【Microsoft×生成AI連載】【やってみた】Power AutomateからHTTP要求を送ってAzure AI Studioを使用してみた

【Microsoft×生成AI連載】シリーズの記事です。

本記事では、Azure AI Studioで新しくプロジェクトを作成してモデルをデプロイした後、Power Automateフローの「HTTP」アクションを使用してAIに質問を送信し、回答を得る方法について紹介します。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。

blog.jbs.co.jp

前提条件

Power Automateフローの「HTTP」アクションはプレミアムアクションとなります。

使用するためには、Power Automateの有償のライセンスが必要です。

実装内容

以下の内容を実装します。

  1. Azure AI Studioで新しいプロジェクトを作成します。
  2. 作成したプロジェクトにAIのモデルをデプロイします。
  3. デプロイしたモデルのENDPOINTとAPI キーを取得します。
  4. 取得したENDPOINTとAPI キーを使って、Power AutomateからHTTP要求を送信し、AIから回答を得ます。

Azure AI Studio

Azure AI Studioに新しいプロジェクトを作成して、モデルを作成してみます。

プロジェクトの作成
  1. Azure AI Studioを開きます。

    ai.azure.com

  2. Azure AI Studioから「新しいプロジェクト」をクリックし、新しいプロジェクトを作成します。

  3. プロジェクト名を記載して、ハブを選択します。

    ※ ハブがない場合は「新しいハブの作成」を選択して、ハブを作成します。

  4. ハブを新しく作成する場合はハブ名、サブスクリプション、リソースグループ、場所、Azure AI サービスまたはAzure OpenAIを接続などを設定する必要があります。

  5. 設定した値を確認し、「プロジェクトを作成する」をクリックしてプロジェクトを作成します。

  6. 新しいプロジェクトが作成されたことを確認できます。

モデルの作成
  1. 作成されたプロジェクトに追加するモデルを選択するため、「モデルカタログ」をクリックします。

  2. モデルカタログでは、デプロイできる様々なモデルが表示されます。今回は「gpt-4o」モデルをデプロイして使用するため、「gpt-4o」モデルをクリックします。

  3. 「デプロイ」をクリックし、選択したモデルをプロジェクトにデプロイします。

  4. デプロイ名を記載し、1分あたりのトークンレート制限を調節して「デプロイ」をクリックします。

  5.  モデルがデプロイされたことを確認できます。

ENDPOINTとAPI キーの取得
  1.  モデルのエンドポイントとキーを取得するために、「チャット」の「コードの表示」に移動します。
    以下のチャットページでモデルとチャットをして、モデルをテストすることも可能です。
  2.  Power Automateフローのアクションで使用するため、「API キー」文字列とソースコード内の「ENDPOINT」の文字列とをコピーして保管します。

Power Automate

Azure AI Studioで作成したモデルにHTTP要求を送信し、回答を受け取る簡単なフローを作成してみました。

フロー

HTTPアクションの各パラメーターの設定
  • 方法:POST
  • URI:ENDPOINT
  • ヘッダー
    • Content-Type:application/json
    • api-key:APIキー
    • クエリ:なし
    • 本文
      {
          "messages": [
              {
                  "role": "user",
                  "content": [
                      {
                          "type": "text",
                          "text": "今日の夜ご飯はなににしようか?"
                      }
                  ]
              }
          ]
      }
    • Cookie:なし
    • 認証:なし
実行結果

フローを実行した結果、HTTPアクションの本文の「choices」-「message」-「content」から、以下の回答を確認することができました。

夜ご飯のアイデアをいくつか提案させていただきますね!以下の選択肢からご検討いただければと思います。
**和食**
   - 鮭の塩焼き
   - お味噌汁
   - ほうれん草のおひたし
   - ご飯
**中華料理**
   - 餃子
   - 炒飯
   - 酸辣湯
**洋食**
   - パスタ (カルボナーラやボロネーゼ)
   - サラダ(シーザーサラダやグリーンサラダ)
   - ガーリックブレッド
**カレー**
   - チキンカレー
   - サラダ
   - ナンやライス
**鍋料理**
   - すき焼き
   - 鍋焼きうどん
   - ポン酢やごまだれで楽しむお鍋
各メニューにはそれぞれ準備時間や材料、好みの味が異なるので、お好きなものやその日の気分に合わせて選んでくださいね。

おわりに

本記事では、Azure AI Studioで新しくプロジェクトを作成してモデルをデプロイした後、Power Automateフローの「HTTP」アクションを使用してAIに質問を送信し、回答を受け取る方法について紹介しました。

本記事ではAIに質問を投げる際に1つの文章でテストしましたが、HTTPアクションの本文を以下のように作成することで、複数の文章でAIに質問することも可能です。

{
    "messages": [
        {
            "role": "user",
            "content": [
                {
                    "type": "text",
                    "text": "メッセージ1"
                },
                {
                    "type": "text",
                    "text": "メッセージ2"
                },
                {
                    "type": "text",
                    "text": "メッセージ3"
                }
            ]
        }
    ]
}
執筆担当者プロフィール
Lee Byungju

Lee Byungju(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Microsoft Azure関係の開発, Power Platformが担当領域。

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