はじめに
Azure Web Appsと似て非なるサービスとして「Azure Static Web Apps」というものがあります。
サービス名と、サービス概要にある「静的コンテンツ ホスティングに対応」という記述から、シンプルなHTMLやCSSのサイト構成用という印象を持ったのですが、一方で、CI/CD前提、サーバーレスAPI対応なども書かれており、最新のWebアプリケーション向け、という印象も受けます。
本記事では、こちらをひとまず作ってみて、通常のWeb Appsとの違いや、CI/CD無しでも利用できるものなのか、といった観点で見ていってみたいと思います。
Azure Static Web Appsの作成
Azure ポータルからAzure Static Web Appsを作成します。日本語だと「静的 Web アプリ」となっているので、探すときは少し注意が必要です。
ホスティングプランが2種類とシンプルになっています。また、デプロイについてはソースをここで指定する必要があります。
が、デプロイ方法については「その他」も選択可能です。今回は「その他」を選んでみます。
確認画面です。とてもシンプルですね。このまま作成します。
作成したAzure Static Web Appsの確認
初期ページの確認
「参照」をクリックすると、初期ページが表示されます。
初期ページはこんな感じです。
設定項目の確認
Azure ポータルに戻ります。全体的に設定項目がシンプルです。
無償プランでもカスタムDNSが設定できるようです。*1
試しに設定してみましたが、DigiCertによる証明書が自動で割り当てられていました。
リソース構造の確認
Web Appsの場合は、App Service Planが親にあって、その下にWeb Appsがあるという構造になりますが、Azure Static Web Appsの場合は、これだけでAzureのリソースとしては完結しているようです。
Azure Static Web Appsへのデプロイ
デプロイの設定を「その他」にしていたので、後から設定しようと思ったのですが、Azureポータルにはそれらしい画面がみつかりませんでした。
例えば、GitLabからデプロイしたい場合は、GitLab側からAzure Static Web Appsへのタスクを作成する、という形になるようです。
その際に、 Azure Static Web Appsからデプロイトークンを取得して、GitLab側に指定する、という形になるようです。
なので、作成時のデプロイ設定で選択できる「その他」は、あくまで、「その他(GitHub,Azude DevOps)以外のリポジトリという事であって、FTPやブラウザ操作でソースを公開するものではない事が分かりました。
おわりに
半ば予想はついていたことですが、実際に作って確認して腑に落ちました。
「静的コンテンツ ホスティングに対応」のイメージに近いものは、Azure Storage での静的 Web サイト ホスティングの方かもしれません。
次の記事では、Azure Storage での静的 Web サイト ホスティングを試してみたいと思います。
*1:Web AppsのFreeプランはカスタムドメインが利用できない。
舟越 匠(日本ビジネスシステムズ株式会社)
人材開発部に所属。社内向けの技術研修をしつつ、JBS Tech Blog編集長を兼任。2024年8月からキーマンズネットでPower Automateの連載を開始。好きなサービスはPower AutomateやLogic Apps。好きなアーティストはZABADAKとSound Horizon。
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