【Microsoft×生成AI連載】久保田です。今回はMicrosoft Copilot Studioエージェントビルダーで事前に作成したエージェントをPowerPointで利用してみました。
※この記事の情報は2025/6/16時点のものです。
Copilot Studioエージェントビルダーに興味がある方や、Office製品と組み合わせて利用したい方など、様々な方に読んでいただきたい記事となっておりますので、ぜひご覧ください。
- これまでの連載
- Copilot Studioエージェントビルダーの概要
- PowerPointでのCopilot Studioエージェントビルダー利用について
- エージェントビルダーで事前に作成したエージェントを使用してPowerPointで資料を作成
- 利用シーンとメリット
- まとめ
- おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。
Copilot Studioエージェントビルダーの概要
Copilot Studioエージェントビルダーは、Microsoft 365 Copilotの機能を拡張し、業務の自動化と効率化を支援するAIエージェントです。Copilot Studioを使ってノーコードまたはローコードで構築でき、ユーザーの業務プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。
詳細については、以下の記事で紹介しておりますのでご参照ください。
PowerPointでのCopilot Studioエージェントビルダー利用について
これまでPowerPointでは、Microsoft 365 Copilotを活用して要約や資料作成を効率化することができましたが、最新の機能アップデートにより、事前に作成したエージェントをPowerPoint上でも利用できるようになりました。
※Wordでも同様に利用が可能ですが、現時点(2025/6/16時点)では、Excelで利用することはできないため、ご注意ください。
ここから、実際の業務利用をイメージした使い方を紹介していきます。
※ 本記事では、エージェントの作成が完了している前提で説明します。作成方法については以下の記事で紹介しておりますのでご参照ください。
エージェントビルダーで事前に作成したエージェントを使用してPowerPointで資料を作成
実際に、PowerPoint上でエージェントを利用して資料を作成していきます。
まず、PowerPointを開いて「新しいスライド」を作成し、画面に表示されているCopilotアイコンをクリックし、「Copilotに質問する」を選択します。
※画面右上の「Copilot」ボタンをクリックでも問題ありません。
Copilotとのチャット欄に「@」を入力し、利用したいエージェントを選択します。今回は、QAのやり取りを実施しているTeamsチャネルを情報源にした「QA検索エージェント」を利用します。
エージェントへの質問内容を入力し、送信します。今回は、「2025年5月から2025年6月までの1か月間で問い合わせの多かった内容を教えてください」と質問を入力し、送信します。
以下のようにエージェントから回答が返ってきました。
エージェントからの情報を資料化するために、「回答の内容を表にまとめてください」とCopilotに依頼します。
エージェントが作成した表をコピーし、Copilotが提案するデザインを利用すると、あっという間に表を作成することができます。
利用シーンとメリット
利用シーン
Copilot Studioエージェントビルダーで事前に作成したエージェントは、PowerPoint上で以下のようなシーンで利用を検討することができます。
- 案件概要の紹介
- エージェントのソースに案件のTeamsチャットやチャネル・資料のパスを指定することで簡単に案件概要を紹介する資料を作成することが可能。
- 進捗報告・提案資料の作成
- ソース内の最新情報も取得できるため、プレゼンの直前/途中で最新情報に更新することが可能。
メリット
事前に作成したエージェントをPowerPoint上で利用することで、プレゼン資料の作成効率を大幅に向上させることができます。
また、CopilotがWeb検索や社内データベースから最新情報を取得できるため、プレゼン途中の場合でも、その場で情報の更新・反映を行うことができます。
注意点
エージェントが利用する情報やデータは、必ずしも常に正確とは限りません。そのため、外部情報を使用する場合は、出典を確認し、必要に応じて直接内容を確認する必要があります。
また、情報漏洩のリスクに十分注意する必要があります。そのため、利用する環境やアクセス権限を適切に設定し、機密情報の取り扱いには細心の注意を払うことが重要です。
まとめ
本記事では、Microsoft Copilot Studioエージェントビルダーで事前に作成したエージェントをPowerPointで利用して、資料を作成してみました。
PowerPoint上でエージェントが利用できるようになったことで、資料作成時にエージェントとPowerPointを行き来する手間がなくなり、よりスムーズに作業を進められるようになりました。
また、Wordでも同様の機能が利用できるため、複数の情報源をまとめて資料を作成したい場面でも、今後積極的に活用していきたいと考えています。
おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
【Microsoft×生成AI連載】では、Microsoft Copilot Studioのエージェントビルダーで事前に作成したエージェントをPowerPoint上で活用する方法を紹介しています。これまでCopilotはPowerPointで要約や資料作成を支援していましたが、最新のアップデートにより、ユーザーが独自に作成したエージェントを直接PowerPointで利用できるようになりました。これにより、資料作成時のエージェントとの往復作業が不要となり、作業効率が大幅に向上します。実際の業務では、Teamsチャネルを情報源としたQA検索エージェントを使い、問い合わせ内容を抽出・表形式で整理し、スライドに反映することが可能です。利用シーンとしては、案件概要の紹介や進捗報告資料の作成などが挙げられ、プレゼン直前でも最新情報を反映できる点が強みです。一方で、情報の正確性やセキュリティには注意が必要で、出典の確認やアクセス権限の管理が求められます。Wordでも同様の機能が利用可能で、複数の情報源を統合した資料作成にも活用が期待されます。
久保田 有紀(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Data&AI事業本部 AIソリューション2グループ所属。AzureやMicrosoft 365周りの構築・運用を担当してきました。現在はCopilot、AIサービスの勉強をしてします。
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