Oracle Database@Azure ~ Base Database Service を構築する

2025年9月から、Oracle Database@Azure でも Base Database Service(BaseDB) が使えるようになりました。

今回は、 BaseDB でデータベースを構築する手順を紹介します。

※ 今回の紹介する手順は本記事を執筆した2026年6月時点での内容です。設定項目については仕様が変更される可能性があることをご了承お願いします。

BaseDatabaseとは

Oracle Database@Azure の Base Database は、従来の Oracle Database の運用スタイルを維持しながら、Azure 環境上でデータベースを利用できるクラウドサービスです。

オンプレミスと高い互換性を持ちつつ、Azure の各種サービスとシームレスに連携できるため、既存システムのクラウド移行を容易にしつつ、高性能かつ低遅延なデータ処理を実現します。

BaseDatabaseの構成

BaseDBは Oracle Cloud Infrastructure(OCI)リージョンに構築された Oracle Database サーバーを AzureリージョンのVNET に接続することで Azure のリソースからアクセスが可能になります。

今回はAzureの VNET に仮想マシンを作成して、この仮想マシンからBaseDBのサーバーにアクセスします。

BaseDatabaseの構築

Oracle Database@Azure を利用するので、あらかじめ Oracle Subscription を購入し、Oracle Cloudアカウントをアクティブにしておきます。

※ Oracle Subscription の購入については過去の記事を参考にしてください。

Oracle Database@Azure ~ サブスクリプション購入とデプロイ方法 - JBS Tech Blog

BaseDatabase用のネットワークの作成

BaseDBにAzureからアクセスするにはBaseDB専用の委任されたサブネットが必要になります。

Oracle Database@Azure で利用できるAutonomousDBにも委任されたサブネットが必要ですが、共用することはできません。さらに同一のVNet内に BaseDB用のサブネットと AutonomousDB用のサブネットを配置することもできないので、 VNet内にはBaseDB以外の Oracle Database@Azureのデータベースを配置しないようにします。

サブネットのサイズは推奨「/24」最小「/27」を指定します。この例では 「10.1.0.0/16」の VNet に「10.1.1.0/27」のサブネットを作成しています。

委任されたサブネットを作成するにはサブネット作成時に委任するサービスに「Oracle.Database/networkAttachments」を指定します。

他の設定は通常のサブネット作成と同じです。

リソースアンカーの作成

AzureのリソースグループとOCIのコンパートメントをマッピングするためにリソースアンカーを作成します。

Oracle Database@Azure のメニューから Multicloud Resources を開きます。

Resource Anchors タブから 「+ 作成」をクリックします。

Basicsタブ

サブスクリプション、リソースグループ、名前を入力します。Region は Global 固定です。

Consentタブ

サービス規約同意にチェックをつけます。

全て設定したら「確認と作成」をクリックしてリソースアンカーを作成します。

ネットワークアンカーの作成

AzureのVNet、サブネットとOCIのVCN、サブネットをマッピングするために、ネットワークアンカーを作成します。

Network Anchors タブから「+ 作成」をクリックします。

Basicsタブ

「プロジェクトの詳細」でサブスクリプション、リソースグループを指定します。サブネットを作成したVNetのサブスクリプション、リソースグループを指定します。

「Network Anchor」でネットワークアンカー名、リージョン、Availability zone、リソースアンカー、VNet、委任されたサブネットを指定します。Backup subnet CIDR は基本的に指定不要です。VNet、委任されたサブネットは前の手順で作成したサブネットを指定します。

「DNS」で AzureとOCIでのDNSの扱い方を設定します。ここでは「Replicate DNS Private zones during DB creation」にチェックをつけます。OCIのDNSがAzureにコピーされ、Azureの仮想マシンからOCIのデータベースの名前解決ができるようになります。

Consentタブ

サービス規約同意にチェックをつけます。

全て設定したら「確認と作成」をクリックしてネットワークアンカーを作成します。

BaseDatabaseの作成

前提となるリソースを作成できたので、BaseDBを作成します。

Oracle Database@Azure のメニューから Oracle Base Database Service のページを開きます。

「+ 作成」をクリックして Base Database を作成します。

Basicsタブ

「プロジェクトの詳細」セクションでサブスクリプションとリソースグループを指定します。

「System Information」セクションでサーバー情報、データベース情報を入力します。

項目 設定内容
名前 DBシステム名を指定します。
リージョン ネットワークを作成したリージョンに合わせます。
Resource Anchor 作成したリソースアンカーを指定します。
Availability zone 可用性ゾーン選択します。
Shape 仮想マシンの種別を選択します。Oracle Database@Azureで利用できるシェイプはVM.Standard.x86のみです。
Database Version 19c、21c、23ai、26aiから選択します。
ECPU count ECPUの数を 4~256 の範囲で指定します。
Oracle Database Edition Standard Edition、Enterprise Edition、Enterprise Edition High Performance から選択します。Enterprise Edition Extreme Performanceは選択できません。

「Storage」セクションでストレージのサイズを 256~40960 GBの範囲で選択します。 「Security」セクションでサーバーにアクセスするための SSH認証鍵を設定します。 「Advance Options」にチェックを入れると文字コードとタイムゾーンを指定できます。

Configurationタブ

データベース作成時に追加されるプラガブルデータベースの名前と、管理者ユーザー(sys)のパスワードを指定します。

Networking タブ

リソースアンカー、ネットワークアンカー、サーバー名を指定します。

Diagnostics Collectionタブ

「Enable diagnostics events」にチェックをつけてクリティカルイベント、警告イベント、エラーイベント、および情報イベントをの収集と公開をOracleに許可します。「Enable incident logs and tracing」にチェックをつけてインシデントファイルとトレースログの収集をOracleに許可し、障害発生時の問題解決のユーザーの負担を軽減します。

Consentタブ

サービス規約同意にチェックをつけます。

全て設定したら「確認と作成」をクリックして BaseDB を作成します。

BaseDatabaseへのアクセス

BaseDBが完成したら早速アクセスしてみます。

Azure側にはデータベースの情報が無く、プロパティにサーバーの情報があり、Domain と Hostname によってアクセス先が決定します。Domainはサブネット名とVNet名から生成され、basedbsvrという名前でサーバーを作成しましたので、これが Hostname となります。

BaseDBと同じVNetの仮想マシンからssh接続してみます。OCI の Linux仮想マシンには OPC という管理者ユーザーが割り当てられるため、このユーザーでログインします。

無事 サーバーbasedbsvrにアクセスできました。sqlplus でデータベースにログインしてみます。

ステータスが OPEN なので、正常にデータベースが起動していることがわかります。

おわりに

今回の記事では Oracle Database@Azure で BaseDatabaseを構築し、データベースが起動していること確認しました。

次の記事では BaseDatabase の操作について紹介します。

執筆担当者プロフィール
三条 光暢

三条 光暢(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Oracle、PostgreSQLを中心に各種データベースの設計・構築・運用を携わっています。

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