【Microsoft×生成AI連載】寺澤です。今回はMicrosoft 365 Copilotの宣言型エージェントとカスタムエンジンエージェントについて記載します。
※ この記事の情報は2025/5/21時点のものです。またResearcher AgentはFrontierプログラムのものになります。今後機能、ライセンス、利用料金等が変更される可能性があります。
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記事をご参照ください。
Researcher Agentの紹介
Researcher Agentはより深い調査を行うためのツールで、組織内のデータ・Web上のデータを検索し、それらを組み合わせ詳細なレポートを作成することができます。
自然言語で何を知りたいか質問を送信すると。下記の流れでレポートを作成してくれます。
- 計画フェーズ:ユーザーの要求を分析し、高レベルの計画を立てます。
- 反復調査フェーズ:複数のサイクルを通じてデータを収集し、分析します。
- 統合フェーズ:収集したデータを統合し、最終レポートを作成します
現在はOpenAIのDeep Searchモデルを使用しています。
参照:Researcher agent in Microsoft 365 Copilot | Microsoft Community Hub
Researcher Agentの使用
エージェントの追加
Teamsアプリ上のCopilotから「エージェントの入手」を押します。
検索でresearcherと入力し、表示されたResearcher (Frontier)の「追加」を押します。
アプリの説明画面が表示されるので「追加」を押します。
追加が完了すると「Copilot」>「エージェント」に表示されます。
エージェントの実行
最新情報の調査
Researcher Agentで「Microsoft 365 Copilotの最新情報」について聞いてみます。
質問を送信すると、下記の追加情報を入力するように求められました。
- Microsoft 365 Copilotの特定の特徴か、一般的なニュースか
- 社内情報、外部情報、または両方の情報を検索するか
- 内容をまとめる際のフォーマット
下記の内容で送信し、レポートが完成するまで待機します。
約5~15分程度でレポートが完成しました。内容は多くの外部情報や内部情報を参照した情報がまとめられていました。
※実際は下記画像の右側と左側は縦に並んで記載されています。また一部内容を省略してスクリーンショットを掲載しています。
参照した社内情報や外部情報を確認すると下記を使用していました。
- 外部情報:3個(Webサイト)
- 社内情報:30個(PowerPoint、Excel、PDF)、Teamsチャット、OneNote、Loop等)
※再度検索し直した際や検索する内容の変更、外部情報のみ検索 などの条件を変更すると参照する情報の数は変化します。2回目実行時は外部情報が7個、社内情報が15個となりました。
自身のキャリアレポート
Researcher Agentで「自身のキャリアレポートの作成」を依頼してみます。
今回は、社内情報を参照してキャリアレポートを作成してくれました。
内容を確認したところ、実際に行った案件や作業、普段のチャットの内容を理解、分析がしっかりとできているように感じました。またアドバイスも自身に必要なことが記載されていました。
普段のチャットなどの社内情報を自動で読み取ってくれる点は、Researcher Agentの明確な強みであると感じました。
利用シーンとメリット、注意点
利用シーン
Researcher Agentは、特定の話題について詳細に知りたい場合や、内容をまとめたい場合に利用する事ができます。
利用例です。
- 自社製品の強みを調査する:
- Researcher Agentは社内情報と外部情報にアクセスが可能なため、自社製品と競合製品の比較をすることが可能です。
- 自社や他社製品の特長の調査や比較など時間がかかる作業を自動で行ってくれます。
- 最新情報やトレンドを調査する:
- 多くの外部情報を検索するため幅広い範囲で情報収集が可能です。
- 社内で共有された情報のキャッチアップにも役に立ちます。
メリット
Researcher Agentは業務の「効率化」にメリットがあります。
利用シーンに記載した通り、情報収集や内容の整理など時間がかかる作業を自動化できます。分析能力も高く高精度なレポートを作成可能です。
注意点
高品質で精度の高いレポートを作成してくれますが、最終的には人の目で事実確認を行う必要があります。
参照した情報が表示されているため、レポートの内容と比較して正しいことを確認することでハルシネーションを防ぐことができます。
まとめ
Researcher Agentは、データ収集の時間を大幅に削減してくれると感じました。
最近では、AIの進歩や関連技術の発展が著しく、これらの技術を活用することが重要になりそうです。
また、Researcher Agentが検索してくれる情報が多いため、普段は調べきれない範囲の情報収集においても、質が向上すると思われます。
おまけ(BizChatによる本記事の要約)
Researcher Agentの紹介
Researcher Agentは、組織内外の情報を活用して、より深く、正確な調査を支援するツールです。ユーザーが自然言語で質問を送るだけで、計画から調査、レポート作成までを一貫して行ってくれます。調査の進め方を共に理解する
計画フェーズでは、ユーザーの意図を丁寧に読み取り、調査の方向性を設計します。
反復調査フェーズでは、複数のサイクルを通じて情報を収集・分析します。
統合フェーズでは、集めた情報を整理し、読みやすくまとめたレポートを作成します。
現在はOpenAIのDeep Searchモデルを活用しており、より深い洞察が得られるようになっています。Researcher Agentの使い方を一緒に確認する
TeamsアプリのCopilotから「エージェントの入手」を選び、「Researcher (Frontier)」を追加します。追加後はCopilot内の「エージェント」タブに表示され、すぐに利用可能です。実際の利用例を共有する
「Microsoft 365 Copilotの最新情報」について質問すると、以下のような追加情報が求められました。特定の特徴か、一般的なニュースか
社内情報、外部情報、または両方を検索するか
まとめ方のフォーマット
これらを入力して送信すると、約5〜15分でレポートが完成しました。社内外の情報をバランスよく取り入れた、質の高い内容でした。参照された情報の内訳を一緒に見てみる
外部情報:Webサイト3件(2回目は7件)
社内情報:PowerPoint、Excel、PDF、Teamsチャット、OneNote、Loopなど30件(2回目は15件)
活用シーンを共有する
自社製品の強みを調査する:競合比較も含め、社内外の情報を横断的に分析できます。
最新トレンドの把握:外部情報の幅広い収集と、社内共有情報のキャッチアップに役立ちます。
メリットを確認する
情報収集や整理の自動化により、業務効率が大幅に向上します。高精度な分析により、信頼性の高いレポートが得られます。注意点も共有する
最終的な確認は人の目で行うことが重要です。参照元が明示されているため、内容の裏付けが可能です。まとめ
Researcher Agentは、調査や情報整理にかかる時間を大幅に削減し、普段は手が届かない情報にもアクセスできる頼れるパートナーです。AI技術の進化とともに、こうしたツールを活用することが、これからの情報活用の鍵となるでしょう。