Azure File Syncの階層化除外設定が効かない際の対処法

先日、Azure File Syncの階層化除外設定が効かない問題に遭遇しました。

同じようなケースに遭遇した方々のために対処法をまとめます。

背景

特定のフォルダだけ階層化を除外したいという要望があったため、レジストリの以下の場所にGhostingExclusionListを追加して階層化除外を設定しました。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Azure\StorageSync

しかしながら、初回同期時に階層化除外を設定したフォルダを含むすべてのフォルダが階層化されてしまいました。

階層化除外は遅延して除外することもありますが、その期間は3~4日とMicrosoft社の公式ドキュメントに記載があるため、本件はそのパターンに含まれなかったことから調査を進めました。

対処法

調査を進めたところ、本件はバグであることが判明しました。Microsoft社に問い合わせたところ、2024年1月時点で修復は検討されているものの、解決時期については未定とのことだったので、以下のような手順で対処が可能です。

手動でファイルを呼び戻す

  1. 階層化されてしまっているファイルを開きます

Recallコマンドの実行

  1. PowerShellを実行します以下コマンドでモジュールのインストールを行います。
    Import-Module "C:\Program Files\Azure\StorageSyncAgent\StorageSync.Management.ServerCmdlets.dll"
  2. 以下コマンドを管理者権限で実行します
    Invoke-StorageFileSyncFileRecall -Path <階層化を取り消したいフォルダ/ファイルのPathを指定>

おわりに

本件はバグとのことなので、解消されるまでは本記事の内容を実行して対処していきましょう。

執筆担当者プロフィール
伊藤 潤人

伊藤 潤人(日本ビジネスシステムズ株式会社)

HC本部所属です。Azure・AWSともに経験がありますが、最近はAzureのPaaSサービスをメインに業務を行っています。趣味はドライブです。

担当記事一覧