Red Hat Enterprise Linux(以降 RHEL)ではブートローダーとしてGRUB(GRUB2)が採用されており、ブートオプションを変更するにはGRUBの設定を編集する必要があります。
RHEL9.3以降からこのGRUB設定が従来と変わっているため、設定手順について記載します。
ブートローダーとは
サーバーに電源が投入されBIOS(UEFI)が最初に起動させるプログラムで、カーネルをメモリ上にロードする役割を持ちます。
設定方法
従来では以下のコマンドで設定変更、反映させていました。
# vi /etc/default/grub
# grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg
# reboot
ところが、以下RHEL9.3リリースノートに記載のある通り、従来の設定方法では設定を反映できません。
4.9. ブートローダー | Red Hat Product Documentation
このリリースでは、grub2-mkconfig コマンドは、デフォルトで BLS スニペットのカーネルコマンドラインを GRUB_CMDLINE_LINUX で上書きしなくなりました。
反映させるためには--update-bls-cmdline オプションを追加します。
# vi /etc/default/grub
# grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg --update-bls-cmdline
Generating grub configuration file ...
Adding boot menu entry for UEFI Firmware Settings ...
done
# reboot
再起動後、以下コマンドにて設定が変更されていることを確認できます。
# cat /proc/cmdline
BOOT_IMAGE=(hd0,gpt2)/vmlinuz-5.14.0-427.13.1.el9_4.x86_64 root=/dev/mapper/rhel-root ro crashkernel=1G-4G:192M,4G-64G:256M,64G-:512M resume=/dev/mapper/rhel-swap rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap
最後に
GRUBの設定変更はgrubbyコマンドでも可能ですが、今回はgrubファイルを編集し反映させる手順について記載しました。
本事象に該当するRHELバージョンを導入予定の方の役に立てば幸いです。