AWS Application Migration Serviceを利用したサーバー移行【手順編】

前回、AWS Application Migration Service【概要編】では、Application Migration Serviceの機能紹介や、実際のサーバー移行までの流れを説明しました

今回は画像付き*1で実際の手順を説明していきます。

AWS Application Migration Service 移行手順

Applocation Migration Serviceの移行手順は以下です。次の項目から手順を記載します。

  1. 初期設定
  2. レプリケーションサーバーの作成
  3. ソースインスタンスへのレプリケーションエージェントのインストールとAWS MGN コンソールへの追加
  4. 起動テンプレートの構成
  5. テストインスタンスの開始
  6. カットオーバーインスタンスの開始

初期設定

1.AWSコンソールのApplication Migration Serviceから「使用を開始」を選択します。

2.セットアップ画面が出てくるので、「サービスをセットアップ」を選択し、Applocation Migration Serviceを有効化します。

Application Migration Serviceのコンソールが確認できれば、初期設定は完了です。

レプリケーションサーバーの作成

1.左ペインの「レプリケーションテンプレート」を選択し、「編集」を選択します。

2.レプリケーションサーバーの設定を行います。レプリケーションサーバーの設定項目は以下になります。

設定項目 内容
ステージング領域サブネット レプリケーションサーバーを構築するVPCのサブネット
レプリケーションサーバーインスタンスタイプ レプリケーションサーバーインスタンスタイプ
EBSボリュームタイプ レプリケーションサーバーのEBSボリュームタイプ
EBS暗号化 レプリケーションサーバーのEBSの暗号化有無
常にApplocation Migration Serviceセキュリティグループを使用 レプリケーションサーバーに対して、インバウンド TCP ポート 1500 のセキュリティグループを自動でアタッチ
追加のセキュリティグループ(オプション) レプリケーションサーバーに対して、追加で付与したいセキュリティグループ
データのルーティングとスロットリング どのルートからデータを取得するか。
ネットワーク帯域幅をスロットリング(オプション) レプリケーションデータ送信データに対して、ネットワーク帯域制限をかける
リソースタグ(オプション) レプリケーションサーバーのリソースタグ

各設定の実際の画面は下記の通りです。

全ての設定を行ったら「テンプレートを保存」を選択します。

レプリケーションサーバーの設定は、レプリケーションテンプレートの画面から確認可能です。

ソースインスタンスへのレプリケーションエージェントのインストールとAWS MGN コンソールへの追加

1.ポリシー名「AWSApplicationMigrationAgentPolicy」を付与したIAMユーザを作成します。IAMユーザのアクセスキーを発行し、IAMアクセスキーとシークレットアクセスキーを控えておきます。

2.左ペインの「ソースサーバー」を選択し、「サーバーを追加」を選択します。

3.Replication Agentをインストールするためのコマンド発行画面が表示されるので、移行したいサーバーを基に以下項目を入力します。

設定項目 詳細
オペレーティングシステムを選択します 移行したいサーバーのOS
レプリケーション設定を選択します 移行したいディスク
IAM アクセスキー ID 1で作成したアクセスキーID
IAM シークレットアクセスキー 1で作成したシークレットアクセスキー
セッショントークン セッショントークンを利用する場合に記載
ユーザー提供のリソース ID- オプション リソースIDを指定する場合記載
次のコマンドを使用して、 インストーラをソースサーバーにダウンロードします Replication AgentダウンロードURL。今回は端末にダウンロードし、移行したいサーバーに配置しました。
以下のコマンドをコピーして、ソースサーバーの PowerShell コマンドラインに入力します Replication Agent実行コマンド。控えておいてください。

各設定の実際の画面は下記の通りです。

4.移行対象のサーバーにログインし、「次のコマンドを使用して、 インストーラを  ソースサーバーにダウンロードします」でダウンロードした、Replication Agentを配置し、「以下のコマンドをコピーして、ソースサーバーの PowerShell コマンドラインに入力します」でコピーしたコマンドをPowershellで実行します。

「The AWS Replication Agent was successfully installed.」と表示されればインストール完了です。

完了するとAWSコンソール上で、ソースサーバーが表示されます。

起動テンプレートの構成

起動テンプレートは、AWS上に移行した際のサーバー等の設定になります。

1.「ソースサーバー名」を選択します。

2.「起動設定」からEC2起動テンプレートの「変更」を選択します。

「変更」を選択します。

3.起動テンプレートの画面で、設定変更します。

項目が多いので、Applocation Migration Serviceで設定変更しそうな項目のみ抜粋して記載します。

設定項目 詳細
インスタンスタイプ サーバー移行後に設定したいインスタンスタイプ
サブネット サーバー移行後に配置するサブネット
セキュリティグループ サーバー移行後に設定したいセキュリティグループ

各設定の実際の画面は下記の通りです。

変更変更を完了するには「テンプレートのバージョンを作成」を選択します。

「起動設定」の「EC2の起動テンプレート」から設定変更が確認できます。

各設定の実際の画面は下記の通りです。

テストインスタンスの開始

1.「ソースサーバー名」を選択します。

2.「テストおよびカットオーバー」から「テストインスタンスを起動」を選択します

2.「起動」を選択します。

テストインスタンスの起動が開始されます。「ジョブの詳細を表示」でテストインスタンスの起動状況が確認できます。

3.起動が完了すると、「移行ダッシュボード」の起動ステータスが「起動済み」となりますので、「EC2コンソールで表示」を選択します。

4.テストインスタンスが表示されるので、インスタンスにログインし、レプリケーションされているか確認します。

5.テストが完了したら「カットオーバーの準備完了としてマーク」を選択します。

しばらくすると、「移行ダッシュボード」でカットオーバーの準備完了となります。

カットオーバーインスタンスの開始

1.「テストおよびカットオーバー」から「カットオーバーインスタンスを起動」を選択します。

「起動」を選択します。

カットオーバーインスタンスの起動が開始されます。テストインスタンスの時と同様、「ジョブの詳細を表示」で起動状況が確認できます。

2.起動が完了すると、「移行ダッシュボード」の起動ステータスが「起動済み」となりますので、「EC2コンソールで表示」を選択します。


3.カットオーバーインスタンスが表示されるので、インスタンスにログインし、レプリケーションされているか確認します。

4.確認が完了したら「カットオーバーを最終処理」を選択します。

「最終処理」を選択します。

「カットオーバー完了」となり、移行が完了します。

最後に

Application Migration Serviceの具体的な移行手順についてまとめました。

本記事の手順が参考になれば幸いです。

*1:画像は2024/7/1時点のもの

執筆担当者プロフィール
加藤 弘晃

加藤 弘晃(日本ビジネスシステムズ株式会社)

クラウドソリューション本部 AWSの設計構築・運用支援業務を主に担当してます。

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