ファイルの保護方法として、Microsoft Purviewの秘密度ラベルの利用があげられます。
今回はラベルの利活用方法の一つ、動的透かしについて確認していきましょう。
はじめに
必要ライセンスや、秘密度ラベルの概要については、以下の記事を参照してください。
「透かし」とは
そもそも「透かし」とは、背景にドキュメントを保護するための「社外秘」など特定の情報を入力する事です。
wordでは [デザイン]タブ>[透かし] からドキュメントへ透かしを挿入することが可能です。
印刷時にも透かしは適用されるため、機密性が守られます。
上記に記載の通り手動で透かしを挿入することも可能ですが、今回はMicrosoft Purviewの秘密度ラベルを利用した透かしの挿入方法を説明していきます。
静的透かし
静的透かしとは
静的透かしとは手動付与する透かしと類似のものになりますが、秘密度ラベルを付与することで透かしの付与が可能となります。
透かし内容については管理者が設定された固定値になるため、社内で統一した透かしの利用を可能とします。
設定方法としては、秘密度ラベルを作成時に以下の項目を有効化・設定します。
1.[アイテム]で[コンテンツ マーキングを適用する] を有効化する
2.[コンテンツのマーキング]を有効化し、[透かしの追加]から透かし情報を入力する
静的透かしを利用する場合のポイント
- 入力するテキスト内容は、1,024文字まで入力可能
- ただしExcelのみ255文字まで
- フォントの色は、黒・黄・青・緑・赤 のみ設定可能
- テキスト配置は、左・中央・右 のみ設定可能
- フォントのタイプ、文字の太さ、傾斜、下線の設定は不可
- 利用可能拡張子は以下のみ
- Word:.docx , .docm, .dotx, .dotm
- Excel:.xlsx, .xlsb, .xlsm, .xltx
- PowerPoint:.pptx, .pptm, .potx, .ppsx, .ppsm
- 動的透かしとの同時利用可能
動的透かし
動的透かしとは
静的透かしとは異なり、動的透かしはドキュメントを開いたユーザーのUPN情報を透かしとしてドキュメントへ表示することが可能になります。
これにより、ドキュメントの機密性が守られるだけではなく漏洩者情報の追跡も可能となります。
※ 下記画像では、UPNの一部を塗りつぶしてマスクしています
設定方法としては、秘密度ラベルを作成時に以下の項目を有効化・設定します。
1.[アイテム]で[アクセスの制御] を有効化する
2.[アクセス制御設定の構成]を有効化し、[ダイナミックウォーターマーキングを使用する] へチェックをいれる
動的透かしを利用する場合のポイント
- 文字サイズ、色、向きのカスタマイズが不可
- 印刷時には保持されるが、エクスポート時には保持されない
- 静的透かしとの同時利用可能
- Officeアプリでの利用時はサポート対象外のバージョンあり
- 表示可能な値
- ラベル名、ファイル名、ファイルパス、ユーザー名、UPN、日付
最後に
コンプライアンス強化の面からMicrosoft Purviewの需要は高まっていますが、その中でも漏洩者情報の追跡を行える観点から、昨今動的透かしの需要が高まっています。
ぜひ利活用してみてください!