本記事ではNutanix Communitiy Edition(以下、Nutanix CE)の環境において、Nutanix Filesの設定から動作検証を行うまでの流れを紹介します。
Part1ではNutanix Filesの概要とFSVMのデプロイ準備について記載します。
Nutanix CEでNutanix Filesを構築する流れ
下図の5ステップの構成で、Nutanix Filesの設定から動作確認までを検証します。
- Nutanix Filesの概要とインストール
- Nutanix Filesの概要やインストールについて説明します
- Nutanix Filesの設定(AD)
- AD認証を使用したNutanix Filesの設定方法について説明します
- Nutanix Filesの動作確認(AD)
- AD認証を使用したNutanix Filesの挙動を確認します
- Nutanix Filesの設定(LDAP)
- LDAPを使用したNutanix Filesの設定方法について説明します
- Nutanix Filesの動作確認(LDAP)
- LDAP認証を使用したNutanix Filesの挙動を確認します
STEP1:Nutanix Filesの概要とインストール
本章での検証範囲
本記事では、先ほど紹介した5ステップのうち、ステップ1の[Nutanix Filesの概要]について記載します。
- Nutanix Filesの概要とFSVMデプロイ準備
- Nutanix Filesの設定(AD)
- Nutanix Filesの動作確認(AD)
- Nutanix Filesの設定(LDAP)
- Nutanix Filesの動作確認(LDAP)
Nutanix Filesの概要
Nutanix Filesは、SMB(CIFS)やNFSをサポートする分散ファイルストレージソリューションとなります。
主な機能としてはファイルアクセス、使用状況の監査、ランサムウェなどのセキュリティ脅威の検知などがあります。
クラスターにノードを追加することで、File Server Virtual Machines(以下、FSVM)のvCPUやメモリなどを容易にスケールアウトすることが可能となります。
FSVMのイメージは以下の通りです。
※ イメージ図では3ノードクラスターとなっていますが、本記事の検証ではシングルノードクラスターで実施します。
Nutanix Filesのインストール
Nutanix Filesをインストールするには、FSVM用のIPアドレスやストレージ容量の確保など、様々な事前準備が必要です。
事前準備
Nutanix Filesを導入するためには以下の準備をしておきましょう。
- Nutanix CEのシングルノード or マルチノードが構成されていること
- NutnaixのAOSやAHVなどのコンポーネントが最新版になっていること
- FSVM(AD用)に使用するIPアドレスを2つ準備しておくこと
- FSVM(LFAP用)に使用するIPアドレスを2つ準備しておくこと
- ADサーバが存在すること
- LDAPサーバーが存在すること
- ファイル共有用のWindows Clientが存在すること
- ファイル共有用のLinux Clientが存在すること
- DNSサーバが存在すること
Nutanix Filesのダウンロード
FSVMのデプロイ用のバイナリファイルとメタデータファイルを、以下のNutanixのサポートサイトから入手します。
https://portal.nutanix.com/page/downloads?product=afs
図のような[バイナリファイル]と[メタデータファイル]がダウンロードされていることを確認します。
Prismにログインし、[Settings]-[Upgrade Software]の順にクリックし、[File Serverタブ]から[バイナリファイル]、[メタデータファイル]をそれぞれ選択し、[Upload Now]をクリックします。
アップロードが開始と終わりは以下のような図になります。アップロード完了後、[Continue]をクリックし、File Serverのタブに移動します。
FSVMのデプロイ前設定
[+File Server]をクリックし以下の項目を設定します。
※既にiSCSI Data Services IPやネットワークの設定がされている場合は設定不要
- Add Data Services IP
- Add Network
1.Add Data Services IP
[Add Data Services IP]をクリックすると下図のように遷移します。
ISCSI Data Services IPを入力し[Save]をクリックします。
2.Add Network
[Add Data Services IP]をクリックすると下図のように遷移します。
[Create Network]をクリックします。
[Subnet Name]や[vSwitchの選択]、[VLAN ID]などを設定し[Save]をクリックします。
- 設定例:
- Subnet Name:File_server_network
- vSwitch:vs0
- VLAN ID:0
仮想ネットワークが作成されていることを確認し[×]をクリックします。
図のようにすべてのチェックが付いたら、FSVMのデプロイ準備が完了となります。
最後に
Nutanix CE でのNutanix Filesのインストール手順は以上となります。
次回は、FSVMデプロイと設定方法についてご紹介いたします。
濱本 夢人(日本ビジネスシステムズ株式会社)
クラウドソリューション本部所属。主にHCI製品(Azure Stack HCI、Nutanix、vSAN etc)、仮想基盤、Switchの構築を担当しています。趣味はラーメン、つけ麺巡りです。
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