AzureのWindows仮想マシンでMicrosoft Entra Connectをインストールする際にEntra IDへの接続で起こるエラーへの対処~その1~

こんにちは!今回はMicrosoft Entra Connect(以下:MEC)を構成する際に私が実際に体験したエラーと、その時に対処した方法について書くことができたらと思います。

どんなエラーだったのか

MECをインストールをして手順を進めていくと、以下画像のようにEntra IDへ接続する画面が表示され、同期したいテナントのグローバル管理者もしくはハイブリッドID管理者のユーザー名を入力するかと思います。

このとき、どれだけ確実にユーザー名を入力しても、以下のエラーが表示されてしまいます。

予期しないエラーが発生したため、資格情報を検証できません。このイシューを詳しく診断するには、/InteractiveAuth オブションを使用して Microsoft Entra Connect Sync を再起動します。
(extendedMessage:この要求の送信中にエラーが発生しました。|リモート名を解決できませんでした。:'login.microsoftonline.com'
webException:リモート名を解決できませんでした。:'login.microsoftonline.com'
STS endpoint: HTTPS://LOGIN.MICROSOFTONLINE.COM/**********

画像のエラーの最後にトラブルシューティングについてのリンクがありましたが、該当のエラーは記載されていませんでした。

そこで、可能性のある不備を1つずつたどってみることにしました。

確認したことその1:DNSサーバーの設定確認

まず、DNSサーバーとの通信に問題があると考え、以下のことを試してみました。

名前解決できるのか確認してみる

今回は、「nslookup」というコマンドをPowerShellで実行することで、名前解決ができるのかどうかを確認しました。以下コマンドになります。

nslookup {DNSサーバーのIPアドレス or ドメイン参加しているドメイン名}

エラーが表示されない場合、名前解決は成功しております。わたくしの場合、要求はタイムアウトしたもののドメイン名で確認するとIPアドレスが判別できたため、名前解決自体は成功しているが、通信速度に問題があるかもしれないということがわかりました。(以下画像参照)

画像上部ではドメイン名で実行しており、要求はタイムアウトしていますが、IPアドレスは判別できているため、名前解決成功となります。

画面下部ではIPアドレスで実行しており、こちらは単純に要求がタイムアウトしただけです。

どちらも要求がタイムアウトしておりますが、ドメイン名で実行した場合にIPアドレスが判別できているため、名前解決はできているが、通信速度が遅いという判断をしました。

キャッシュをクリアしてみる

DNSサーバーのキャッシュをクリアすることで通信が改善され、EntraIDへの接続がうまくいく可能性があるので、確認してみました。こちらもPowerShellで実行するコマンドですので、以下にコマンドを記載します。

ipconfig /flushdns

こちらは、可能であればMECをインストールするサーバーと、Active Directoryのドメインコントローラーの両方で実行することが好ましいです。(以下画像参照)

まとめ

1 ではDNSサーバーが名前解決できるかどうかを中心に記載しましたが、実際にはこれらを試しても解決できませんでした。

続編となる2では、解決した方法も含まれていますので、ぜひ読んでいただければと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。

執筆担当者プロフィール
岡村 陸

岡村 陸(日本ビジネスシステムズ株式会社)

MW2部2Gの岡村陸です。SharePoint Onlineを扱うことが多いです。趣味は麻雀とバスケットボールです。よろしくお願いいたします。

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