Nutanix Community Edition 環境の構築 Part4

前回の記事では、Prismの基本的な設定項目の紹介させていただきました。

今回はNutanixのデータレプリケーション機能であるAsync DRについて紹介していきます。

【前回の記事】

blog.jbs.co.jp

本章での検証範囲

本記事では、前回の記事で紹介した6ステップのうち、ステップ4の「Async DR 方法」について記載します。

  1. Nutanix CE インストーラー入手
  2. Nutanix CE デプロイ&クラスター作成
  3. Prism 基本設定
  4. Async DR 方法
  5. Nutanix Move 移行方法
  6. Flow 利用方法

Async DRとは

AsyncDRとは、Nutanixが提供するデータ保護機能で、二つの拠点間を非同期的にデータをレプリケーションする機能となります。

非同期的レプリケーションということで、リアルタイムではなく、一定の間隔でデータを転送し同期します。

Async DR イメージ図

Async DR 方法

それでは、Async DRの設定手順を解説していきます。

前提条件

Async DR を行うにはクラスターが二つ必要となるため、本検証ではバックアップクラスターとしてシングルノードクラスターを一つ作成します。

リモートサイト登録

ホーム画面の左上部から[Data Protection]を選択します。

画面右上部から[Async DR]-[+ Remote Site]-[Physical Cluster]を順に押下します。

1.Detailsでは、[Remote Site Name]-[プロキシ有効化]-[Capabilities]-[Cluster Virtual IP](バックアップサイトIP)を順に設定し、[Add Site]を押下します。

  • Remote Site Name:
    • リモートサイトクラスター名を入力します
  • Enable Proxy :
    • チェックボックスをオンにしてプロキシを有効にします 
    • デフォルトではオフになっているため、環境に応じて設定します
  • Capabilites
    • Backup:
      • バックアップをオンにすると、リモート・サイト・クラスタにデータをバックアップし、スナップショットをサイトから取得してローカルにリストアできますが、リモート・サイトから直接フェイルオーバーVMを実行することはできません
    • Disaster Recovery:
      • ディザスタリカバリでは、リモートサイトをバックアップターゲットとダイナミックリカバリのソースの両方として使用することができフェイルオーバーVMをリモートサイトから直接実行できます
  • Cluster Virtual IP:
    • クラスターの IP アドレス (IPv4 または IPv6) を入力します
  • Port:
    • ポート番号を指定します
    • デフォルトのポート番号は 2009 および 2020 です

2.Settingでは、[NetWork Mapping]、[vStore]を選択し、[Save]を押下します。

  • Bandwidth throtting:
    • ネットワーク間の帯域幅ポリシーを定義する場合は、有効にします
  • Default Bandwidth Limit:
    • 最大帯域幅を入力します
  • Bandwidth throtting  Policeies:
    • 送信に許可される最大帯域幅の制限や、帯域幅を提供する日付、時間を選択することができます
  • Network Mapping:
    • ソースクラスタと宛先クラスタのドロップダウンメニューからVLAN IDを選択します
  • vStore Name Mapping:
    • 各 vStores エントリは、ローカルのソースストレージコンテナとリモートサイトのリモートターゲッ トストレージコンテナ間の関連付けをマッピングします

下図のようにリモートサイトが登録されたことがわかります。

バックアップサイトも同様の方法でメインクラスターIPを設定し、リモートサイトを登録します。

Protection Domain作成

次に、Protection Domainを作成します。

画面右上部から[+ Protection Domain]-[Async DR]を押下します。

Protection Domain名を入力し、[Create]を押下します。

Protection Domainに含める仮想マシンを選択し、[Protect Selected Entities]を押下します。

  • Unprotected Entities:
    • エンティティリストから保護対象の仮想マシンを選択します
  • Auto protect related entities:
    • 選択した仮想マシンのエンティティを自動的に保護し、データの整合性と一貫性を確保します
  • Protect Selected Entities:
    • 「Protect Selected Entities」ボタンを押下すると、保護対象の仮想マシンが右側のProtected Entities リストに表示されます

[Protected Entities]に選択した仮想マシンが表示されいることを確認し、[Next]を押下します。

画面右上部の[New Scheddule]を押下し、スケジュールを作成します。

スナップショットの保持期間を設定し、[Create Schedule]を押下します。

スケージュールが作成されていることを確認し、[Close]を押下します。

下図のように、Protection Domainが作成されていることを確認します。

動作確認

作成したProtection Domainを選択して右クリックし、[Activate]を押下します。

アクティブになった事を確認します。

次に、画面上部タブからVMのページに移動します。

取得したスナップショットから、VMがリストアされていることを確認します。

VMを起動し、動作に問題がないことを確認します。

最後に

Nutanix CE でのAsync DR の手順は以上となります。

Async DR後に対象のVMを起動させる際、IPアドレスのバッティングを防ぐため、メインクラスターのVMが起動していないことを確認してから、バックアップクラスター側で起動させましょう。

次回は、Nutanix Moveを利用した仮想マシンの移行方法をご紹介したいと思います。

執筆担当者プロフィール
濱本 夢人

濱本 夢人(日本ビジネスシステムズ株式会社)

クラウドソリューション本部所属。主にHCI製品(Azure Stack HCI、Nutanix、vSAN etc)、仮想基盤、Switchの構築を担当しています。趣味はラーメン、つけ麺巡りです。

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