【CyberArk】利用環境構築 ~CPMインストール編~

前回はFrontサーバー上にWeb管理コンソールのPVWA(Password Vault Web Access)を構築しました。

前回の記事はコチラを参照ください。

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今回は、FrontサーバーにCPM(Central Policy Management)を構築していきます。

CPMとは

CPMは、CyberArkの管理対象に登録したアカウントのパスワード自動管理を行います。

Vaultに保管したパスワード情報および管理対象アカウントのパスワードにアクセスし、管理します。

パスワード管理機能として、大きく以下の3機能を提供しています。

パスワード変更

管理対象アカウントのパスワードを変更します。

Vault内のパスワードおよび管理対象アカウント側のパスワードを同じパスワード情報に上書きします。

PVWA上での手動変更および定期的(日程間隔)な自動変更が可能です。

パスワード検証

Vault内のパスワード情報と、管理対象アカウント側のパスワード情報の整合性をチェックします。
PVWA上での手動検証および定期的(日程間隔)な自動検証が可能です。

パスワード調整

Vault内のパスワードと管理対象アカウント側のパスワードに不整合が生じた場合に、パスワード変更およびパスワード検証は失敗します。

その失敗をトリガーに、CPMはVaultと管理対象アカウント側のパスワード情報を合わせる動作を行います。それをパスワード調整といいます。

※パスワード調整機能を利用する際には、パスワード調整専用の管理者アカウントを別で登録・紐づけする必要があります。(CPM(Vault)は、パスワード不整合が起きた管理対象アカウント側の正確なパスワード情報を知らないため)

CPM構築

事前準備

CPMのインストールに際して準備をしていきます。

インストーラー配置

CPMのインストーラー「Central Policy Manager-Rls-v12.6」をFrontサーバーの任意の場所に配置します。

確認コマンド実行

インストール前の確認コマンドを実行します。

  1. FrontサーバーでPowerShellを管理者権限で起動します。
  2. Power Shellを管理者権限で起動し、セットアップ資材がある【Central Policy Manager-Rls-v12.2】フォルダに移動します。

  3. フォルダ配下の「InstallationAutomation」フォルダに移動します。

  4. 下記コマンドを実行します。

    .\CPM_PreInstallation.ps1

     

  5. 実行後、「Operation Succeeded」が表示されることを確認します。

CPMインストール

確認コマンドの実行が完了したら、実際にCPMをインストールしていきます。

  1. 「Central Policy Manager-Rls-v12.6」フォルダに移動します。
  2. 「setup.exe」を管理者権限で実行します。
  3. 「Next」をクリックします。

  4. 「Yes」をクリックします。

  5. 「User Name」,「Company Name」に任意の値を入力し、「Next」をクリックします。

  6. インストール先に要件がなければ、規定値のまま「Next」をクリックします。

  7. インストール後、「Setup Type」の画面が表示されます。「No Policy Manager was previously installed」を選択し、「Next」をクリックします。

  8. 「Vault's Connection Details」の画面が表示されたら、下記情報を入力し、「Next」をクリックします。

    項目名

    設定内容

    Address

    VaultサーバーのIPアドレス

    Port

    1858

  9. 「Vault's Username and Password details」の画面が表示されたら、「Username」と「Password」を入力し、「Next」をクリックします。

    項目名

    設定内容

    Username

    Administrator

    Password

    Vaultレジストレーション時に設定したAdministratorのパスワード

  10. インストール完了後、「Finish」をクリックします。

サービス起動

CPMのサービスを起動します。

  1. 「Start」メニューから、「Run」を開き、「Services.msc」を起動します。

  2. 「CyberArk Central Policy Manager Scanner」のサービスを選択し、「Start Service」ボタンをクリックします。
  3. 「CyberArk Central Policy Manager Scanner」の「Status」が「Runnning」となっていることを確認します。

おわりに

お疲れ様でした。以上でCPMの構築は完了です。

次回は、PSMの構築を解説します。

執筆担当者プロフィール
岩井 一輝

岩井 一輝(日本ビジネスシステムズ株式会社)

業務ではMicrosoft 365製品やセキュリティ製品を担当しています。 バイクでツーリングしたり、家でギターを弾くことが趣味です。

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