テスト用のActive Directory Domain Service環境とMicrosoft 365環境のディレクトリ同期を、再利用を前提として停止する操作の覚書

はじめに

研修でActive Directory Domain Service(AD DS)環境とMicrosoft 365環境をAzure Active Directory Connect (Azure AD Connect)で同期するというデモを行うことがあるのですが、毎回環境を作り直すのも大変なので、同じ環境、同じカスタムドメインで同期をオンにしたりオフにしたい、と考えました。

有効にする際の流れはいいのですが、終わった後にどこまで消せばいいかなどをすぐ忘れるので、自分用のメモとして残しておきます。

明示的に実行する必要がない操作が含まれているかもしれませんが、ご了承ください。

Azure AD Connectの操作

シングルサインインを停止する

Azure AD Connectを起動し、「ユーザーサインインの変更」を選んで次へ進めます。

「シングル サインオンを有効にする」のチェックを外して次に進めます。

そのままウィザードを最後まで進めます。

ディレクトリ同期を停止する

Azure AD ConnectをインストールしてあるサーバーでPowerShellを起動して以下の様に実行します。

PS C:\> Connect-MsolService
PS C:\> Set-MsolDirSyncEnabled -EnableDirSync $false

Azure AD Connectのアインインストール

「アプリと機能」から、Azure AD Connectをアンインストールします。

ウィザードが起動しますが、サポートコンポーネントは残すようにして削除します。

AD DSのクリーンアップ

ユーザーのUPNを戻す

僕の使っているデモシナリオでは、UPNサフィックスを設定しています。これを元に戻しておきます。*1

UPNサフィックスの削除

追加したUPNサフィックスを削除します。

Azure ADのクリーンアップ

同期の状態の確認

ポータルで、同期が停止されていることと、シームレスシングルサインオンが無効になっていることを確認します。

同期用ユーザーの削除

同期で出来たユーザーと、同期用のシステムアカウントを削除します。

カスタムドメインの削除

追加したカスタムドメインを選択します。

「削除」を実行します。

DNSの削除

検証用ゾーンの削除

カスタムドメインで使用していたDNSゾーンを削除します

親ゾーンのクリーンアップ

親ゾーンから削除したNSゾーンを開きます。

レコードを削除します。

注意点

Set-MsolDirSyncEnabledでディレクトリ同期を無効にすると、再度同期を有効にするためには72時間待つ必要があるそうです。

docs.microsoft.com

また、再利用に限りませんが、シームレスSSOの有効化後、実際に利用できるようになるまでに30分かかることがあるようです。

docs.microsoft.com

おわりに

よく手順を忘れたり、注意点を失念するので、まとめてみました。

同じような操作をする方にも参考になれば幸いです。

*1:組織全体のUPNサフィックスを変更しても、ユーザーに設定したUPNサフィックスは残る

執筆担当者プロフィール
舟越 匠

舟越 匠(日本ビジネスシステムズ株式会社)

人材開発部に所属。社内向けの技術研修をメインにしつつ、JBS Tech BlogやMS認定資格取得の推進役もやっています。資格としてはAzure Solutions Architect Expertを所持。好きなサービスはPower Automate / Logic Apps。好きなアーティストはZABADAK。

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