近年、Teams Phoneだけの問題ではありませんが、かかってきた電話が詐欺や悪質な勧誘であったというケースが非常に増加しています。
Teams Phoneでは、こういった際に特定の番号からの着信をブロックすることで対応が可能です。
Microsoft Teams で受信通話をブロックする - Microsoft Teams | Microsoft Learn
この番号が迷惑電話であったという申告や情報が一つでもあれば、その番号を着信ブロックする設定を管理者にて全ユーザーに対してできるため、迷惑電話の着信に対して素早くかつ広範囲に対処することができます。
Teams Phoneでの着信拒否設定は個人での設定も可能ですが、今回は管理者での設定方法についてご説明します。
通話ブロック機能を有効化する
この機能は既定は無効化されているため、利用するにはまず通話ブロック機能を有効化する必要があります。
有効化もそうですが、通話ブロック機能に関する設定はすべてCUI(Powershellコマンド)から設定する必要があります。GUIからは設定できません。
Powershellを起動し、Teams管理センターへ管理者で接続したら、Set-CsTenantBlockedCallingNumbersコマンドにて機能を有効化します。
Connect-MicrosoftTeams
Set-CsTenantBlockedCallingNumbers -Enabled $true
また以下コマンドにより、通話ブロック機能が有効化されたかどうかも確認可能です。
Get-CsTenantBlockedCallingNumbers

上記のようにEnabledが“True”になっていれば、通話ブロック機能が有効化されています
特定の番号を通話ブロックする
Powershellを起動し、Teams管理センターへ管理者で接続したら、New-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドにて機能を通話ブロックを番号ごとに設定します。
New-CsInboundBlockedNumberPattern –Name “着信拒否番号の名称” –Description “任意の説明文” -Pattern “拒否する番号"
コマンドへは以下3つのパラメータを付与します。
| パラメータ | 設定値 | 備考 |
|---|---|---|
| -Name | ブロックする番号の名称 | 他の番号と重複しない名称を指定 |
| -Description | ブロックする番号の説明文 | 省略可能 |
| -Pattern | ブロックする番号 | 先頭に国コード(日本の場合+81)、かつ正規表現で指定する |

コマンドを実行すると、上記のように表示されます。
上記の例は090-XXXX-XXX2という番号をブロックする例になります。この番号の場合、-Patternには ^\+?8190XXXXXXX2$ のように指定します。
通話ブロックしている番号を確認する
Powershellを起動し、Teams管理センターへ管理者で接続したら、Get-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドを実行してテナント内のブロック番号を表示します。
Get-CsInboundBlockedNumberPattern

上記のような形式で、通話ブロックされている番号リストが一覧で表示されます。
通話ブロック設定を無効化/削除する
Powershellを起動し、Teams管理センターへ管理者で接続したら、以下コマンドで通話ブロック設定を無効化または削除します。
無効化
Set-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドを実行して、無効化したいブロック番号のEnabledをFalseに更新します。
Set-CsInboundBlockedNumberPattern -Identity "無効化したいブロック番号のIdentitiy" -Enabled $false
※Identitiyは前段のGet-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドで予め確認してください
削除
Remove-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドを実行して、ブロック番号の設定を削除します。
Remove-CsInboundBlockedNumberPattern –Identity “削除したいブロック番号のIdentity”
※Identitiyは前段のGet-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドで予め確認してください

無効化/削除の確認
無効化、削除コマンドに関しては、コマンド実行が成功しても、上記のように戻りは特にありません。
そのため、Get-CsInboundBlockedNumberPatternコマンドを実行し、EnabledがFalseになっている事で無効化された事を確認するか、または削除された事を確認してください。
終わりに
Teams Phoneでの特定の番号のブロックはユーザーの着信履歴からも行うことができますが、この場合、一度着信した番号に対してのブロック設定となります。
今回ご紹介した管理者からブロックする方法を利用すれば、着信した後でなく予めブロック設定をしておくことができるため、着信させたくないと組織が判断した番号を素早くかつ全ユーザーに対して行うことができます。
Hiroko, Kimura(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft 365製品の提案~運用が担当領域、特にTeams/Teams Phone多めです。趣味は音楽とテレビと映画。趣味にしたいのは筋トレ(エンジニアには筋肉が必要)。
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