外部 vCenter Server への VxRail Manager のデプロイ

VxRail を構築する際、通常はVxRail が提供する内部 vCenter を選択してデプロイすることが多いですが、既存のインフラストラクチャとの統合やその他要件を考慮し、別途構築した vCenter Serveを使用する事もあります。

VxRailの展開において、こういったケースは「お客様提供の外部 vCenter Server」と呼ばれます。*1

本記事では、お客様提供の外部 vCenter Server (以下、vCenter )に VxRail を展開する手順について、新規 vCenter へのデプロイとは異なる要点のみご紹介します。

本環境の構成

本環境では、VxRail ノード4台でクラスタを構築します。

  • 外部 vCenter と DNS サーバ、 NTP サーバは PowerEdge のサーバ上に配置します
  • ネットワークの構成は L2 の Switch で接続します
  • vCenter の構築は割愛します

構築前の準備

SolVe の手順書作成

はじめに SolVe の手順を作成します。

https://solve.dell.com/solve/home

※上記サイトへのアクセスおよび手順のダウンロードにはアカウントと権限が必要です。

特筆すべき点として vCenter オプションの選択では、要件に合わせ[ VxRail 提供の仮想分散スイッチを使用したお客様提供の外部 vCenter ]または[お客様提供の仮想分散スイッチを使用したお客様提供の外部 vCenter ]を選択します。

本記事では前者を選択しています。

ISO ダウンロード

VxRail の RASR リセット用の ISO ファイルをダウンロードします。

VxRail Softwareのサポート | ドライバーおよびダウンロード | Dell 日本

※こちらも、ダウンロードには専用のアカウントと権限が必要です。

VxRail のデプロイ

搭載/ケーブリング

割愛します。

外部 vCenter 設定の確認

Vxrail と外部 vCenter の疎通する SW のアクセスポートなどの環境から端末を接続し、事前の名前解決ができていることを確認します。

次に外部 vCenter にログインし、下記の5点を確認します。

  • vCenter の互換性
  • vCenter の FQDN
  • vCenter のデータセンター名
  • vCenter のクラスタ名が一意であること
  • vCenter にて VxRail 専用の管理ユーザが存在すること
vCenter の互換性

vCenter のバージョンが Vxrail のバージョンと互換性があることを確認します。

Dell VxRail:VxRailとお客様管理VMware vCenter Serverの相互運用性マトリックス |デルUS

※上記サイトへのアクセスにはアカウントと権限が必要です。

vCenter の FQDN

vCenter の FQDN は Vxrail Manager のデプロイ時に入力項目があるため、値を確認します。

IP アドレスで構築している場合、デプロイの検証で証明書の検証に失敗する旨のエラーとなる恐れがあります。

vCenter のデータセンター名

vCenter のデータセンター名も Vxrail Manager のデプロイ時に入力項目があります。データセンターが構成済みであることを確認します。

存在しない場合は、vCenter であらかじめデータセンターを作成しておきます。

vCenter のクラスタ名が一意であること

クラスタはデプロイ時に新規に作成されるため、既に作成されていないことを確認します。

vCenter にて VxRail 専用の管理ユーザが存在すること

VxRail 専用の管理ユーザがない場合は vmrailadmin など任意のユーザを作成します。

デプロイ時に権限が付与されるため、ユーザ作成時に権限の付与は不要です。

RASR リセット

VxRail サーバの電源を投入し、iDRAC に任意の方法で IP を設定します。ログイン後、機器の正常性を確認します。BIOS 設定で UTC 時刻設定や TPM の無効化を設定します。

ESXi Shell にログインし、RASR リセットを行います。完了後、ESXi や FW バージョンがアップされていることを確認します。

vmnic アサイン

iDRAC の仮想コンソールより vmic のアサインを行います。vmnic アサイン後に、Vxrail Manager に IP アドレスを設定します。

初期デプロイ

ブラウザから Vxrail Manager にアクセスし、初期デプロイのウィザードに進みます。

グローバルの設定では、[お客様が提供する VMware vCenter Server ]を選択します。

VMware vCener Server 設定では、構築前に確認した外部 vCenter の値を入力します。

その他の設定は通常通りに進め構成の検証、デプロイを行います。

まとめ

外部の vCenter に Vxrail Manager をデプロイする際は、事前の vCenter の確認が特に重要です。

まず、vCenter が FQDN で構築されていることを確認します。また、データセンターと Vxrail 専用のアカウントが作成されていることや、作成予定のクラスタが存在しないことをチェックします。

*1:VxRail が提供するシステムから見た場合に外部となるため。

執筆担当者プロフィール
谷 誠人

谷 誠人(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ハイブリッドクラウド本部でオンプレミス製品の導入を行っています。

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