Schneider electricのスイッチ付きラック電力分配 ユニット(以下、PDU)を使用する際に、初期セットアップを行わないと電力が供給されない、という事がありました。
本記事では、AP7902BJを例に、Schneider electric製PDUの初期セットアップ手順を記載します。
概要
背景
ラックにPDU及びその他サーバー類をマウントしました。
サーバー類の電源はPDUから供給される想定でしたが、電源ケーブルを結線しても電力供給されていないことを確認しました。
調査したところ、以下の製品仕様であることが判明しました。
製品仕様
- 初期状態では各アウトレットは出力オフの状態
- 電源ケーブルを結線しても電力供給できない
- PDUにIPアドレスを割り当て、ブラウザから設定が必要
- 自端末と接続する為LANケーブルが必要
- IPアドレス割り当ての為のDHCPツールが必要
※ 本記事ではDHCPツールとして「Black Jumbo Dog」を使用します。
手順
作業準備
本製品は、ラックマウントタイプのPDUの為、作業前に以下を確認します。
- 正常にラックマウントできること
- PDUの電源供給元に正常に結線できること
また、前述のとおり以下が必要となります。
- 操作するPC
- LANケーブル
- DHCPツール(Black Jumbo Dog)
※各電源接続ポートのLEDが緑に点灯していれば、電源供給可能な状態です。
初期セットアップ
- 自端末とPDUをLANケーブルで接続します。
- 自端末にIPアドレスを割り当てます。
- ※本記事では[192.168.0.10]
- DHCPツールでPDUにIPアドレスを割り当てます。
- ※本記事では[192.168.0.1]
- ブラウザでPDUにアクセスします。
- 資格情報を入力し、[Log On]をクリックします。
- User Name:apc
- Password:apc(初期パスワード)
- 初期パスワードを変更し、[Apply]をクリックします。
- Current Password:apc
- New Password:任意
- Confirm New Password:任意
- [Configuration Summary]が表示されたら、タブから[Home]をクリックします。
- [Heater Confirmation]にて、[Agree 接続していない]をクリックします。
- [Home]にて、[Control]-[RPDU]-[Outlet]をクリックします。
- [Control]にて、以下入力し、[Next]をクリックします。
- [Control Action]にて、[On Immediate]を選択
- [All Outlets]にチェックを入れる
※PDU全てのアウトレットを有効にします。 - [Next]をクリックする
- [Confirmation]にて、[Apply]をクリックします。
- [Control]にて、Stateが[On]に変わったことを確認します。
以上で、初期セットアップは完了です。
電源供給確認
自端末の電源ケーブルなどをPDUに結線し、電源供給されているかどうかを確認します。
※PDU LEDの状態が緑点灯になっている事も確認します。
最後に
PDUはラックにマウントしてすぐに使用できるタイプもありますが、今回のように初期セットアップが必要なタイプもあります。
PDUの取り扱いで同様の事象が発生した場合は、本記事の機器でなくとも初期セットアップが必要な可能性があるので、製品情報などで確認してみて下さい。