自テナントのPower Platform利用状況を分析出来るようになりました。
そもそもの問題
Power Platformはエンドユーザー自身が業務に最適なアプリケーションを自由に作成することが推奨されております。しかしながら、作りかけで不完全なアプリケーションや、作成者が退社してメンテナンスされなくなったアプリケーションなど、業務継続リスクが存在するアプリケーションも時間とともに増えていきます。
今回の機能の概要
今回、Microsoftは自テナントのPower Platform利用状況を分析できる新しい管理画面を発表しました。詳細はMicrosoftのこちらの記事を参考にしてください。
プレビュー: テナント レベルでの分析 - Power Platform | Microsoft Docs
Microsoftの発表では、この画面から以下のような観点でPower Platformの使用状況をチェックできます。
- 古くなったクラウドフローや作成者のいないクラウドフローを特定
- 環境間のクラウドフローの使用状況を比較
- コネクタ名、またはコネクタタイプでのクラウドフローの絞り込み
- 特定のコネクタに依存しているクラウドフローの特定
- プレミアムコネクタに依存しているクラウドフローの特定
※ Microsoft 365 メッセージセンターより引用
利用方法
本機能は現時点ではプレビューとなっており、明示的に設定をONにすることで利用が可能となります。
プレビュー: テナント レベルでの分析 - Power Platform | Microsoft Docs
- Microsoft Power Platform サイトの右上隅の 歯車 アイコン (歯車アイコン) を選択して、その後 Power Platform 設定 を選択します。
- テナントレベルの分析を有効にする のオプションをオンにします。
- テナントレベルの分析に同意します。
本機能のメリット
まだプレビューなので機能に制限はありますが、少なくとも
- 古くなったクラウドフローや作成者のいないクラウドフローを特定
- コネクタ名、またはコネクタタイプでのクラウドフローの絞り込み
は便利に使えそうです。作成者のいない = 作成者のIDが既に存在しない = 作成者が退職済みのクラウドフローはメンテナンスに問題がある可能性が高いですから、そういったフローをみつけ、さらに使用回数を確認すれば業務利用の有無も特定できます。そこからフロー使用者に連絡をすることで、クラウドフローの作り直しを促し、情報システム部として責任を果たすことが出来るのではないでしょうか。
また、会社で新たに特定のWebサービスの利用を禁止すると決まった場合、そのWebサービスが提供するコネクタで絞り込み、影響のあるフローの作成者に連絡をすることが出来ます。
まとめ
以上のように、本機能はPower Platformを運営していく中で、非常に便利な管理ポータルと言えます。まだプレビュー段階ですが、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
寺田 敬佑(日本ビジネスシステムズ株式会社)
クラウドマネージドサービス本部 所属。Microsoft 365 導入エンジニアとしてキャリアを重ねたのち、現在は JBS の Microsoft 365 系サービス/プロダクトマネージャーとしてサービス開発指揮を執る。
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