にて、Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCI (以下、AVD for Azure Stack HCI)をARMテンプレートを使用してデプロイしました。
本記事では、VMイメージの作成とAVD for Azure Stack HCIをデプロイする際に注意すべき点に着目しながら、手順を解説します。
なお、ホストプール、ワークスペースおよびセッションホストを展開する手順のみを記載しており、Azure Stack HCIのAzure連携やAzure Arc リソースブリッジの設定は既に済んでいる前提で記載しております点をご容赦ください。
AVD for Azure Stack HCIとは
AVD for Azure Stack HCIは、AVDをオンプレミス上のAzure Stack HCI OSが導入された物理基盤に展開するサービスです。
Azureポータルからホストプールやセッションホストを管理することができます。Azure上でセッションホストを見ることができますが、仮想マシンの実態はオンプレミス上で動いています。
※AVDについて詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
VMイメージの作成
セッションホストを展開する際のイメージを事前にAzure Stack HCI上に作成する必要があります。
VMイメージの追加方法は、「Azure Marketplaceから」、「Azure Storageアカウントから」、「ローカル共有から」の3パターンあります。
今回は、Azure Marketplaceとローカル共有から追加する際の注意点について解説します。
Azure Marketplaceからイメージを追加
VMイメージの追加から、[Azure Marketplaceから]をクリックします。
設定値で一点注意点があります。
Azure Marketplace イメージには、Window ServerとWindows 10,11のmulti-session versionしかありません。
single-session versionはないため、もし使いたい場合は次節で説明する「ローカル共有」からイメージを作成する必要があります。
ローカル共有からイメージを追加
VMイメージの追加から、[Azure Marketplaceから]をクリックします。
設定値を入力し、作成しようとすると「検証に失敗しました。テンプレートが無効です。」と表示されるので、画面下部の[Automationのテンプレートをダウンロードする]をクリックします。
ARMテンプレートが表示されるので、[デプロイ]をクリックします。
設定値を入力し、作成するとイメージが作成されます。
ARMテンプレートによるAVDデプロイ
下記キャプチャの設定値を入力する必要がありますが、注意すべきパラメータは以下の3点です。
- [Custom Location Id]
- [Image Id]
- [Virtual Network Id]
これより、以上3つの値の確認方法を解説します。
Custom Location Id
使用する「カスタムの場所」リソースへアクセスし、画面右の[JSON ビュー]をクリックします。
[リソース ID]をコピーしてARMテンプレートの[Custom Location Id]の欄に貼り付けます。
Image Id
使用する「VMイメージ」リソースへアクセスし、画面右の[JSON ビュー]をクリックします。
[リソース ID]をコピーしてARMテンプレートの[Image Id]の欄に貼り付けます。
Virtual Network Id
Vnetがあるリソースグループへアクセスし、[非表示の型の表示]にチェックを入れます。
表示された、使用する「Vnet」リソースへアクセスします。
[リソース ID]をコピーしてARMテンプレートの[Virtual Network Id]の欄に貼り付けます。
おわりに
今回は、ARMテンプレートを使用してAVD for Azure Stack HCIをデプロイしました。
セッションホストをAzure上に展開する通常のAVDの作成と違い、設定値をドロップダウンリストで選択することができなかったり、リソースIDで記載しなければならない箇所があるので、通常のAVDの作成感覚でAVD for Azure Stack HCIを作成することはまだ出来ないようです。
とはいえ、まだプレビュー中のサービスとなっており、これからUIや機能が追加されていくと思いますので改善に期待です。
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大橋 琢真(日本ビジネスシステムズ株式会社)
ハイブリッドクラウド部門に所属。VDIソリューション(Azure Virtual Desktop、Citrix)、Azure(IaaS)といった領域を専門としております。
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