AWS 認定試験の中では難易度が高いとされている AWS Certified Advanced Networking - Specialty を受験してきました。
受験して数か月経っていますが、私の学習経緯や所感を記事にしたいと思います。
これから受験される方の参考になれば幸いです。
- ANS-C01 : AWS Certified Advanced Networking - Specialty とは
- 筆者の経歴
- 学習教材
- 学習時間
- 受験結果
- 受験した感想
- おわりに
ANS-C01 : AWS Certified Advanced Networking - Specialty とは
試験概要
AWS認定試験は4段階に分かれています。ANS-C01は 専門知識が必要な Speciality 試験に属しています。
受験対象として「ネットワークソリューションのアーキテクチャの設計と実装に 5 年間の実践的な経験」と定められています。
高度な専門知識を求められる試験であることがわかります。
試験範囲
試験範囲の詳細は試験ガイドに掲載されています。
他の AWS 認定試験と異なる特徴として、オンプレミスとの接続を意識しなければならないため、汎用的なネットワーク知識が必要な点です。
AWS サービスの知識はあってもネットワークの知識が無ければ、合格に届かない可能性があります。
筆者の経歴
私の経歴を紹介します。後ほど紹介する学習教材、学習時間と併せて学習計画の参考になれば幸いです。
職務経歴
10年以上のオンプレミスネットワーク機器設計・構築業務を経て、現在は VMware Cloud on AWS の設計支援業務を行っています。
ネットワーク機器の設計・構築業務では、BGPの業務経験はないものの、LP や AS Path Prepend、MEDなどの属性について机上理解はあります。
VMware Cloud on AWS 設計支援業務において、Direct Connect や Transit Gateway まわりのネットワーク設計を行ったことはありますが、実際に AWS に触れた時間はほとんどありません。
主な取得資格
- AWS:SAP、SAA、CLP
- Microsoft:Azure Solutions Architect Expert、Azure Administrator Associate
- Cisco:CCNP、CCNA
- VMware:VCAP-NV Design 2022
- その他:ネットワークスペシャリスト
学習教材
勉強に使用した学習教材をご紹介します。
参考書で全体像を把握して、Black Belt で各サービス詳細を学習、Udemy 問題集と AWS 公式問題で知識の定着を図りました。
参考書
要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』
www.nri.com まず、この参考書を購入しました。ANS-C01には対応していませんが、AWS のネットワークサービス概要を理解するには十分な内容です。
(参考)AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識(ANS-C01)完全対応テキスト
www.ric.co.jp 私が受験し終えた後に発売された参考書です。ANS-C01に対応した唯一の日本語参考書です。
店頭でざっと中身を確認した限りでは、Transit Gateway など ANS-C00 では取り扱いの少なかったサービスについても内容が充実していました。
AWS Black Belt オンラインセミナーの資料
AWS では定期的にオンラインセミナーを無料で開催しています。その資料と動画がアーカイブとして公開されています。
図が多く端的に説明されているので、AWS サービスのキャッチアップには欠かせない資料です。
個人的には一番お勧めする教材です。
今回はネットワーク関連の資料を見るために、以下 URL にて「ネットワーキングとコンテンツ配信」でフィルタリングして表示された資料を一通り読みました。 aws.amazon.com 特に、以下の資料に関して重点的に学習しました。
- Direct Connect
- VPC
- Transit Gateway
- CloudFront
- Route 53
- Elastic Load Balancer
- Gateway Load Balancer
各サービスの詳細に関して、資料を見ずに声に出して説明できるようになれば理想的です。
Udemy
AWS SAP 受験の際にもお世話になった Udemy を今回も利用しました。
本番さながらの問題文の長さ、そして解説の量も多くて復習に最適です。
Udemy の教材は定期的にセールを行っていますので、そのタイミングで購入されることをお勧めします。
Practice Exam - AWS Certified Advanced Networking Specialty
Practice Exam - AWS Certified Advanced Networking Specialty | Udemy
問題は15問+65問で計80問あります。私の正答率は以下の通りでした。
- 演習テスト1
- 演習テスト2
AWS Certified Advanced Networking Specialty Practice Exams
AWS Certified Advanced Networking Specialty Practice Exams | Udemy
問題は20問 × 6セットで計120問あります。そのうち私は80問解きました。正答率は以下の通りでした。
- 演習テスト1
- 演習テスト2
- 演習テスト3
- 演習テスト4
- 演習テスト5と6は未受験
AWS Certified Advanced Networking - Specialty Official Practice Question Set (ANS-C01 - Japanese)
Self-paced digital training on AWS - AWS Skill Builder
スキルビルダーにログインが必要ですが、無料で AWS 公式模擬試験を受けられます。私は本番試験当日の朝に模擬試験を解きました。
正答率は以下の通りです。
2024年5月14日に問題更新が行われており、私が受講したのは更新前の質問セットです。
AWS 試験問題サンプル
AWS 提供の試験問題サンプルです。本来であれば最初に解くべき問題ですが、私は本番試験当日に試験会場に向かう電車内で解きました。
正答率は8/10で80%でした。
その他
設定項目やその意味を深堀するために、インターネット上に公開されている SIer のブログ記事を参考にしました。
AWS の「よくある質問」ページも参考にしました。1問1答形式で疑問点を解決してくれます。
学習時間
ご紹介した学習教材に対して費やした学習時間は以下の通りです。
参考書は半年前から読み始めていましたが、何となく読み漁って月に数時間費やす程度でした。今思えばまだ本格的に取り組んでいなかったと感じていますので、学習時間にはカウントしません。
本気で取り組み始めた試験日2か月前からカウントしました。
学習教材 | 学習時間 |
---|---|
参考書 | 29h |
Black Belt | 19.5h |
Udemy 問題集 | 18h |
AWS 公式問題 | 2h |
その他 | 5h |
合計 | 73.5h |
受験結果
784点で合格しました。 合格点は750点以上なので、余裕は無かったです。
受験した感想
問題文と選択肢がとにかく長文でした。全問解き終えたのは残り時間数分で、見直しはできませんでした。
受けた後は全く手ごたえが無く、不合格を覚悟していました。
問題の内容について触れることはできませんが、試験中に陥りやすい状況とその対策についてまとめました。
集中力の欠如
試験時間は180分という長時間に及びましたので、集中力の維持に苦労しました。
終盤になると疲労も蓄積されますので、問題文を一度読んでも理解できず数回繰り返し読むケースが多々ありました。
その際は無理せずに、5秒~10秒でいいので、目を瞑り休憩することをお勧めします。頭がリフレッシュして次の問題に臨めました。
また、前日は睡眠を多めにとり、当日は体調万全で臨むようにしましょう。
私は、当日朝の電車内でも模擬試験を集中して解いたため、試験前に既に疲労が蓄積してました。脳の疲労を持ち込まないように当日朝はリラックスしたほうが良いと、自省を込めて申し上げておきます。
残り時間が少なくて焦る
問題が長文のため時間との戦いになりますが、焦りは禁物です。
私は定期的に残り時間をチェックしてましたが、明らかに解くペースが遅く間に合わない状態でした。
消去法で選択肢を二択まで絞ったものの、そこから無駄に迷った時間が多かった印象です。
無い知識を絞り出すのは不可能なので、回答に迷った時点で指運を信じてすぐ選択して次の問題に進むべきでした。
後半はその意識で臨み、何とか時間内に解き終えることができました。
ネットワーク構成が複雑で頭の中で描けない
問題文は長文のため、ネットワーク構成も複雑なものが多いです。
複数リージョン、複数 AZ、複数 VPCに Transit Gateway、Direct Connect が絡んだ構成を頭の中で設問ごとに描くのは限界があります。
その場合は、試験前にもらうホワイトボードに構成図を描いてみましょう。頭の中がスッキリして、設問の選択肢に集中して解きやすくなります。
おわりに
AWS 認定試験は即答できる問題が少なく、複数のサービスが絡んだ問題が多い印象です。
実務において、資格勉強した内容が役に立つ機会も多いかと思います。
本記事が試験合格の一助になれば幸いです。