はじめに
Teamsでは一般的によく利用される「会議」以外にも「ウェビナー」と「ライブ イベント」というものがあります。
普段あまり使う機会がないこれらの機能のうち、前回は「ライブ イベント」を試したのですが、組織のポリシー設定が足りず、意図した形でライブセミナーを開催できませんでした。
本記事では、改めて、テナント側の設定も含めて実施し、ライブイベントで要件を満たせるか確認してみます。
チェックしたいポイント
前回記事と同様になりますが、今回も下記観点でチェックしてみたいと思います。
- 参加者は発表者に質問や連絡が出来る
- 参加者同士はコミュニケーションが出来ないようにする
- 参加者は他の参加者の名前などの情報を得られないようにする
- 参加者はTeamsのライセンスを持っていない事とする
- 参加者は主に組織外のユーザーである
テナント側の設定
まず、Teamsの管理センターを開きます。
https://admin.teams.microsoft.com/
「会議」から、「ライブ イベントのポリシー」を開きます。
今回は、ライブイベントをパブリックで開催できるユーザーを限定したいと思うので、グローバルのポリシーはそのままにして、新たにポリシーを作成します。
「スケジュールされたライブ イベントに参加できるユーザー」を、既定値の「組織内のすべてのユーザー」から「全員」に変更し、保存します。
作成したポリシーをユーザーに割り当てます。
対象ユーザーを追加し、適用します。
これで割り当てが出来ました。
ライブ イベントを作成する
改めてライブイベントを作成します。ライブイベント作成はTeamsクライアントが必要(WebクライアントはNG)なので、Teamsクライアントから操作します。
前回利用できなかった、「パブリック」が選べるようになっています。これを選択します。
スクロールして、Q&Aにチェックを入れておきます。
これでスケジュールします。
ライブ イベントに参加する(開催者)
出席者用のリンクを控えてから、「参加」します。
Teams会議やウェビナー異なり、参加しただけでは開始になりません。ライブ前というステータスになります。
ライブイベントに参加する(参加者)
続いて、参加者側の操作をします。先ほど控えた参加用URLをブラウザに入力します。
今回は、Webでの視聴を選択します。
サインインボタンはあるのですが、今回は匿名での参加も可能になっており、こちらを選びます。
特に認証を求められることなく参加出来ました。ただ、まだイベント開始前なので、その表示が出ています。
ライブイベントの開始(開催者)
イベントを開始していきます。
テスト用のPowerPointスライドを用意したので、これを共有します。
コンテンツを選択し、「ライブ送信」をクリックします。
さらに、「スタート」をクリックします。
確認メッセージが出るので、「続行」をクリックします。
ライブイベントを視聴する(参加者)
Teams会議やWebinerと違って、完全なリアルタイムではありません。10~20秒ほど遅延があります。
試しに、左に参加者、右に発表者で動画を撮ってみました。PowerPointに手書きで注釈を入れた際に、発表者画面にはすぐ反映されますが、参加者に反映されるまでにはタイムラグがあります。
チェックポイントの確認
参加者は発表者に質問や連絡が出来る?
参加者から発表者へのコミュニケーションは、Q&Aを利用します。
サインイン時に名前を入力していないのですが、必要に応じて名前を入れることもできます。
質問は開催者に伝わり、返答することが出来ます。既定では非公開での返答です。
質問者への回答を送ることが出来ました。
参加者同士はコミュニケーションが出来ないようになっているか?
基本的にはチャットのようなものはないので、直接コミュニケーションは出来ません。
例外的に、開催者が質問を公開した場合、そのコメントに「いいね」をすることはできます。
参加者は他の参加者の名前などの情報を得られないようになっているか?
そもそもサインイン時に匿名であれば名前もメールアドレスも入力しないので、他の参加者の情報を得ることは基本的に不可能です。
例外的に、次の条件が揃うと個人名が出る恐れがあるので注意が必要です。
- Q&Aで名前を入力して質問する
- 開催者がそのコメントを全体に公開する
参加者はTeamsのライセンスを持っていなくても利用可能か?
利用可能でした。
組織外のユーザーが参加できるか?
参加出来ました。
おわりに
ライブ イベント機能を使って、当初想定していた機能は実現できました。
ただ、パブリックにした場合、URLさえ知っていれば誰でも参加が可能であり、当然ですが出欠も取れません。
事前登録をしてもらって出欠まで確認したい、というケースではウェビナーの方が向いている部分もあり、ケースバイケースで使い分けが必要だと感じました。
舟越 匠(日本ビジネスシステムズ株式会社)
人材開発部に所属。社内向けの技術研修をしつつ、JBS Tech Blog編集長を兼任。2024年8月からキーマンズネットでPower Automateの連載を開始。好きなサービスはPower AutomateやLogic Apps。好きなアーティストはZABADAKとSound Horizon。
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