Teams Phoneにて利用できる機能「自動応答」の設定項目の一つに、「ダイヤルの範囲(dial scope)」という項目があります。
ダイヤルの範囲についてのMicrosoftのドキュメントはこちらです。
Microsoft Teams 自動応答を設定する - Microsoft Teams | Microsoft Learn
本記事では、「ダイヤルの範囲」について、上記ドキュメントも踏まえて自分なりに整理した内容をご紹介します。
「ダイヤルの範囲」の設定場所
自動応答の設定画面の後半、「休日の通話フロー」の後に登場します。
設定項目の意味
設定画面には次のような補足文が記載されています。
発信者がこの自動応答にダイヤルインしたときに組織のディレクトリに一覧表示されて利用できるユーザーまたはグループを設定します。
発信者が名前によるダイヤル機能を使用して人を検索すると、Teams アプリがインストールされているユーザーに転送されます。
「組織のディレクトリに一覧表示されて利用できるユーザーまたはグループ」や「Teams アプリがインストールされているユーザーに転送されます」といった部分の対象がはっきりしなかったため、Microsoftに確認を行いました。
結果、自動応答経由の通話において転送先を絞るかどうかの設定値である事が分かりました。
例えば、自動応答からの電話を受けた人が、受けた電話を組織内の他ユーザーへ転送します。
- Aさんが03-XXXX-XXXX(自動応答)に発信
- 03-XXXX-XXXX(自動応答)のリダイレクト先に設定されているユーザーBに着信
- ユーザーBにて、自身のTeams PhoneのダイヤルパッドよりユーザーC(組織内のユーザー)を検索し、電話を転送
- AさんとユーザーCが通話
この場合に、3.の時点で転送できるユーザーをこの設定値により制限することができるようになります。
自動応答は会社の代表番号をかけた先に設定されることが多い機能ですので、会社の窓口として電話を受けれるユーザーを不特定多数にしたくない、といった要望があっての機能かもしれません。
設定可能な値
対象
転送先を指定するときに(上記例の3)、検索できるユーザー範囲を指定できます。
- すべてのオンラインユーザー
- 範囲の指定はありません
- 「カスタムユーザーグループ」
- 特定のユーザーグループに転送範囲を限定できます
除外
転送先を指定するときに(上記例の3)、検索対象外(転送できないように)にするユーザー範囲を指定できます。
- 該当者なし
- 除外対象者はありません
- カスタムユーザーグループ
- 特定のユーザーグループには転送できないように制御できます
補足
冒頭にて紹介した設定画面に表示された以下の一文についても確認しました。
発信者が名前によるダイヤル機能を使用して人を検索すると、Teams アプリがインストールされているユーザーに転送されます。
「Teams アプリがインストールされているユーザーに転送されます」とあるものの、
転送先ユーザーにおいてTeamsクライアントアプリがインストールされていなければ本機能が使えないといったものではない、とのことでした。
終わりに
自動応答はTeams Phoneの中で主要機能の一つであり、新たな設定値や選択肢が次々とリリースされています。
そのスピード感ゆえ、機能解説は後手となるのかMicrosoftのドキュメントや画面に補足として添えられたコメントは簡素なものも多いです。
こういったときは、機能解説を英語の原文で探したり、検証を重ねて機能の実態をつかむように努めています。
同じように機能の把握で困っている方のお役に立てば幸いです。
Hiroko, Kimura(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft 365製品の提案~運用が担当領域、特にTeams/Teams Phone多めです。趣味は音楽とテレビと映画。趣味にしたいのは筋トレ(エンジニアには筋肉が必要)。
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