【Microsoft×生成AI連載】【Power Platform】Power AppsでCopilotコントロールを使ってみた

【Microsoft×生成AI連載】シリーズの記事です。

本記事ではPower Apps内のCopilotコントロールの使い方についてご紹介します。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。

blog.jbs.co.jp

前提条件

Power Apps Premium ライセンス

Copilot コントロールは以下のようにダイアモンドがついているコントロールなので、Power Apps Premium 有償版ライセンスが必要です。

Power Platform Admin Center 設定

Power AppsでCopilotを使用するためには、Power Platform Admin CenterでCopilotの設定をする必要があります。

learn.microsoft.com

以下の手順で設定をオンにします。

  1. Power Platform Admin Center(https://admin.powerplatform.microsoft.com/home)を開きます。
  2. 左のメニューから「環境」をクリックします。

  3. 設定を変更する環境を選択します。

  4. 「設定」をクリックします。

  5. 「製品」 - 「機能」をクリックします。

  6. Copilotの「アプリを作成するユーザーに対して、AI を活用した新しい Copilot 機能を有効にします。」と「AI を活用したチャットエクスペリエンスを キャンバスとモデル駆動型アプリで使用し、データを分析することをユーザーに許可します。」を「オン」にします。

アプリの編集画面でCopilot コントロールが見えない場合

以下のように「挿入」 - 「入力」でCopilotのコントロールが見えない場合は、設定を変更する必要があります。

  1. Power Appsのアプリの編集画面の左下にある歯車マークをクリックして、設定を開きます。

  2. 「更新」 - 「プレビュー」にある「Copilot コンポーネント」、「Copilot 応答コンポーネント」、「Copilot Studioで編集する」項目をオフにして、またオンにします。

  3. 「挿入」 - 「入力」に「Copilot」と「Copilotの回答」コントロールがあることを確認できます。

Copilot コントロールを使ってみた

Copilot コントロール

「Copilot」と「Copilotの応答」コントロールの中で、まずは「Copilot」コントロールを使ってみました。

アプリで「Copilot」コントロールを使うために、左の挿入から「Copilot」コントロールを配置しました。

配置したCopilotコントロールを使うためには「データソース」の選択と、Copilot StudioからCopilotを作成して紐づける必要があります。

そのために、まず、データソースの選択からDataverseのテーブルを選択します。

※ 本記事では検証のために空のテーブルを作成し、選択しました。

データソースとしてDataverseテーブルを選択すると、Copilotコントロールがチャットのような見た目に変わります。続いて、Copilotと紐づけるために、Copilotのカスタマイズの「編集」 - 「新しいコパイロットを作成する」をクリックします。

新しいCopilotが作成されたら、「Copilot Studioで編集する」に変わります。

「Copilot Studioで編集する」をクリックして、Copilot Studioの編集画面を開きます。

本記事ではMicrosoft Learn(https://learn.microsoft.com)をナレッジとして使います。

Copilotのナレッジを追加するために、Copilot Studioの編集画面から「サポート情報」をクリックします。

「+ナレッジの追加」をクリックします。

「公開 Web サイト」をクリックします。

Web サイトのリンクを入力し、「追加」をクリックします。

サイトが追加されたら、「追加」をクリックしてナレッジを追加します。

ナレッジを追加したエージェントを公開するため、「公開」をクリックします。

ポップアップから「公開する」をクリックします。

Power Apps アプリのCopilot コントロールから質問ができることを確認しました。

※ 英語ではなく、日本語での回答ができないか確認しましたが、コントロールから作成したCopilot エージェントの設定には英語しかなかったため、難しいかと思います。

一応、セカンダリ言語には日本語があったため、設定してから同じ質問をしてみました。

結果は変わらず、英語での回答でした。(コントロールの「ContentLanguage」プロパティーを"Japanese"、"日本語"にして試しても同じ結果でした)

Copilotの回答コントロール

続きまして、「Copilotの回答」コントロールを使ってみました。

アプリで「Copilotの回答」コントロールを使うために、左の挿入から「Copilot回答」コントロールを配置しました。

今回はデータソースとして、データが入っているDataverse テーブルを使用しました。

「Copilotの回答」コントロールには以下のようなパラメーターがあります。

「Copilotに対する質問」にはCopilotに対する質問を入力します。

「回答を表示する」には、ボタンを押したときに回答を表示するか(After sending)、すぐ回答を表示するか(Immediately)を選択することができます。

「After sending」の場合はコントロールがある画面を開いて、コントロール内の右のボタンをクリックします。

回答の生成が始まります。

その後、回答が表示されます。

「Immediately」の場合は画面を開いくと回答の生成が自動的に実行され、回答を表示します。

利用シーン・メリット・注意点

利用シーン

  • アプリ内のFAQ:FAQ用のエージェントを作成し、アプリ内にCopilotコントロールを使って埋め込むことで、アプリを使いながらアプリに対する質問ができます。

メリット・デメリット

  • メリット
    • Power Apps アプリ内に簡単にCopilotのエージェントを埋め込むことができました。
  • デメリット
    • Copilotコントロールから作成されたエージェントでは、現時点では英語しか利用できませんでした。

注意点

  • Dataverseやダイアモンドがついているコントロールを利用するため、有償版のPower Apps Premiumライセンスが必要です。

まとめ

本記事では、Power Appsの「Copilot」と「Copilotの回答」コントロールについて紹介しました。

簡単にPower Apps アプリにCopilotを埋め込むことができるので、アプリ内でCopilot チャットボットが必要な場合に、参考になれば幸いです。

おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)

記事概要
本記事では、Power Apps における Copilotコントロール の使い方を解説しています。Copilotをアプリに組み込むことで、ユーザーがアプリ内で自然言語による対話や質問ができるようになります。

前提条件
Power Apps Premiumライセンスが必要(Copilotコントロールは有償機能)
Power Platform Admin CenterでCopilot機能を有効化する必要あり

設定手順(概要)
Power Platform Admin Centerで対象環境を選択
「設定」→「製品」→「機能」からCopilot関連の設定をオンにする
Power Appsの編集画面で、プレビュー設定のCopilot関連項目を一度オフ→オンにすることで、コントロールが表示されるようになる

Copilotコントロールの使い方
「Copilot」コントロール
Dataverseのテーブルをデータソースとして選択
Copilot Studioで新しいCopilotエージェントを作成し、ナレッジ(例:Microsoft Learn)を追加
エージェントを公開後、アプリ内でチャット形式の質問が可能に
※ 現時点では英語のみ対応。日本語設定を試しても英語で回答される

「Copilotの回答」コントロール
質問内容と表示タイミング(即時 or ボタン押下後)を設定可能
Dataverseのデータをもとに自動で回答を生成

利用シーン・メリット・注意点
利用シーン
アプリ内FAQ機能の実装など
メリット
簡単にCopilotエージェントをアプリに組み込める
デメリット
現時点では英語のみ対応
注意点
Premiumライセンスが必要
Dataverseの利用が前提

まとめ
Power AppsにCopilotを組み込むことで、アプリ内での対話型体験が可能になります。FAQやサポート機能の強化に活用できる一方、現状では英語対応のみである点に注意が必要です。

執筆担当者プロフィール
Lee Byungju

Lee Byungju(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Microsoft Azure関係の開発, Power Platformが担当領域。

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