VMware vCenter Server(以下vCenter)ではシェルを使用することができます。
vCenterのシェルはアプライアンスシェルとBashシェルの2種類があり、デフォルトではアプライアンスシェルにログインする仕様となっています。
ただ、デフォルトのアプライアンスシェルの場合、WinSCPなどを使用してvCenterへファイルをアップロードする際にエラーとなってしまうため、シェルの設定変更が必要となります。
本記事では、vCenterのデフォルトシェルをアプライアンスシェルからBashシェルに変更する方法について記載します。
vCenterのSSH設定
まずは、シェルへアクセスするために、vCenterのSSHログイン有効化を行います。
設定はvCenter管理インターフェースから行うため、ブラウザからhttps://〈vCenter IPアドレス or vCenter FQDN〉:5480へアクセスし、rootユーザでログインします。
ログインしたら、左ペインの「アクセス」タブを開き、アクセス設定の「編集」をクリックします。
「SSHログインの有効化」をオンにして、「OK」をクリックします。
※vCenterデプロイ時にSSHログインを有効化している場合、すでに設定が反映されています。
設定後、SSHログインがアクティベーション済みになります。
デフォルトシェル変更方法
SSHを有効化したら、実際にシェルへログインして設定変更を行います。今回はTera Termを使用します。
Tera Termを起動して「ホスト」にvCenterのIPアドレスを入力し、「OK」をクリックします。
「ユーザ名」、「パスフレーズ」にrootユーザのログイン情報を入力して「OK」をクリックします。
以下画面が表示されたら、ログイン完了です。
アプライアンスシェルではプロンプトに「Command>」が表示されます。
以下コマンドを実行してBashシェルへ遷移します。
shell
Bashシェルではプロンプトに「ログインユーザ名@ホスト名[カレントディレクトリ]#」が表示されます。
以下コマンドを実行してBashシェルをデフォルトに変更します。
chsh -s /bin/bash root
デフォルトシェルが変更されたことを確認するため、一度シェルからログアウトします。Bashシェル、アプライアンスシェルそれぞれで以下コマンドを実行します。
exit
上記と同じ手順で再度SSHログインを行います。ログイン後、すぐにBashシェルのプロンプトが表示されるようになりました。
これで、デフォルトシェルの変更は完了です。
なお、デフォルトシェルをBashシェルへ変更後にアプライアンスシェルを使用したい場合、以下コマンドを実行することでアプライアンスシェルへの遷移が可能です。
/bin/appliancesh
シェル遷移時にパスワードを求められるので、rootユーザのパスワードを入力してください。
デフォルトシェルを初期設定に戻す方法
また、デフォルトシェルをBashシェルからアプライアンスシェルに戻したい場合は、簡単に設定変更を行うことができます。
Bashシェルで以下コマンドを実行します。
chsh -s /bin/appliancesh root
以下コマンドを実行して、一度シェルからログアウトします。
exit
再度ログインして、デフォルトシェルがアプライアンスシェルに変更されたことを確認します。
おわりに
今回はvCenterのデフォルトシェルを変更する方法を紹介しました。
WinSCP使用時のほか、Bashシェルの使用頻度が高い場合などにも便利な設定かと思います。
本記事が設定の参考になれば幸いです。