VM watchはAzure仮想マシンおよびAzure仮想マシンスケールセットで使用できる正常性監視機能です。
これまで、仮想マシンのネットワーク監視、Application正常性、メトリック監視などは別途監視リソースを構成して監視する必要がありましたが、VM watchを使用すると監視リソースを構成せずに監視を行うことができます。
これから、VM watchについて2回に分けて解説します。まず今回は、概要とインストール方法についてとなります。
※2025年9月段階ではパブリックプレビューとなります。
VM watch概要
VM watch はAzure仮想マシンの正常性を監視する機能です。VM watch単体でCPU、ディスク、ネットワークだけでなく、名前解決、ポートやプロトコルなどを監視し、Application監視も実現できます。またVM watchは追加料金不要となっており、容易にデプロイが可能です。
その他のVM watchの特徴は以下の通りです。
- Application Health VM拡張機能を通じて提供される機能です
- Windows、Linux両環境でシームレスに動作します
- VM watchはVMサイズごとにCPUとメモリ使用上限を定めており、パフォーマンスに影響を与えにくい機能です
引用元:Azure VM ウォッチ - Azure Virtual Machines | Microsoft Learn
VM watchのデプロイ方法
VM watchをインストールする方法は以下の通りです。
- Azure Resource Manager テンプレート (ARM テンプレート)
- PowerShell
- Azure CLI
※パブリックプレビューの為、別途プレビュー機能の有効化が必要です。
※仮想マシンが作成済みであり、実行中である必要があります。
ステップ1:VM watchのインストール
VM watchのインストールはコマンドを使用します。ここでは PowerShell を使用します。Connect-AzAccountコマンドでAzureにログインします。
※Connect-AzAccountを使用するにはAzモジュールが接続する端末にインストールされている必要があります。ここではモジュールをインストールする手順は割愛させていただきます。
次に以下のコマンドを実行します。
Set-AzVMExtension -ResourceGroupName "<your resource group>" -Location "<your vm region>" -VMName "<your vm name>" -Name "<your extension name>" -Publisher "Microsoft.ManagedServices" -ExtensionType "<application health extension type>" -TypeHandlerVersion "2.0" -Settings @{"vmWatchSettings" = @{"enabled" = $True}} -EnableAutomaticUpgrade $True
<application health extension type>の箇所はOSごとに以下パラメータを置き換えてください。
- Linux:ApplicationHealthLinux
- Windows:ApplicationHealthWindows
コマンド実行後に赤枠のステータスが返ってきていることを確認してください

ステップ2:Application Health VM 拡張機能が Azure VM にインストールされていることを確認する
Azure potalに移動し、Application Health VM 拡張機能が正常にインストールされたことを確認します。状態が「Provisioning succeeded」となっていれば、インストールは成功しています。

またVM watchが有効になっていることを確認するには、概要の JSON ビューを選択します。

以下赤枠内の構成が JSON に存在することを確認します。

VM watchのデプロイについては以上で完了となります。
まとめ
今回はVM watchの概要とインストール方法について解説しました。コマンド一つで比較的簡単に導入できることがわかったかと思います。
次回は、VM watchの構成と確認できる内容について解説していきます。