Azure Files:クラウドストレージの活用方法 Windows クライアント編

Azure Filesは、データ管理をクラウド上で簡単に、そして効率的に行うためのクラウドストレージサービスです。

今回は、Azure上に構築したWindows 10クライアントとAzure Filesを連携する方法について紹介します。

Azure Filesとは

Azure Filesは、Microsoftのクラウドストレージサービスの一部で、ファイル共有サービスを提供します。

さまざまな環境との柔軟なファイル共有が可能であり、クラウド上にデプロイした環境やオンプレミスのWindowsサーバー、Windows 10/11クライアント、Linuxサーバーとも連携できます。

また、スケーラブルで可用性の高いストレージソリューションとしても利用されており、大規模なデータの取り扱いや高トラフィックなアプリケーションにも対応しています。

Azure Files導入のメリット

Azure Filesを利用する最大のメリットは、その手軽さと柔軟性にありますが、その他にも様々なメリットがあります。

  • シームレスな統合
    • Azure FilesはWindows、Linux、macOSなど、さまざまなオペレーティングシステムとシームレスに統合できます
    • ユーザーは既存のアプリケーションやインフラストラクチャに影響を与えることなく、クラウドストレージを容易に導入できます
  • グローバルアクセス
    • Azure Filesは、インターネット接続があればどこからでもアクセスできます
    • リモートワークや複数の場所に分散したチームの作業を容易にします
  • スケーラビリティ
    • ビジネスの要件に応じて、Azure Filesは容易にスケールアップまたはスケールダウンできます。
    • ユーザーは必要なストレージ容量を常に手に入れることができ、余分なコストをかけることなくニーズに対応できます
  • セキュリティとコンプライアンス
    • Azure Filesは業界のベストプラクティスとコンプライアンス基準を満たすための強力なセキュリティ機能を提供します
    • データは転送中も保存中も暗号化され、さまざまな認証オプションを通じてアクセスが制御されます
  • バックアップと復元
    • Azure Filesは、データを自動的にバックアップし、必要に応じて簡単に復元することができます
    • データロスのリスクを大幅に軽減できます

Azure Filesの作成手順

では、実際にAzure上にデプロイしたWindows 10クライアントとAzure Filesの連携を行っていきます。

今回は、既にWindows 10クライアントは作成済みなので、Azure Filesのためのストレージアカウント作成から進めていきます。

ストレージアカウントの作成

1. Azure ポータルで「ストレージアカウント」と検索し、 [ストレージアカウント] をクリックします。

2. ストレージアカウントの画面が表示されたら [作成]をクリックします。

3. [ストレージアカウントを作成する]画面が表示されます。サブスクリプションやリソースグループ、ストレージアカウント名を入力したら[確認と作成]をクリックします。

※今回はパフォーマンスはStandard、冗長性はローカル冗長ストレージ(LRS)で作成しています。

4. [作成]をクリックし、デプロイの完了を待ちます。

Azure Filesの作成

1. こちらが作成したストレージアカウントです。ここからAzure Filesの作成を行います。

2. メニュー画面から[ファイル共有]をクリックします。

3. [ファイル共有]画面が表示されたら[+ファイル共有]をクリックします。

4. [新しいファイル共有]画面が表示されたら名前を入力して[作成]をクリックします。

5. こちらが作成したAzure Filesのファイル共有ページです。

Azure Filesのマウント

1. 作成したAzure FilesをWindows 10 クライアントにマウントする前に、Azure Filesにテスト用のファイルをアップロードします。Azure Filesのファイル共有のメニュー画面から[参照]をクリックします。

2. [参照]の画面が表示されたら[アップロード]画面をクリックします。

3. [ファイルのアップロード]が表示されたら任意のファイルを保存します。今回はAzureFilesdemo.txtとしたテキストファイルを保存しました。

4. アップロードされたファイルは[参照]から確認が出来ます。

5. ファイルのアップロードが完了したら、[接続]をクリックします。

6. [接続]が表示されたら[Windows]を選択し[スクリプトの表示]をクリックします。

7. 表示されたスクリプトをコピーします。

※パスワードは非表示にしています。

8. ファイル共有をマウントしたいWindows 10 クライアントからPowerShellを開き、7. でコピーしたスクリプトを張り付けて実行します。

※パスワードは非表示にしています。

9. スクリプトの実行後にエクスプローラーからファイル共有マウントが成功していることを確認します。

10. Zドライブを開くと、アップロードしたファイルが表示されていることが確認できます。

11. 次は、Windows 10クライアント側から新しくファイルを追加します。今回はAzureFilesdemo-1としたテキストファイルを保存しました。

12. [参照]の画面から新しく追加したファイルが確認できます。

おわりに

今回はAzure上にWindows 10クライアントとAzure Filesを連携するプロセスについて解説しました。

Azure Filesの利用により、データ管理がより簡単かつ効率的に行えるようになります。ぜひ、この記事を参考にAzure Filesの導入を検討してみてください。

執筆担当者プロフィール
石黒 允規

石黒 允規(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ネットワークインテグレーション部に所属しており、主にAzureに関する業務を行っています。 JBS野球部にも所属しており、週末を楽しく過ごしております

担当記事一覧