本記事では、イーサネットテザリングを利用してインターネット接続をする方法について試しみました。
概要
ルーターのWANポートに有線LANアダプタを接続したスマートフォンを接続し、WANポートのIPアドレスをDHCPで取得するように設定します。
LANポートに接続したPCは固定IPアドレスを設定し、PATによりWANポートのIPアドレスに変換してインターネット接続が可能となります。
構成
検証環境構成図

検証環境にて利用した機器
検証環境において利用した機器は下記の通りです。
- Androidスマートフォン
- 有線LANアダプター
- PC
- Cisco 891FJ
設定内容
ルーター
ルーターへの設定を行います。
まず、PCのゲートウェイとして利用するルーターのIPアドレスの設定をします。任意のIPアドレスを設定します。
interface Vlan1
ip address 192.168.0.254 255.255.255.0
ip nat inside
次に、ルーターのWANポートとスマートフォンを接続するポートの設定をします。
interface GigabitEthernet8
ip address dhcp
ip nat outside
最後にACL/PAT/ルーティングの設定をします。
- ACL:ルーターへ設定したIPアドレス帯を設定します。
- PAT:入力方向にACLを指定し、出力方向にWANポートを設定します。
- ルーティング:DHCPサーバから割り当てられたゲートウェイを指定します。
access-list 1 permit 192.168.0.0 0.0.0.255
ip nat inside source list 1 interface GigabitEthernet8 overload
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 dhcp
PC
PCのアドレスを設定します。

Androidスマートフォン
設定よりテザリング、イーサネットテザリングの順で選択します。
この際、私の環境では、有線LANアダプターをスマートフォンへ接続していない場合はイーサネットテザリングの選択は不可となっていました。
イーサネットテザリングを選択する場所は機種により異なる可能性がありますので、設定の詳細についてはメーカーのサポートページの参照をお願いします。
また、テザリング利用時の料金や制限などは、各キャリアの注意事項などをご確認ください。
確認
ルーター
show ip route を入力すると、スマートフォンからDHCPにより払い出されたIPアドレスをネクストホップとするデフォルトルートが表示されました。
S* 0.0.0.0/0 [1/0] via 192.168.XXX.254
192.168.0.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 192.168.0.0/24 is directly connected, Vlan1
L 192.168.0.254/32 is directly connected, Vlan1
192.168.XXX.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 192.168.XXX.0/24 is directly connected, GigabitEthernet8
L 192.168.XXX.157/32 is directly connected, GigabitEthernet8
PC
PCからPing応答も問題くなく行えました。インターネットへの接続をすることも確認できました。
ping 8.8.8.8
8.8.8.8 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
8.8.8.8 からの応答: バイト数 =32 時間 =49ms TTL=108
8.8.8.8 からの応答: バイト数 =32 時間 =36ms TTL=108
8.8.8.8 からの応答: バイト数 =32 時間 =56ms TTL=108
8.8.8.8 からの応答: バイト数 =32 時間 =43ms TTL=108
おわりに
インターネットへの接続ができるようになると、様々なサービスへ接続が可能となるので、検証に深みが増すかと思います。
今回の記事ではセキュリティ対策については記載していないため、環境にあったセキュリティ対策は講じるようにしましょう。