Jamf Pro でアプリ配布を設計する際、「グループにアプリを割り当てるべきか?」それとも「アプリ側で対象グループを指定するべきか?」と判断に迷うこともあると思います。
どちらの方法でもアプリ配布は実現できますが、運用コスト・可視性・ライセンス管理のしやすさなどに大きな差が出ます。
本記事では、Jamf Proにおけるアプリ配布方式を2つのパターンで整理し、あわせてカテゴリとScopeの役割の違いを押さえたうえで、最終的にどちらを選ぶべきか判断できるようにまとめます。
なお、前提として、設定の確認・変更にはJamf Proの管理者権限(管理コンソールへのアクセス権限)が必要です。
- アプリ配布方式は大きく2種類
- カテゴリとScopeの違い(役割を誤解しないための基礎)
- 方式1:グループに対してアプリを配布する方式
- 方式2:アプリ側で対象グループを指定する方式
- 「結局どちらを選ぶべきか?」判断フロー
- まとめ
アプリ配布方式は大きく2種類
Jamf Proでアプリを配布する際、運用設計としては大きく次の2パターンに分けられます。
- 方式1:グループに対してアプリを配布する方式(役割グループごとに標準アプリセットを揃える)
- 方式2:アプリ側で対象グループを指定する方式(アプリごとに配布対象グループをまとめて持つ)
どちらも実現可能ですが、日々のメンテナンス性や見通しの良さに明確な違いがあります。
カテゴリとScopeの違い(役割を誤解しないための基礎)
アプリ配布方式を理解するうえで重要なのが、カテゴリとScope(適用範囲)の役割の違いです。
ひと言でまとめると、カテゴリ=「整理(表示・分類)」、Scope=「適用先(配布対象)」です。
カテゴリ(任意)
カテゴリは、Jamf Pro/Self Service上の項目を「分類して見つけやすくする」ための整理機能です。
- 目的:管理対象を分類して見つけやすくする(整理のため)
- 対象(Jamf Pro):ポリシー/パッケージ/スクリプト/プリンタをグループ化
- 対象(Self Service):ポリシー/構成プロファイル/アプリ/ブックをカテゴリで整理
- 補足:PriorityはSelf Serviceの表示順に利用
- 一次情報:Jamf Pro Categories
Scope(必須)
Scope は、ポリシーやアプリ配布などのタスクを「どのデバイス/ユーザーに適用するか」を決める設定です。
- 目的:どのコンピュータ/モバイルデバイス/ユーザーがタスクを受け取るかを制御
- 基本構成:Targets(対象)/Limitations(制限)/Exclusions(除外)で設定
- 一次情報:Jamf Pro Scope
方式1:グループに対してアプリを配布する方式
「グループ(役割)ごとに、配布するアプリ群を揃える」設計です。グループ目線の可視性は高い一方で、変更時の作業が増えやすい傾向があります。
この方式で使うのはどれ?
- Scope:使用する(必須)
- カテゴリ:使用する
- 例:Self Service上の見せ方や管理画面の整理目的で付与する(配布対象の決定には使わない)。
メリット
- 各グループが「どのアプリを持っているか」を把握しやすい
- グループごとにアプリ設定を変えられる(自動アップデート ON/OFF など)
デメリット
- アプリ追加・変更のたびに全グループへ反映する必要がある
- 1つのアプリがどのグループに配布されているか追跡しづらい
- ライセンス運用との相性が悪い(アプリ軸で「使用数/残数」を見たいのに情報が分散)


方式2:アプリ側で対象グループを指定する方式
「アプリ側で配布対象を管理する」設計です。アプリ軸でのメンテナンスがしやすく、ライセンスやエラー追跡も揃えやすい傾向があります。
この方式で“使うのはどれ?
- Scope:使用する(必須)
- アプリ1つのScopeに対して、Targets に 配布対象グループ(複数可)をまとめて指定します。
- カテゴリ:使用しない
メリット
- アプリ側で1回設定すれば良い(変更作業が集約される)
- アプリ軸で「どのグループに配布しているか」を把握しやすい
- ライセンス管理やエラー追跡がしやすい(アプリ単位で見通せる)
デメリット
- グループごとにアプリ設定を分けられない
- 役割ベースの“標準セット(Gold Image的構成)”を示したい場合、アプリ側に定義が分散し、俯瞰しづらいことがある

※補足:方式1/方式2の違いは「カテゴリを使う/Scopeを使う」ではありません。
配布対象の指定はどちらもScopeで行います。
「結局どちらを選ぶべきか?」判断フロー
迷った場合は、以下の判断フローに沿って、方式1/方式2のどちらを採用するか整理してください。

まとめ
- カテゴリは“整理”のための機能であり、配布方式とは別物(配布ロジックはScopeが決める)
- グループ単位で細かく制御したいなら方式1
- 運用コストを抑えて直感的に管理したいなら方式2
- ライセンス管理やエラー追跡のしやすさは方式2が優位になりやすい
Jamf Pro の運用は環境によって最適解が異なるため、判断フローを使って「自分の環境では何を優先すべきか」を整理してから方式を選ぶ事がおすすめです。