【Microsoft×生成AI連載】【Microsoft Fabric】 Microsoft Fabricでデータエージェントを作ってみた

「なんでもCopilot」のAdvent Calendar 12/5分の投稿となります。

adventar.org

 

Microsoft Fabricは、データ分析・統合・AI活用を一元的に提供するクラウドベースの分析プラットフォームです。その中でも「データエージェント」は、自然言語での対話を通じてデータ探索や分析を支援するCopilot機能を備えています。

これにより、専門的なクエリ言語を知らなくても、質問するだけでデータからインサイトを得ることが可能になります。

本記事では、実際にデータエージェントを動かす流れと、その機能、ビジネスにもたらす変革を具体的に掘り下げます。

※ なお、本記事は、Microsoft Fabricについて基礎的な知識を有している事を前提としています。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。

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データエージェントの機能概要

Fabricのデータエージェントは、組織のデータに対して自然言語で質問できるAIアシスタントです。Copilotが組み込まれており、以下のようなことが可能です。

  • 自然言語でのデータ探索
    • データセットに対する質問(例:「過去6か月の売上トレンドを教えて」「テキサス州の顧客のうち、リピート購入率が高い層は?」)に直接答えます。
  • 自動視覚化と要約
    • 質問に応じて、データの要約や異常値の検出を行います。
  • 複雑なクエリの自動生成
    • SQLやDAXといった専門的なクエリ言語を知らなくても、質問内容に基づいてクエリを自動生成し、実行します。
  • 技術的背景
    • この機能は、裏側でセマンティックモデルやOneLakeのデータ構造を理解し、高度なLLM(大規模言語モデル)を活用することで実現されています。
    • 単なるチャットボットではなく、データ環境に深く統合されたインテリジェンスです。

使用手順

では、実際どのように使用できるのか確認してみましょう。サンプルデータを利用して、「自然言語でのデータ探索」機能を実施してみます。

Fabricを開き、新しい項目から「データエージェント(プレビュー)」を選択します。

データエージェントの名称を入力し、「作成」を押下します。

データエージェント作成後、「データソースの追加」を押下します。

「データソース」の追加画面から、データエージェントに読み込ませたいデータソースを選択します。

今回は、サンプルデータとして工場のベルトコンベアの稼働状態を含んだレイクハウスを事前に用意していたので、そちらを選択します。

※サンプルデータは著者によって作成されたものを使用しています。

追加したレイクハウスの中にあるテーブルを選択し、チェックマークが入ったことを確認します。

質問入力個所に、「すべてのデータにわたる過去の傾向はなんですか?」と入力し、小さい赤枠「→(送信)」を押下します。

このように、自然言語でデータ探索を簡単に実施することができました。

利用シーン

データエージェントは、以下のようなシナリオで特に有用だと考えられます。

  • 経営層・ビジネスユーザー
    • レポート作成や意思決定のために、専門知識なしでデータを探索し、即座に現状を把握します。
  • データアナリスト
    • 初期分析や仮説検証を迅速に行い、手作業でのクエリ作成時間を短縮します。
  • 現場担当者
    • 日常業務で必要な数値や傾向を即座に確認し、データに基づいたアクションを取ります。

メリット

データエージェントを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 効率化と生産性向上
    • クエリ作成やレポート作成の時間を大幅に短縮し、データ活用のハードルを下げることで、より多くの人がデータドリブンな意思決定を実現できます。
  • 新しいアイデア創出(深掘り)
    • AIによる提案や異常検知で、従来気づかなかったインサイトを発見します。
    • 特に「なぜその結果になったのか?」という深掘りの質問にも対話形式で応えられる点が、従来の分析ツールにはない強みです。
  • 組織全体のデータ活用度向上
    • 結果として、組織全体のデータ活用度が向上し、意思決定のスピードと質が改善されます。

注意点

データエージェントを利用する際の注意点として、以下の点が挙げられます。

  • データ品質依存(AIによる不確実性の増幅)
    • 誤ったデータや不完全なデータでは、AIの回答も不正確になります。
    • これを「Garbage In, Garbage Out with an AI twist」と捉え、回答を鵜呑みにせず、必ず裏付けを取る重要性を強調する必要があります。
  • 権限管理とガバナンス
    • Copilotがアクセスできるデータ範囲を適切に設定し、個人情報や機密データを扱う場合は、プライバシーとコンプライアンスの観点からガバナンスを徹底することが不可欠です。
  • パフォーマンスとコスト
    • 大規模なデータセットに対する複雑な質問は、処理に時間がかかる場合があります。
    • また、Copilot機能はFabricのキャパシティ(コンピューティングリソース)を消費するため、コスト管理も重要な考慮事項となります。

まとめ

Fabricのデータエージェントは、Copilotを活用することでデータ分析の民主化を加速します。専門知識がなくても自然言語で質問するだけでインサイトを得られる点は非常に大きな価値です。

私個人の感想として、これまで専門的なスキルを持つ人がデータ分析の「ボトルネック」になっていた状況を、このエージェントが一気に解消すると考えます。そのため、データ分析者はAIと協力し、より高度な戦略立案に集中できるようになるでしょう。

また、その際に「会話型分析」は今後のデータ活用の標準となる可能性が高いと強く感じます。

おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)

Microsoft Fabricは、データ分析・統合・AI活用を一元的に提供するクラウド分析プラットフォームであり、その中でも「データエージェント」は自然言語での対話を通じてデータ探索や分析を支援するCopilot機能を備えています。これにより、専門的なクエリ言語を知らなくても質問するだけでインサイトを得ることが可能です。データエージェントは、質問に応じて自動でクエリを生成し、視覚化や要約を行うほか、異常値検出や深掘り分析にも対応します。技術的には、セマンティックモデルやOneLakeの構造を理解し、大規模言語モデル(LLM)を活用することで高度な分析を実現しています。
利用シーンとしては、経営層やビジネスユーザーが専門知識なしで現状把握を行う場合や、データアナリストが初期分析を迅速化する場合、現場担当者が日常業務で必要な数値を即座に確認する場合などが挙げられます。導入によるメリットは、クエリ作成やレポート作成の効率化、生産性向上、AIによる新しいインサイトの発見、そして組織全体のデータ活用度向上です。一方で、データ品質への依存や権限管理、ガバナンス、パフォーマンスとコストの課題には注意が必要です。
総じて、データエージェントは「会話型分析」を実現し、データ分析の民主化を加速する革新的な機能です。専門知識がなくても自然言語で質問するだけでインサイトを得られることで、従来のボトルネックを解消し、今後のデータ活用の標準となる可能性が高いと考えられます。

執筆担当者プロフィール
廣川 太一

廣川 太一(日本ビジネスシステムズ株式会社)

クラウドテクノロジーサービス事業本部Data&AIプラットフォーム部Dataソリューション1グループ所属 Microsoft Fabric、SnowflakeのデータをAIに連携し誰でもデータ探索ができるよう活動中。 新潟出身の優しい筋肉。

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