本記事では、スクラム開発の考え方および、チームメンバ構成や実際の開発の流れについてまとめています。
スクラム開発では独自の役職名や会議用語が存在します。ルールも細かく定められていますが、全てを詳細に説明するとかなりのボリュームになってしまいますので、ここでは主に概要について説明します。
スクラム開発の考え方
スクラム開発とは先述した通り、アジャイル開発という開発手法の一つです。
ラグビーの「スクラム」にちなんで名づけられたのですが、スクラム開発ではラグビーのチームのように、チームの中で役割やタスクを割り振りし、コミュニケーションを取りながら開発を行っていくのが特徴です。
各選手がチーム内で役割を持つように、スクラム開発では各自が与えられた役割をそれぞれこなしていくことで、効率よく開発を進めていくことができます。
チームメンバ構成
スクラム開発におけるメンバは3~9名で構成します。
これ以上多い、あるいは少ないと、開発プロセスを回す上でルール通りに進行できないといったことが発生するため、人数については特に意識しておきたいところです。
スクラムチームメンバの役割は下記の通りに割り当てます。
プロダクトオーナー(PO)
プロジェクトの責任者です。
主にプロジェクトにおける意思決定や、計画、優先順位付け、メンバへの指示を行います。リーダーシップやコミュニケーション能力、プロジェクトにおける幅広い知識が求められます。
スクラムマスター(SM)
スクラムチームのマネージャーです。
開発チームの支援を行い、開発の障壁になる課題解決や、メンバの相談役等のポジションも担っています。開発期間中のミーティングの進行も担当します。コミュニケーション能力、スケジュール管理能力が求められます。
開発メンバ
実際に開発を行うメンバです。
ステークホルダー
開発に直接関わることがあまりない、プロダクトオーナーに意見できる立場の人(経営者など)です。
なおステークホルダーはスクラムチームのメンバには含まれません。
開発の流れ
スクラム開発では、スプリントと呼ばれる開発期間の単位の中で以下のイベントをこなしつつ、開発を進めていきます。イベントには原則全メンバーの参加が求められます。
開発の流れは以下の通りになります。1スプリントの期間の目安は2週間~1か月が目安です。
スプリントゼロ
開発サイクルに入る前に、1か月程度かけて準備を行います。
顔合わせや連絡方法などのチーム運用ルールの決定(キックオフ)から、プロジェクトのゴールの決定(完了の基準、作成する納品物の決定など)、タスク(プロダクトバックログ)の洗い出しなどを行います。
プロダクトバックログとは、プロジェクトを完遂するにあたり必要になるタスクのことを指した用語です。
スプリントプランニング
スプリントにて実行するスプリントのゴールをチーム全員で決定させるミーティングです。スプリントの初日に実施します。
具体的には、プロダクトバックログの達成のために必要となるタスク(スプリントバックログ)の決定、担当メンバアサインを行います。
スプリントバックログは、1スプリント内で確実に終わる内容にすることが大切です。チーム全体で話し合いながら決めていきます。
開発期間
スプリントのゴールに向けて開発をスタートします。
スプリント期間中は毎日ミーティングを行い(デイリースクラム)、開発メンバはその日やるタスクの宣言や、抱えている問題の頭出しを行います。毎日15分と時間が定められており、各メンバは簡潔に報告、相談することが求められます。
スプリント期間中に実施が難しいなどの問題が発生した場合、開発メンバはスプリントリファインメントでPOに相談をします。これにより計画の見直しや、タスクの方向性の確認を行うことができ、開発を進めやすくなります。スプリントリファインメントの開催は任意です。
スプリントレビュー
ステークホルダーへ開発内容の共有を行います。
スプリントの最終日に実施し、成果の確認を行います。
スプリントレトロスペクティブ
スプリント内のチーム活動の振り返りを行います。
スプリントの最終日に実施します。次のスプリントをより良いものにするためのイベントのため、よかったこと、悪かったこと、改善できることを全員で振り返りながらまとめていきます。
次のスプリントに移行したら、またスプリントプランニングを実施します。この流れをスプリントごとに毎回繰り返していきます。
おわりに
以上がスクラム開発の流れの概要になります。
細かくルールや役割が決められており複雑ですが、まるでボードゲームのようで面白いと感じています。
今後、このスクラム開発を実際に1年間経験してきた私の率直な感想をまとめた記事を作成予定です。これからスクラム開発の導入を考えている方や、実際の感想を知りたい方はそちらの記事をお待ちいただけますと幸いです。