はじめに
Teamsのレコーディング機能は便利なんですが、社内向けの研修をTeams会議で実施した後に、それをEラーニングとして共有する際に、強制的に参加者の顔写真が見えてしまうことが気になりました。
まず、開始時はこんな感じで、参加者一覧が映ります。
さらに、画面共有を映している間も、右側に参加者一覧が映り続けます。
当日参加者に録画して社内で公開することは説明しているものの、顔写真が映り続けるのは気になります。
記事執筆時点ではTeams側の設定でこの部分を消すことが出来ないようですし、そもそも録画後に気づいたものなので、動画編集で対応することにしました。
※ 今回は録画、共有自体は事前に説明しており、受講者が講師に質問する際は録画をしないなど、録画内容で参加者を意識させないようにしていました。そのため、参加者一覧を消すことは問題ないと判断しています。ただし、残す必要があるケースもあるかと思いますので、ケースバイケースでご判断ください。
開始時の参加者一覧をカットする
レコーディング開始時は次のように画面遷移します。
冒頭の1,2の要素をカットすれば共有したい画面共有の内容から動画を開始できます。
という事で、DaVinci Resolveのエディット画面を開き、画面共有がはじまるまで動画を進めます。音声も聞きつつ、切りのいいところを探します。
見つかったらアウト点をマークします。
そうすると、動画の開始地点からアウト点までが選択された状態になるので、Deleteを押します。
これで、冒頭の不要な部分はカットできました。
なお、音声の都合でどうしてもカットできない場合は、動画の上のレイヤーに黒塗りの画像をかぶせてマスクするという方法もありますが、ここでは割愛します。
右側の参加者一覧をクロップで見えないようにする
画像の場合、画像の一部を切り取ることはトリミングといいますが、動画の場合はクロップと呼ぶそうです。
今回、赤枠の部分だけ使って、他の部分はクロップで切り取ってしまいたいと思います。
DaVinci Resolveのエディット画面で「クロップ」を展開し、右クロップの数字を大きくすると、動画の右部分(赤斜線の部分)が少しずつ見えなくなります。
元の動画のフレーム幅とフレーム高は1920 x 1080だったのですが、今回の場合、参加者一覧部分は右クロップを250にするとちょうど隠れてくれました。
ただ、この状態だと、見えなくなっているだけで、動画全体のレイアウトは変わりません。動画全体に対して共有したいコンテンツが左に寄った状態になってしまいます。
※ 赤枠が動画全体。共有しているスライド部分は左に寄った状態になっています
そこで、DaVinci Resolveのエディット画面でさらに「変形」を展開し、X位置を125(先ほど右クロップで設定した値の半分)を指定すると、中央に寄せることが出来ます。
これで、見せたい部分が中央にある形に出来ました。
実はこの状態だと動画の周りに黒余白が残っている状態になってしまうのですが、今回はこのままにしました。
※ 気になる場合はズームで調整も可能です。今回ならズームの設定を1.15程度にすると黒余白がほぼない状態になります。
おまけ:動画のレンダリングで元動画とほぼ同じサイズに抑える
DaVinci Resolve で動画を編集後は新しい動画として書き出す必要があります。動画の書き出しの際は処理でPCが重くなるのも悩ましいのですが、書き出し直した動画の容量が元動画より大きくなりがちです。
今回、画質的になんとか許容範囲で、かつ元の動画とほぼ同等のサイズで出す設定を見つけたのでメモしておきます。
- YouTubeを選ぶ
- 解像度を「720 x 480 NTSC DV」に設定
ただし、この設定はかなり画質的にはギリギリです。動画によっては適さない可能性も高いので、一度短い動画で試してみて、許容範囲かどうかを確認してから行うことをお勧めします。
舟越 匠(日本ビジネスシステムズ株式会社)
人材開発部に所属。社内向けの技術研修をしつつ、JBS Tech Blog編集長を兼任。2024年8月からキーマンズネットでPower Automateの連載を開始。好きなサービスはPower AutomateやLogic Apps。好きなアーティストはZABADAKとSound Horizon。
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