本記事では、Veeam Backup&Replicationを使用して、バックアップデータをAmazon S3へバックアップするためのVeeam側での設定手順について紹介いたします。
前提条件
本手順を実施するにあたり、以下の項目を前提とします。
- Amazon S3バケットが作成されていること
- Veeam用IAMユーザーが作成されていること
- Veeam用IAMアクセスキーが作成されていること
- Veeam用IAMユーザーにVeeam用IAMポリシーがアタッチされていること
- Veeam Backup&Replicationがインストールされていること
- Veeam Backup&Replicationがインストールされているサーバーがインターネットへ出れること
Backup Repositoryへの登録手順(Amazon S3)
オブジェクトストレージリポジトリウィザードを起動
Veeam Backup and Replication Consoleを起動し、[Backup Infrastructure]>[Backup Repositories]より、「Add Repository」をクリックします。
「Object storage」をクリックします。
「Hyperscalers」をクリックします。
「Amazon S3」をクリックします。
「Amazon S3」をクリックします。*1
オブジェクトストレージリポジトリ名を指定
以下、設定項目について設定を行い、「Next」をクリックします。
- Name:任意のバックアップリポジトリ名を入力する
- Description:任意の説明を入力する
オブジェクトストレージアカウントを指定
AWSへ接続する際に、必要となる認証情報を[Credentials]より「Add」をクリックし、認証情報を追加します。
以下、設定項目について設定を行い、「OK」をクリックします。
- Access key:Veeam用IAMユーザーのアクセスキーを入力する
- Secret key:Veeam用IAMユーザーのシークレットアクセスキーを入力する
- Description:任意の説明を入力する
認証情報が追加されたことを確認し、「OK」をクリックします。
先ほど追加した認証情報が選択されていることを確認します。
AWS regionは「Global」を選択します。
Connection modeは「Choose...」をクリックします。
「Direct」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。*2
「Next」をクリックします。
オブジェクトストレージ設定を指定
以下の設定項目について、設定を行います。
- Data center:S3バケットがあるリージョンを指定する
- Bucket:Veeamに登録するS3バケットを指定する
- Folder:任意のフォルダーを指定する*3
- Limit object storage consumption to X TB:S3バケットの容量制限を定義する場合は設定する*4
- Make recent backups immutable for X days:オブジェクトストレージにあるデータの削除を禁止する場合は設定する*5
- Use infrequent access storage class (may result in higher costs):Amazon S3ストレージクラスのOne-Zone-IAを使用する場合、設定する。*6
「Next」をクリックします。
マウントサーバの設定
以下の設定項目について、設定を行い「Next」をクリックします。
- Mount server:デフォルト値(Veeam Backup&Replicationサーバーを指定)で設定
- Instant recovery write cache folder:デフォルト値(C:\ProgramData\Veeam\Backup\IRCache\)で設定
- Enable vPower NFS service on the mount server(recommebded):デフォルト値(有効)で設定
コンポーネント確認及びオブジェクトストレージ設定を適用
コンポーネント確認画面が表示されるので、「Apply」をクリックします。*7
既存のS3バケットを使用しバックアップデータがある場合は「Search the repository for existing backups and import them automatically」の設定にチェックを入れます。
「Next」をクリックします。
Summary画面が表示されるので、「Finish」をクリックします。
Backup RepositoriesにS3バケットが登録されたことを確認します。
まとめ
本記事ではVeeam Backup&Replicationを使ってAmazon S3へバックアップする上でのVeeam側の設定を行いました。
Veeamを使ってAmazon S3へバックアップをする際に本記事が参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
*1:Amazon S3の場合、ストレージクラスは標準・標準-IA・One-Zone-IAのみ対応
*2:デフォルトでは、Gateway Serverの役割はVeeam Backup&Replicationサーバーに割り当てられます。事前にBackup Infrastructureに追加されたインターネット接続のあるWindowsサーバー・LinuxサーバーをGateway Serverとして指定することが可能となります。また、インターネットと通信する際にプロキシサーバー経由している場合、WinHTTPの設定が必須となります。(参考 KB3090: How to Configure WinHTTP Proxy for Veeam Components)
*3:Browse...よりフォルダーの作成が可能となる
*4:ジョブの実行中に制限を超えた場合、Veeam Backup&Replicationはジョブを完了する。ただし、制限を超えた分のデータを削除するか容量制限の設定を変更しない限り新しいジョブを開始することはできない。
*5:Veeam Backup&Replication Consoleから設定できる最大期間は90日間となります。それより長い期間を設定する場合、Set-VBRAmazonS3Repositoryコマンドレットを使用する。
*6:データを長期保存する場合は推奨。ただし頻繁にジョブ実行やリストアを実施する場合、無効化が推奨となる。
*7:本手順は新規で作成した空のS3バケット使用するので、「Search the repository for existing backups and import them automatically」の設定はチェックは外している。