AIロボット「JetBot」を組み立てる

先端技術部テクノロジーリサーチグループの渡邊です。

テクノロジーリサーチグループでは、今期から「インダストリアルメタバース」に関する技術調査を行っており、NVIDIAのオープンソースAIロボットJetBotを使って以下のような検証を計画しています。

  • AIを使った自律移動
  • デジタルツインによる可視化
  • デジタルツインによるシミュレーション

本記事では、まずはその第一歩としてJetBotの組み立てについて紹介します。

JetBotとは

JetBotとは、NVIDIA Jetson Nanoというシングルボードコンピューターを搭載したオープンソースのロボットカーです。搭載されているセンサーはカメラのみで、撮影画像をAIモデルが処理することによって自律移動を制御することが特徴です。

jetbot.org

購入する

入手するには以下の選択肢があります。

  1. 3rdパーティー製品を購入する
  2. NVIDIAの公式インストラクションに従う
  3. 公式インストラクションを参考に互換部品を買い集める

なるべくコストを抑えるため、今回は3の方法を取ることにしました。

組み立てる

基本的には公式サイトのハードウェアセットアップマニュアルと同一の手順になります。

モーターボックスとキャスター

FT-DC-002というDCモーターボックス付きのシャシーセットを購入しました。届いてから気付きましたが、JetBotのシャシーには小型すぎました。 モーターボックスにマウントを取り付けます。 シャシーにキャスターを取り付けます。

PiOLEDとモータードライバーを配線する

必須ではないのですが、今回はIPアドレスなどの情報を出力できるOLEDディスプレイも用意しました。

PiOLEDはピンソケットが実装されているため、このままJetson Nanoに接続できますが、同じI2Cバスに接続するモータードライバーを接続するためのピンヘッダを実装します。 モータードライバーに最初から付いているピンヘッダを外し、シャシープレートに取り付けます。

想定されていない取り付け方法だとは思いますが、なんとか合う穴を二つ見つけました。そこまで強い衝撃が加わる予定もないので、対角線二つのネジ止めで良しとします。

また、モーターなどの配線も接続します。 ※画面奥のモーターの配線が本来とは逆になっています。
※※モータードライバーに電源を供給するUSB端子がJetsonに刺さっていますが、本来はモバイルバッテリーと接続します。

ホイールの組付け

ホイールにゴム製タイヤをはめ、車軸に取り付けます。

タッピングビスなので取り外しは考えないほうが良いでしょう。

シャシーの完成

上下のシャシープレートをスペーサーで止め、モーターボックスを挟み込むようにしたらシャシーの完成です。

上部筐体

完成したシャシーの上にモバイルバッテリーとJetson Nano、カメラを取り付ける必要があります。

今回はタミヤのユニバーサルプレートキットとM3のスペーサーでシャシーの上にさらに筐体を組むことにしました。ユニバーサルプレートもシャシーも3mmの穴が開いているため、適当な穴で固定しました。

さらにその上にJetson Nanoを搭載しますが、こちらはM2ネジを使います。

ピッチが合わなかったのでユニバーサルプレートを加工してなんとか固定しました。しかし幅が足りなかったので、固定はネジ2本のみです。今後きちんと固定できる何らかの方法に置き換えたいと思います。

カメラ

NVIDIAの公式手順に従えばカメラマウントを3Dプリントするところですが、3Dプリンターを持ち合わせておらず、プリントサービスを使うのもコストがかかるので、部屋にあったブラスチック片にホットボンドで接着しました。

完成

3rdパーティー製品に比べるとやや見劣りするかもしれませんが、JetBotが無事完成しました。

次回以降OSなどのセットアップを行い、実際に動かしていきます。

執筆担当者プロフィール
渡邊 洋一

渡邊 洋一(日本ビジネスシステムズ株式会社)

先端技術部 DX技術課所属 インフラエンジニア→クラウド、機械学習等

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