はじめに
昨今のクラウド化のニーズが深まる現在、クラウドシフトの枠組みを提唱しているクラウド導入フレームワーク(Cloud Adaption Framework、CAF)の中でも、Microsoftが提唱しているAzure向けクラウド導入フレームワーク(Microsoft Cloud Adaption Framework for Azure)にスポットをあてて解説します。
クラウドの現状
近年、COVID-19などの影響やDXの推進によって多くの企業で「クラウド化」が注目されており年々ニーズが増えてきています。
この記事を読まれている方でクラウド導入を検討されている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
クラウド導入をすることによってコスト削減や運用負荷の低減などメリットはありますが、もちろんデメリットも存在します。
それは、「クラウド化が思うように進まない」ということです。
いざ、クラウドを導入しよう!と思っても企業間で異なるビジネス理念や企業文化などもギャップによってクラウド化に向けたプロセスが不明確になったり、成果が見えづらくなったりといった失敗が起きやすいのです。
しかしながらこのようなデメリットがある中でもクラウド化に成功したプロジェクトでは同じような規則性が確認されました。
このような規則性をまとめたフレームワーク(いわばクラウドのお作法集)が今回ご紹介する「クラウド導入フレームワーク(Cloud Adaption Framework )」、通称CAF(キャフ、カフ)というものです。
クラウド導入フレームワーク(CAF)について
では、先程少し説明したCAFについて少し深堀していきます。
実はCAFはMicrosoftが提唱したAzure向けのCAF(Microsoft Cloud Adaption Framework for Azure)以外にもAmazonやGoogleでもそれぞれ提唱されているCAFが存在し、元々はGartnerが最初に発表したものと言われています。
特に、Azure向けのCAFについてはMicrosoftが実証済みのガイダンスであり、世界中の企業でMicrosoft Azureが導入された際のMicrosoftのサポート成果をこの枠組みに落とし込んでいるため、これからクラウドシフトやクラウド導入を行いたいと考えている企業にはぴったりのフレームワークになっています。
こちらがMicrosoftが提唱しているCAFの全体像になります。
CAFは7つのフェーズ「CCoE、戦略定義、計画、準備、導入、ガバナンス、管理」で構成されています。
CCoE(Cloud Center of Excellence)で企業としてのビジョンを定義した上で、戦略定義でクラウド移行におけるビジネス成果とROIや移行対象となるワークロードの設定を行います。その後、実際のクラウド導入のステージでクラウド導入計画の策定を行い、準備、導入へと移ります。
さらにクラウドガバナンスによって一連のフェーズの自動化や継続的改善の仕組みをCAFで提供を行います。
この一連のフェーズを行うことによってどのようなパターンでプロセスを踏めばいいのかツールやドキュメントなども用意されています。
- Azureサービス「Azure Blueprint」や「Azure Policy」などを用いてクラウドのベースとなる環境の構築を行う「Landing Zone」
- 現状とのギャップを測定する「Governance Benchmarkツール」「Cloud Journey Tracker」
などがあり、これらを利用することでより企業のクラウド化に対するベストプラクティスを提供することが可能になります。
またゴールの明確化に繋がり、クラウドが思うように進まないといったデメリットが解消されDX推進も行いやすくなります。
おわりに
CAFはかなり抽象度が高いので大まかな全体像を今回ご説明しました。
思うように進まないクラウド化やDX推進がCAFを通して成功に導きやすくなることがこの記事を通して少しだけでも理解できましたでしょうか?
今後活用シーンは徐々に増えていくので少しでも参考になりましたら幸いです。
もしCAFをやってみたいけどどうすればいいか分からないなどお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。