Jamf Pro、Intuneはどちらもデバイス管理およびエンドポイント管理を行うためによく利用されるツールです。
これらのツールでは配布のためにアプリケーションをパッケージとしてまとめてデバイスなどに配信する・追加する事が可能です。
しかし、Microsoft IntuneがWindows・iOS・Androidといった複数のプラットフォームであるのに対し、Jamf ProはmacOS・iOS・iPadOSといったAppleデバイスが対象であり、特徴は異なります。
本記事では様々な差を持つ二つの製品に関して「パッケージ化したアプリケーションの配信方法」の観点で違いをご紹介いたします。
アプリ作成における特徴
Jamf Pro
- 資材*1を「パッケージ」に変換してアップロードする
- アプリのポリシーを作成して割り当てる
※参考:パッケージ作成方法(本手順実施前にパッケージを作成してください)
パッケージソースの作成 - Composer ユーザガイド | Jamf
Intune
- 資材を「intunewin」に変換してアップロード
- インストールコマンド、アンインストールコマンド、検出規則を設定する
※参考:Intunewin作成方法(本手順実施前にintunewinを作成してください)
Microsoft Intune にアップロードする Win32 アプリを準備する - Microsoft Intune | Microsoft Learn
手順
Jamf Pro
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JamfProにログインし、「設定」>「コンピュータ管理」にて「パッケージ」を押下する。

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「新規」を押下する。

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「一般」タブを使用し、「表示名」や「カテゴリ」といったパッケージの基本設定を構成する。
※配布するOSの制限を設定したいときは「制限」の項目で設定

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「コンピュータ」>「ポリシー」にて「新規」を押下する。

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ポリシーの基本設定 (トリガーや実行頻度など) は、「General」 で構成する。

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「パッケージ」を選択し、「Configure (構成)」 を押下し、インストールしたいパッケージを選択する。

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「アクション」のドロップダウンリストから 「Install」 を選択する。

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パッケージをコンピュータへダウンロードする配布ポイントを指定する。

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「再起動オプション」を使用し、コンピュータの再起動設定を構成する。

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「Scope」タブをクリックし、ポリシーの適用範囲を設定し、保存を押下して完了。

Intune
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Microsoft Intune管理センターにサインインし、「アプリ」>「すべてのアプリ」>「作成」 の順に選択する。

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「アプリの種類の選択」ペインの 「その他」 のアプリの種類で、「Windows アプリ (Win32)」 を選択する。

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intunewinに変換したアプリのパッケージをアップロードする。

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「アプリ情報」ページでアプリ情報を設定する。

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「プログラム」ページでアプリのインストール、アンインストールの設定を構成する。

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[要件] ページで、アプリをインストールする前にデバイスで満たす必要のある要件を指定する。

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「検出規則」ページで、アプリの存在を検出するための規則を構成する。

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「必須」、「登録済みデバイスで使用可能」、または 「アンインストール]」を選択し割り当てて完了。

なお、下記は任意の設定となります。必要に応じて設定してください。
- 依存関係:1 つのアプリで 1 つ以上の依存アプリをインストールする必要があるアプリ間の関係を定義する際に使用。

- 置き換え:アプリケーションを置き換えるとき、更新または置換するアプリを指定できる。

※参考:Win32 アプリを追加し、Microsoft Intune に割り当てる - Microsoft Intune | Microsoft Learn
最後に
本記事では、Jamf Pro、Intuneにおける「パッケージ化したアプリケーションの配信方法」に関してご紹介しました。
同じデバイス管理およびエンドポイント管理でも、アプリ作成における機能、構成の際の設定が異なります。
本記事がJamf Pro、Intuneの特性の理解において少しでもお役に立てれば幸いです。
*1:資材:インストーラー、パッケージ(例:.msix, .apk, .ipa)、CI/CDスクリプトなどをさす