Power Appsのキャンバスアプリには「所有者」「共同所有者」「ユーザー」の3つの権限があります。
本記事では、Power Appsキャンバスアプリの各ユーザー権限の変更方法についてご紹介します。
キャンバスアプリのユーザー権限
キャンバスアプリの各ユーザー権限についてご説明します。
- 所有者
- アプリの実行/編集/削除/共有設定が可能
- アプリ作成者は自動的に所有者となる
- 共同所有者
- アプリの実行/編集/共有設定が可能
- アプリの削除は不可
- ユーザー
- アプリの実行が可能
共同所有者/ユーザーへの権限割り当て方法
Power Appsからアクセス権を割り当て
指定のアプリから「共有」を開き、共有先を選択します。
チェックを入れて共有すると、共同所有者として権限が割り振られます。
チェック無しで共有すると、ユーザーとして権限が割り振られます。
所有者への権限割り当て
インポート/エクスポートし、所有者を割り当て
キャンバスアプリをエクスポートして他のユーザーにインポートした場合、 別アプリとして所有者の権限が新しいユーザーまたはグループに移行されます。
但し、下記注意が必要です。
既に公開しているアプリをエクスポート/インポートすると、新しいアプリに置き換えることになります。そのため、新しい所有者は必要に応じて、アプリのアクセス権や共有設定等のセキュリティ設定、データソース設定を行う事が求められます。
では、実際の手順を見てみましょう。まず、対象のアプリから「エクスポート パッケージ」を選択します。
パッケージの「名前」と「インポートの設定」を実施し、エクスポートを実施します。
「キャンバスアプリのインポート」をクリックします。
インポートの設定で、環境に新しくインポートする場合は「新しく作成する」を選択します。
既に既存に存在し、更新をする場合は「更新」を選択します。
PowerShellから管理者権限で所有者を変更
PowerShellから管理者権限を変更することが可能です。
PowerShellを管理者権限で開き、下記の必要なモジュールをインストールする必要があります。*1
Install-Module -Name Microsoft.Power Apps.Administration.PowerShell
Install-Module -Name Microsoft.Power Apps.PowerShell –AllowClobber
「信頼されていないリポジトリ」と表示される場合、そのまま「Y」で実行します。
モジュールをインストールしたら、所有者を変更するためにコマンドを作成するため、下記情報を取得します。
- 環境ID
- アプリID
- 所有者にするユーザーID
環境IDの取得
後ほど、PowerShellでコマンドを実行するために、環境IDが必要となるため、取得方法を記載します。
対象の環境を開き、「設定」から「開発者リソース」をクリックします。
「環境ID」を参照します。
アプリIDの取得
アプリIDもPowerShellでコマンドを実行するために必要となるため、取得方法を記載します。
対象のアプリの「詳細」をクリックします。
「アプリID」を参照します。
所有者にするユーザーのユーザーIDの取得
PowerShellでコマンドを実行するために、所有者にするユーザーのユーザーIDが必要となるため、取得方法を記載します。
ユーザーIDは「Azure Active Directory管理センター」若しくは「Power Apps上のOffice 365 Users コネクター UserProfileV2 アクション」で取得が可能です。
今回は「Power Apps上のOffice 365 Users コネクター UserProfileV2 アクション」にて取得します。
※ 予め、データでOffice365ユーザーに接続している必要があります
Power Appsを開き、「挿入」から「テキストラベル」をクリックします。
「Text」に下記を入力すると、ユーザIDを取得することが可能。
Office365ユーザー.UserProfileV2("新規所有者のメールアドレス").id
PowerShellでコマンドを実行し、所有者を変更する
PowerShellを管理者権限で実行し、上記で取得した情報を基に下記コマンドを実行します。
Set-AdminPowerAppOwner -AppName アプリID -EnvironmentName 環境ID -AppOwner 所有者にするユーザーのID
対象のアプリを参照し、「所有者」が変更されていれば完了です。
※PowerShellでコマンドを実行時、実行ポリシーのエラーが出た場合は、下記コマンドでポリシーを確認します。
Get-ExecutionPolicy
Restirictedと表示される場合は制限がされているため、下記コマンドで実行ポリシーを変更します。
※ 本番環境で実行権限を変えてもいいかどうかは個々の環境によって異なるので、確認の上で実行してください。
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned
下記サインインをして完了です。
最後に
以上、Power Appsキャンバスアプリのユーザー権限を変更する方法のご紹介でした。
今後もPower Platformに関して、いくつかご紹介できればと思います。
*1:既にインストールされている場合は不要