【AVD 虎の巻】第1回 Azure Virtual Desktop の概要

はじめに

新型コロナウイルスの流行や災害対策などの影響でリモートワークの需要が高まり、Azure Virtual Desktop(旧 Windows Virtual Desktop)の名前を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

Azure Virtual Desktop(AVD)は、Microsoft が提供するクラウドベースの仮想デスクトップ環境サービスです。今回はそんな AVD の概要を把握し、現状の課題解決に向けて導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

※記載の内容は執筆時点の公開情報を元にしております。

仮想デスクトップ とは

AVD を知る前にまず『仮想デスクトップ』を知る必要があります。

仮想デスクトップは、パソコンを仮想化した仕組みです。

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とも呼ばれ、デスクトップ環境をサーバー上で仮想化されたパソコンで実行し、利用者の端末にはそのパソコンの画面のみを転送します。

サーバーからは画面イメージのみ転送されるため、セキュリティ面でのメリットはもちろんのこと、これまでのパソコンと比較して、利便性、運用性などを大きく向上させることが可能となります。

AVD とは

AVD は、Microsoft が提供する VDI クラウドソリューションです。セキュリティと運⽤管理性の⾼いデスクトップ環境を Microsoft Azure のクラウド上からすぐに利⽤できます。

AVD の特徴

Windows 10/11 マルチセッション

1つの Windows 10/11 の仮想マシンを複数ユーザーが同時に利用することができます。

そのため、利用/運用にかかるコストを削減することができます。

従来の Windows Server OS を使用した Server Based Computing(SBC)方式のデスクトップ配信に似ております。

仮想アプリケーション

デスクトップ単位の配信だけでなく、アプリケーション単位の配信も可能です。

仮想デスクトップではデスクトップの画面転送をしていましたが、仮想アプリケーションではアプリケーションのウインドウの画面転送をします。

Microsoft 365 Apps の最適化

AVD に特化したプロファイルローミングソリューションの FSLogix では、AVD マルチセッションで Microsoft 365 Apps の互換性を高める機能があります。

従来の移動ユーザープロファイルの課題であった Outlook の OST ファイル(キャッシュモード)や OneDrive のキャッシュなどもサポートします。

セキュアなデスクトップ環境

AVD の通信では、画面の転送のみとなることから接続元端末にはデータを残さず、テレワークや端末紛失などの情報漏洩のリスクを削減することができます。

Azure MFA を組み合わせた多要素認証も簡単に実現できます。

管理サーバーレス

AVD では、管理サーバーはすべて Microsoft が管理しているコントロールプレーンで稼働しているため、管理サーバーに必要な仮想マシンや運用は不要となります。運用者は、利用者が利用する仮想デスクトップのリソースと一部のサービス、ID を管理するのみとなります。

CAD などの高負荷処理

グラフィックボードが搭載された仮想デスクトップもサポートしています。

オンプレミスの VDI では、グラフィックボードを搭載したサーバーの用意など準備が必要となりますが、クラウド VDI では画面上の選択のみで簡単に用意することができます。

スペックの見直しも AVD であれば、管理コンソールでスムーズに行うことができます。

おわりに

いかがでしょうか。

リモートワークが主流となった昨今で AVD の需要が高まっている理由が理解できたのではないでしょうか。

パート1は概要の内容となりましたが、パート2以降はもう少し技術的な内容にフォーカスした内容をお届けします。

次回は「AVD の前提条件」についてお話する予定です。

お楽しみに。

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執筆担当者プロフィール
杉山 俊輔

杉山 俊輔(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ハイブリッドクラウド部に所属。 Microsoft Azure(IaaS/PaaS)と VDI ソリューション(Microsoft/Citrix/VMware)が専門のエンジニアです。

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